ヤスの駄文部屋

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ゴジラ全作感想 昭和編

2017-04-02 12:34:20 | 怪獣
皆さんどうも!ヤスでございます。

今回この記事を書いたのには少し訳がありまして、誠に恥ずかしいことなのですが私これだけ「怪獣が好きだ!」、「ゴジラが好きだ!」と言っておきながら、これまで昭和ゴジラシリーズを全て見たことがなかったのです。
一応半分以上の作品は視聴済みでしたが、それですら見たのはだいぶ前でしたし記憶がかなり薄い。
それどころか全て見たことのあるVSシリーズ以降の作品ですら、あまり考えずに見ていたためか自分に中で評価が定まっていないではないですか!
そこで今更ながら「ひょっとして自分はゴジラについて全くわかってはいなのではないか...。」という考えが頭をよぎり、何故だか不安になった挙句「これはしっかり見直さねば...!」という考えに至ったのがことの発端です。
そうして既に見たものも含めて見返していき、ようやく見終わったので備忘録を兼ねてブログを書くことにしました。
それでは前置きはこの辺にして、そろそろ本題に行きたいと思います。





今回はネタバレは極力抑えるつもりなので苦手な方もどうぞ。





ゴジラ(1954)
個人的に一番面白かった作品です。60年以上前の作品ですが、それを感じさせないほど完成度が高かったと思います。
まず何よりもゴジラの描写が素晴らしいですね。最初は姿を現さず、存分に未知の生物への不安感を煽った上で姿を現したり、人間の作戦を嘲笑うかのように進撃し街を破壊したりとにかく怖い!

着ぐるみを使った特撮はこれが初めてらしいですが、怪獣を撮るアングルやミニチュア、合成の見せ方がこの時点で抜群に上手く感心してしまいました。円谷英二監督が特撮の神様と呼ばれる理由を実感することが出来ます。

ゴジラに対する人間のリアクションも面白いですね。未知の生物相手にどう対応するか揉める政府、マスコミによる報道、そしてそれに対する市民のリアクション等が過不足なく描写されていて、とてつもない緊張感がありました。
本多猪四郎監督はリアリティの演出が上手いという評価を耳にしたことがありますが、確かにリアリティを強く感じさせる演出で素晴らしかったです。

恋愛を軸にしたストーリーも見事にゴジラとの攻防と交わっていて面白く、怪獣が出ていなくても面白い映画だったと思います。

白黒ということで中々手が伸びない方も多いとは思いますが、間違いなくオススメです!この映画については別の記事でも書いたので、よろしければどうぞ。
戦後すぐだけあって生々しい。





ゴジラの逆襲
ゴジラシリーズの2作目となった本作。2作目からもう対決路線か!とも思いましたが、よくよく調べてみれば円谷監督が大好きなキングコングからして怪獣同士の対決があるわけで、ある意味必然だったのかもしれません。

この作品がなければそもそも「ゴジラシリーズ」がなかったこと、本作以降は対決路線が続くことを考えれば、この作品が後世に与えた影響は馬鹿にはできませんが、肝心の出来の方はと言うと個人的には微妙でした。
まずストーリーがあまり面白くなくて、友情やら恋愛やらを主軸にしたストーリーがかなり雑だし、新怪獣であるアンギラスもあまりストーリー的に大きな意味を持ちません。
ゴジラは明かりを嫌うから照明弾で誘導するのはは面白いですし、ゴジラを凍結させることを仲間の死から気づき作戦を立ててリベンジするのは燃えますが、前者は危機に陥る原因である窃盗団が唐突に感じますし、後者はそもそも人間ドラマが希薄であったせいかそこまで面白くありませんでした。

ゴジラとアンギラスの戦いの演出はかなり好みです。倍速を間違えたらしい所もゴジラが暴れるシーンとの差別化に繋がっているようで面白かったですし、何より首を狙ったりど動物的なのも良かったです。
全体的には微妙でしたが、所々光る部分はあったと思います。
言うほどアンキロサウルスでもないアンギラス。





キングコング対ゴジラ
日本のゴジラとアメリカのキングコングが夢の共演!この興奮はリアルタイムでしか味わえないものだと思いますが、ハリウッドで企画されているモンスターバースに心を躍らせている我々に近いものがあるのでしょうか?

今回はキングコング側のストーリーとゴジラを巡るストーリーの絡め方が素晴らしく、とても楽しい娯楽作になっていたと思います。
聴取率アップを狙いソロモン諸島の「魔神」を追う物語が、多胡社長等の魅力的なキャラクターもあって楽しい一方、ゴジラは本作でもきっちり脅威として描かれており、各怪獣が魅力的に描かれていたと思います。
若干主人公の妹の恋愛周りで冗長に感じる部分もありましたが、全体的にはよく出来た娯楽怪獣映画だったと思います。

特撮も氷山から出てくるゴジラや電車を覗くキングコング等印象的な演出が多かったですね。何気に大ダコが一番印象に残ってたりして(笑)。

昭和ゴジラでもオススメの一本です。
(平成の多胡社長とも言えるカルロス黒崎が出ている映画はこちら)
ハリウッドのキングコングもドーピングするのかな?





モスラ対ゴジラ
東宝の人気怪獣、ゴジラとモスラが夢の共演!モスラは女性人気が高いという話を聞きますがどうなんですかね?虫っぽいから苦手って人が多いかと思っていたのですが、わからないものです。

本編についてですが、個人的にはあんまりストーリーにノレませんでしたね。
卵を巡る金の亡者の話、ゴジラとの攻防、インファント島での交渉等やらなければいけない要素が多いせいか、それぞれの物語がかなり薄くなってしまったような気がするんです。全体的に台詞で済まされるところも多かったですし、各要素の交わりも弱くて全体的に冗長に感じました。
しかし全てが悪いというわけではなく、親モスラを倒し進撃するゴジラを食い止めるべく戦いを続ける自衛隊や、取り残された子供達を救うために頑張る展開や、親モスラが死んでからの幼虫達の敵討ちは中々熱かったと思います。
変な言い方ですが途中まではあまり面白くないけれど、親モスラが死んでからは面白いというのが正直な感想です。

特撮は個人的に好みの画が多かったですね。合成やアングルが上手くて全体的にそこにゴジラがいる!と感じられる演出が多かったと思います。やたら元気なゴジラの尻尾も好き。
モスラの幼虫ってチョココロネっぽい。





三大怪獣 地球最大の決戦
前作で共演したモスラに加えて、ラドンも加わり東宝三大怪獣が揃い踏み!さらに新怪獣のキングギドラも参戦するという超豪華仕様。当時の子供達はとてつもなくワクワクしたことでしょう。

自分も子供の頃から大好きな映画なんですが、いざ見返してみると予想以上に面白くありませんでした。
まずストーリーの軸がしっかりしていない。金星人を自称する王女の話は最後まではっきりしない部分が多いせいか面白みにかけるし、怪獣達もただ予言に沿って出現んするだけでドラマ的な面白みが薄いような気がするんです。モスラが説得する場面もなんか陳腐だし面白いと思えるポイントが弱かったと思います。

特撮はキングギドラの登場シーンが本当に美しかったです。あの爆炎が徐々に怪獣の形になっていく様は強烈でしたね。空を飛び、イナズマ状の光線で街を破壊していくのもかっこよかった。光線が当たった際に風を利用した演出をすることで、普通の光線と差別化出来ていたと思います。
三大怪獣の共闘シーン等、大好きな画も多い映画です。
しれっと死んでる双子の片割れ。





怪獣大戦争
前作で宇宙へと逃亡したキングギドラが再登場(同一個体ですよね?)、さらに謎に包まれたX星人も登場!東宝が製作していた「空想科学映画」と「怪獣映画」が融合した映画らしいです。

この作品意外とストーリーがとても面白くて、個人的に大好きです。
X星人の謎、波川とグレンの恋愛、鳥居青年の発明等が上手いこと交わっていてとても面白かった。X星人の全貌が明らかになるにつれて伏線がどんどん回収されていくのが見ていて気持ち良かったですね。ゴジラとラドンがX星人に利用されてから逆転するのも爽快でしたし、宇宙怪獣であるキングギドラをX星人の自演に使うのも怪獣の個性を上手く話に落とし込んでいたと思います。
まあ、どうせなら波川とグレンの恋愛はもっとしっかり見せて欲しかったっていうのもあるんですけどね。彼らの物語は「計算を想いが超える」っていう物語の根幹に関わる部分なだけに、アッサリ気味だったのが気になる所。

特撮は流用シーンも多いとは言え大迫力でした。合成も自然でしたし、風の演出も良かった。個人的にはゴジラの足や尻尾を印象的に映しているのが好きです。
それと土屋嘉男さん演じるX星人統制官の存在感も素晴らしかったです。独特の身振りを交えた喋り方は土屋さん自らの考案らしいですが、あれが本当に不気味で面白い!
全体的に綺麗に纏まっているし、個人的にオススメしたい映画です。
ガチで口説かれた水野久美





ゴジラ・エビラ・モスラ 南海の大決闘
地球最大の決戦!宇宙人との戦い!と規模が大きい映画が続いたかと思ったら、今度は南海の孤島が舞台という中々の極端さ。新怪獣もエビだったり、デッカい鳥だったりでややインパクト不足なのは否めないです。小美人がザ・ピーナッツから変わっていたのに結構ビックリしたりして。他にも本編の監督が本田監督から福田純監督に変わったり、音楽が伊福部さんから佐藤さんに変わったりで何かと世代交代感もありますね。

本編についてですが基本的に明るめの作風で見やすいのは良かったですが、個人的には微妙でした。
本作の黒幕である赤い竹は描写が少ないせいか、全体を通して登場する割には魅力に欠けますし、主人公側の物語の軸である兄弟の話や強盗の話もそれぞれバラバラな印象でイマイチでした。インファント島絡みの話も状況説明やモスラを呼ぶために出したような感じで残念。歌うシーンもやたら長くて冗長でした。

特撮はエビラがハサミを出すシーン等印象に残る映像も多かったのですが、全体的には地味だったと思います。最早タクシー扱いのモスラ





怪獣島の決戦 ゴジラの息子
前作同様、絶海の孤島が舞台。ゴジラの息子ことミニラが初登場です。その辺にあった卵から生まれたミニラですがゴジラの実の子なのか、それとも同族の子供を育ててあげただけなのか、考えてみるとわからないですね。
作品を重ねるごとに「ゴジラは悪い奴ではない」という部分が強調されてきたゴジラですが、今回は教育パパ的な一面を見せたりしてより一層良い奴に近づいた印象です。
特技監督が有川貞昌なっており、全体的に若い布陣での製作になっているように感じますね。

この作品個人的には中々面白い作品でした。実験の失敗、謎の妨害電波、島をよく知る謎の女性等が上手く絡んでいて結構楽しめました。ミニラが成長していく様子も微笑ましく最後の戦いも熱かったと思います。
怪獣達が基本的に勝手に戦ってるだけなせいか、怪獣同士の対決と人間ドラマが終盤まで繋がらなかったり、最後の作戦の必然性をあまり強く感じなかったりするのは残念でしたし、やはり全体的に緩い部分が多いのもあってあまり高く評価は出来ませんが、小さい子供と一緒に見ると面白いかもしれません。

特撮は操演のすごさに圧倒されますね。クモンガの動きは良い意味で気持ち悪かったです。島ということで全体的に地味なのは否めませんが個人的には好きですね。
最初から割とデカいカマキラス。





怪獣総進撃
中にはお前いたのか!レベルの奴もいますが、昭和シリーズでは最多となる11体の怪獣が共演。島での戦闘が2回続いたのもあってか、世界中で暴れる怪獣の姿は中々に爽快。音楽も久しぶりの伊福部サウンドでやっぱり音楽の力って凄いと実感しましたね。本田監督の群衆演出も相変わらず良かったです。

ストーリーの方に話を移すと、あまり面白くないというのが正直なところ。キラアク星人との攻防は途中まではともかく、弱点が判明した以降は消化試合感が強いですし、キラアク星人に操られた女性と主人公の恋愛もアッサリ終わってしまうし、面白みにかける話でした。

特撮はモスラが街を破壊するシーンや、マンダがモノレールを壊すシーン等良いシーンも多いですし、操演は相変わらず良かったのですがミニチュアの撮り方やアングルが全体的にイマイチだったように感じます。折角市街地が舞台なのですからもっと合成等を駆使して怪獣が街にいるように見せて欲しかったです。
さすがにキングギドラがかわいそう。





ゴジラ・ミニラ・ガバラ オール怪獣大進撃
色々な製作事情により、特撮シーンのほとんどが流用シーンになっている本作。怪獣の登場は夢での出来事なので、事実上怪獣が登場しないというある意味すごい作品。当時問題になっていた「鍵っ子」や「公害問題」が取り上げられており、鍵っ子に関しては劇中でもはっきり描写されていますね。
新怪獣としてガバラが登場しますが、シルエットのせいか人間感が強いのが気になるところ。

上述の通り流用シーンが多いので、特撮の見所はないに等しいですがストーリーは普通に面白かったです。鍵っ子で臆病者でいじめられっ子だった一郎が、夢の中でミニラと共に成長していくのが感動的でした。最後の彼の笑顔で、こちらもなんだか元気になれます。
序盤の挿入歌シーンは個人的にキツかったですが、意外と大きくなってから見ると楽しめる作品かもしれません。
それと怪獣と子供が一緒に成長していく物語は、「ウルトラマンギンガS」の「ガンQの涙」に通じる所があると思うので、この映画が気に入った方は見てみてください。
子供は元気が一番!





ゴジラ対ヘドラ
前作ではあまり掘り下げられなかった、公害問題にスポットが当たった作品ですね。公害から生まれた新怪獣ヘドラが登場します。南海の大決戦以降は陽性の作品が続きましたが、本作は監督の坂野義光の意向で、全体的に怖い演出が多い映画でした。オープニングと挿入歌で使われる「かえせ!太陽を」がやたら耳に残ったり、何かと話題になりがちな空飛ぶゴジラが見られたり、話題にしやすい映画ですね。

随所随所の演出は面白かったですが、個人的にストーリーはそこまで面白くなかったです。ヘドラを巡る物語が割とリアル寄りなのに、ゴジラ周りが妙にファンタジックなせいか上手く噛み合っていない気がしますし、物語の根底にある公害問題の描写も露骨すぎて説教臭さが強い。
全体的にテーマを押し出しすぎて、肝心なストーリーがボヤけてしまっているのが残念でした。
徐々に明らかになっていくヘドラの生態は面白かったですし、第3形態まで変化したところで第4形態はどうなる?となるのはシン・ゴジラに繋がっているような気がします。

特撮はヘドラが車を襲うシーンや、飛行しながら街を破壊するシーン等印象深い所も多かったですね。ゴジラや人間が白骨化するシーンが衝撃的でした。
小型化はしなかったけど飛翔はした。





地球攻撃司令 ゴジラ対ガイガン
円谷英二監督がタブーとしてきた流血シーンが衝撃的だった本作。ゴジラが完全に正義の味方になっているせいか、新怪獣のガイガンとキングギドラが気持ちいいくらいの悪役っぷりでした。飛行シーンと同様なにかと話題にされがちな吹き出しシーンが印象的ですが、アンギラスが子分のイメージで語られがちなのは、本作の影響かもしれませんね。

ストーリーは正直かったるい部分が強いという印象で、M宇宙ハンター星雲人との戦いが、怪獣同士の対決と上手く交わらず全体的に冗長ですし、怪獣達の戦いも消化試合感が強かったです。

特撮はキングギドラの暴れるシーンが流用シーンなのが気になるものの、ガイガンが暴れるシーンは爆発盛り沢山で大迫力!ガイガンは登場後すぐに子供達の心を掴んだようですが、無理もないですね。個人的にキングギドラとガイガンの登場シーンがカッコよくて特に好きです。
まさかのゴキブリ。





ゴジラ対メガロ
映画全体から「予算も時間もねえ!」という製作側の悲鳴が聞こえてきそうな本作。ゴジラが新怪獣のジェットジャガーとタッグを組んで、前作で一気に人気怪獣となったガイガンと新怪獣のメガロのタッグと戦います。

本編ははっきり言って支離滅裂で、登場人物の行動が意味不明だし、そもそもシートピアをメインにしたストーリーが「喧嘩売ってきたやつをぶっとばす」以外の何ものでもなく単純につまらないです。ジェットジャガーの巨大化の流れ等ツッコミどころは盛り沢山ですが、それ以前の問題だと思います。

特撮はメガロが暴れるシーンが流用シーンなのが気になりますが、メガロがダムを壊すシーンは、自分で壊しといて流されちゃうメガロのお茶目さも含めて良かったです。人間くさい動きが多い怪獣同士の戦闘シーンは、意外と楽しくて好きだったりして。
全体的に完成度は低いですが、低予算の中でも見所を用意したり、新怪獣を出そうとするスタッフの努力に涙が止まりません。意外と長いカーチェイス。





ゴジラ対メカゴジラ
ゴジラ誕生20周年記念映画である本作は、2年前に日本に返還されたばかりの沖縄が舞台となっています。沖縄の人の発言等様々な部分から当時の複雑な情勢を感じ取れることが出来るのが特徴ですね。
新怪獣として沖縄・安豆味(あずみ)王族の守り神であるキングシーサーと、メカ好きの川北監督が武器設定とネーミングを考えたメカゴジラが登場。さらに対ガイガン同様ゴジラの味方としてアンギラスも登場します。

ストーリーは正直あんまり面白くありませんでした。キングシーサーを巡る物語とメカゴジラ、ブラックホール第3惑星人との攻防の絡みが弱いし、そもそもそれぞれの物語がかなり薄味。途中のシーサーの置物を奪い合う流れが意味不明だったり、メカゴジラがゴジラの格好をした理由が謎だったり、残念な部分が目立った印象です。

特撮は対ガイガンと同様、爆発シーンの迫力が凄い。対ヘドラから特撮パートを担当している(対ヘドラでは準備班程度だったらしいですが)中野昭慶監督の演出が光ります。メカゴジラの描写も素晴らしいものが多く、ニセゴジラから姿を表すシーンや、虹色の光線で攻撃するシーン、爆発して銀色の破片が飛び散るシーン等美しさとカッコよさが印象に残る怪獣でした。足を伸縮させてジャンプしたり、首を360度回転させたり、メカであることを最大限に生かしているのも良かったです。虹色の光線でウルトラマンAを思い出しましたが、実際に川北監督は、ウルトラマンAで試した合成を本作で生かしたようですね。キングシーサー起きなすぎ。





メカゴジラの逆襲
タイトルにゴジラ以外の怪獣の名前が使われているのが印象的な本作は、初期シリーズのようなシリアスな部分が印象的な作品です。一作目のオープニングと自衛隊のシーンで使われた音楽が、ゴジラ登場シーンで使われているのも特徴ですね。
新怪獣としてチタノザウルスが登場するほか、タイトル通りメカゴジラも再登場。すっかりヒーローが板についたゴジラの前に立ちはだかります。

この作品、ストーリーがかなり面白かったと思います。チタノザウルスを巡る物語、桂と一ノ瀬の恋愛の切なさ、学会を追放された博士を利用する宇宙人と人間の攻防等が見事に絡み合って面白い。話の根幹にチタノザウルスがいるために全体を通して一貫性のあるストーリーになっていたと思います。本田監督による演出もリアリティと緊張感があって良かったです。
桂と一ノ瀬の恋愛があっさりしているとか、ブラックホール第三惑星人が桂を助けるのが計画が動き出す何年も前で、幾ら何でも早すぎるとか、ゴジラが子供を助けるシーンの無理矢理感とか残念なところはあるものの全体的にはかなり楽しめました。

特撮は町の破壊が多くて前作以上の迫力でした。合成等を駆使した怪獣の見せ方も上手かったですし、チタノザウルスが起こす風の演出も良かったです。ゴジラのヒーロー的な演出も素晴らしく、特にゴジラの初登場シーンの演出は物凄くカッコよくて、何度も見返してしまいました。
個人的に大好きですし、オススメしたい昭和ゴジラの一つです。
牧元教授の元ネタっぽい真舟博士。





まとめ
今までなんとなく話は知ってるけど、実際にはしっかり見たことないという状態が続いていた昭和ゴジラシリーズ。
色々印象に残ることがありましたが、個人的に平成以降の作品で持て囃されたリアリティ溢れる人間の描写や、人間の目線を意識した怪獣やミニチュアの撮り方が、昭和の頃から試みられていたのが特に印象的でした。
平成ガメラやシン・ゴジラはそういう昭和の時代からある良い所を昇華したからこそ、ファンの間で「これが見たかった」と評価されるのかもしれませんね。
また一気見することで、時代が進むごとに流行を取り入れたりしながら徐々に作風が変化していく様子を、わかりやすく実感することが出来たのも楽しかったです。
こんな風に新たな発見があったのは、今回の昭和ゴジラ一気見の最大の収穫でした。

全15作の感想ということで長くなってしまいましたが、最後まで読んでくださってありがとうございました。最後に個人的に面白かった昭和ゴジラ、好きな昭和ゴジラ、面白くなかった昭和ゴジラ、好きじゃない昭和ゴジラ各5作をランキング形式で発表して、終わりとさせていただきます。

面白かった昭和ゴジラ

5位 怪獣島の決戦 ゴジラの息子

4位 メカゴジラの逆襲

3位 キングコング対ゴジラ

2位 怪獣大戦争

1位 ゴジラ(1954)

好きな昭和ゴジラ

5位 ゴジラ・ミニラ・ガバラ オール怪獣大進撃

4位 キングコング対ゴジラ

3位 怪獣大戦争

2位 ゴジラ(1954)


1位 メカゴジラの逆襲


面白くなかった昭和ゴジラ

5位 ゴジラの逆襲

4位 ゴジラ対ヘドラ

3位 ゴジラ・エビラ・モスラ 南海の大決戦

2位 地球攻撃司令 ゴジラ対ガイガン

1位 ゴジラ対メガロ

好きじゃない昭和ゴジラ

5位 怪獣総進撃

4位 ゴジラ・エビラ・モスラ 南海の大決戦

3位 地球攻撃司令 ゴジラ対ガイガン

2位 ゴジラ対メガロ

1位 ゴジラ対ヘドラ


では皆さん、またいつか。