集団相手の読み聞かせ、その手順

個人が楽しむために作られた絵本という文化財を、集団相手に一斉に聞かせるために、蓄積してきた方法を説明します。別の意見もあると思いますので、各自追加してください。

1 普段の習慣

図書館で絵本を探す習慣をつける。作者名が書いてない本や公益目的でない本は所蔵されていない。取り寄せをすれば図書館にはかなりの数があるので、不足はない。本の題名を元に後で調べることができるという利点もある。その他、自分でいろいろな情報を蓄積しておく。

2 集団相手の読み聞かせに向く絵本を探して記録しておく。

①   ある程度の大きさがある。広げてA4以上が目安か。赤ちゃん向けは小さくて構わない。
②   絵がはっきりしている。遠目が利く。
③   一度聞いて分かりやすい単純な話(口承文芸であるとの認識)
④   分類して認識する。
  ア 長さで分ける
      「読んで7分以上かかる長い本」「5分位の中程度の本」「3分以内程度の短めの本」
  イ 内容で分ける
      「言葉遊びや絵の展開を楽しむ本」「物語(創作か民話)」「行事のための話」「科学」
   ウ 画風で分ける
      「抽象画」「具象画」それぞれの画材や画風の違い。他に「写真」「コラージュ」「線画」
   エ 対象年齢で分ける
      「赤ちゃん幼児向け」「園児向け」「小学生以上」「大人向け」
   オ 文化で分ける
      児童文化「大人が子どもに与えたい」と思うような良い本

      子ども文化「子ども自身が楽しむだろう」という子どもの身の丈に合った面白い本
  カ 表現構造で分ける(別紙レポート参照
       線構造、点構造、複合型、ポリフォニー構造


3 プログラムを作る
プログラムを、読み手が決めるのは選択肢A・B、聞き手が決めるのは選択肢C。実際にはこれらを複合させることが多い。   
①選択肢A:セオリー重視型       
     
       並べ方:多様な画風、種類、長さのものを組み合わせる。例として、

         1冊目は聞きやすく簡単で短い本を入れる(導入の本) 
         2冊目は中程度の物語の本を入れる   
         3冊目は目先の変わった本や手遊びをして息抜きをする。
         4冊目はしっかりした聞きごたえのある本を入れる(メインの本)

       注意点:作家・画風・話の種類がだぶらないこと。季節や時間が戻らないこと。
             季節に合わない本は入れないこと。

       長所:安定したおはなし会ができる。
           子どもに出会って欲しい本を入れることができる。

       短所:本の解釈が人によって違うので違和感を持つ人も出る。
           無難で面白みに欠ける

②選択肢B:個人表現型 
       並べ方:プログラム作成者が、自分の作りたいおはなし会をイメージして選書する。 
                  作家や画風、季節や時間の配置などはすべて作成者の表現とするので、
             タブーがない。

       長所:刺激的で自由なおはなし会ができる。
       短所:セオリー重視型から見ると「勉強していない」と批判を受ける

③選択肢C: 聞き手選書型 
   並べ方:選択肢Aを元に、聞き手に好みの本を選んでもらう
   長所:聞き手との交流と満足を引き出すことができる。
       プログラム作りの準備が少ない。
   短所:読む本が確定していないので読み手に不安感がある。
       練習量が多い。

 4 練習する
   本の綴目をよく押して、開き癖をつける。画面が良く見えてめくり易くなる。
   安定した声。もともと自分の持っている声。
   登場人物のセリフや地の文は、高低・速さなどに変化をつけ、
   少し違いがわかる程度にする。
   読み手の個性が現れると、聞き手は面白い。
   「朗読」より「語りかける」つもりで。
   聞き手である子どもの心の満足につなげる。

 5 本番
   指定場所に開始30分前を目標に集合する。
   訪問チーフの進行に合わせる。

   

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