日々の気になるトピックス

瀬尾佳美の暇つぶし日記

女性の社会進出を妨げる「デフォルト」の罠  その①

2013年03月08日 | ポリシーウォッチ
明日、新宿のNHK学園で「わくわくさんの工作教室」があります。私学共済の加入者に案内がきています。

私も娘もわくわくさんの大ファン。もうすぐ番組が終了してしまうと聞いてがっかりしていたところなんです。だから是非!行きたいとおもったら、子供は3歳から8歳まででした。うちの子はまだ2歳ですから・・・

来年ならなあ・・

と思ったら来年でもだめだということに気づきました。

共済(とか社会保険)の福利厚生が利用できるのは、加入者と被扶養者だけです。共稼ぎ夫婦の場合、子供は収入の多いほうの保険の被扶養者になることが義務付けられていますので、多くのケースでお父さんの被扶養者になるとおもうんですよね。つまり、働くお母さん(=自分の保険料くらい自分で払っている人)には、自分の子供とこうしたイベントに参加できる機会は永遠に訪れません。

ようするに、こういう厚生制度って、被扶養者の妻(専業)と子供を「想定」してつくられているんですよね。女は働かないのが「デフォルト」だということです。

現行の制度では被扶養者は、フリーライダーです。つまり掛け金ゼロで、便益だけ被保険者と全く同様に受けられる人たちです。ということは、被扶養者が少ない人ほど制度に対する貢献は大きいはずなんです。なのに、こんなイベントからもはじき出される。親子なら別にいいじゃないですか、ねえ。お友達を大勢連れて行くわけでもないし。子供の分を「払ってない」という事実は、被扶養者になってようがなかろうが同じなんですから。

安倍政権は女性を積極登用する姿勢を打ち出しています。それは大変結構なことです。また、各自治体(たとえば横浜市)が保育所の整備などに力をいれつつあるのも結構なことです。そういう大きなところはもちろん大事なのですが、悪魔は案外細部に宿っていたりするものです。保険制度の「被扶養者に限る」もその一つです。

昔は被保険者本人は1割、被扶養者は3割と、多少は払う楽しみもあったものですが、今はそれもない。そりゃ「130万の壁」もできようというものです。人間は結構合理的ですからね。103万の壁もそこそこ高いけれど、130万の壁は本当に高い。こんなのほっておいて、女性の社会進出を演出しようなんて無理です、総理!


関連リンク 

■http://wedge.ismedia.jp/articles/-/2370?page=1
主婦の既得権を認めれば配偶者控除は廃止できる

☆う~~~ん、この提案はなかなかです。大いに説得されました。すごいなあこの人。早稲田ってやっぱりいいのかな。ちなみに、日本の大学は先進国のそれと違って大変な男社会ですから、こんなこと考えてくれる人はそんなに多くないです。


■ http://diamond.jp/articles/-/30628
「安倍政権が女性の社会進出を支援するなら配偶者控除を廃止すべきではないか

☆結論には賛成なのですが、どうも読後感がよくない。この人は「どうしたら産むか」という視点でしか女性をとらえていない感じがします。提案も「産まない専業からは補助を取り上げろ」って内容です。これはどうですかね。

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