震災復興事業と雇用対策の結合を! 全ての失業者に仕事を!

在日米軍「思いやり」予算に反対し、全ての労働者が安心して働き、生活できる「あらたな社会のしくみ」創りを目指して闘います

第42回 釜ヶ崎メーデー 

2011年04月27日 | 釜日労活動報告

 

42回 釜ヶ崎メーデー 宣言

 

 

127年前、資本の横暴に対してシカゴの労働者たちが立ち上がった。

114時間を越える過酷な労働に、彼らは叫んだ。「8時間は仕事のために。次の8時間は休息のために。そして次の8時間は俺たちの好きなことのために」と。

この闘いは時をおいて全世界の労働者に広がり、1890年、ヨーロッパ各国を含めて第1回国際メーデーが開催され、全世界の労働者のスローガンとなった。

日本ではどうか。戦争の生々しい傷跡の残る1946年、第17回メーデーが盛大に開催され、戦後労働運動の新たな再出発を誓い合った。スローガンは「働けるだけ喰わせろ!」だ。

 

メーデーは歴史の示すとおり、労働者が闘いを宣言する日だ。釜ヶ崎メーデーもまた、一貫してこの精神を継承してきた。ここ釜ヶ崎でも、1970年第1回釜ヶ崎メーデーが行われ、西成署の「釜ヶ崎でのデモを不許可」に対し、仲間たちはプラカードを林立させ、赤旗を打ち振って「ドヤ代を下げろ」「日当3,000円以上にしろ」「手配師人夫出し追放」と叫び、決起したのである。

 

それから42年、今年もまた51日となった。苦しい闘い、楽しい闘いの41年を経て、多くの先達の努力によって、失業・野宿による生活苦にあえぐ仲間への新しい社会制度=「特掃」、シェルターを創らせ、NPOを創り出し、特掃事業をさらに拡大し、守り抜いてきた。「闘うメーデー」これが釜ヶ崎メーデーの伝統だ。

 

釜ヶ崎労働者は高度経済成長の時代を、設備投資の最先頭の兵士として、産業構造の転換と雇用の調節役として、時代の主役を担ってきた。ビル、ダム、道路、原発と汗水流しながら、万博景気とオイルショック、バブル景気とその崩壊、好景気とアブレ地獄、失業、野宿、そうした時代を生き抜いてきた。

 

世界金融危機は、労働者派遣法により新たな景気の調整役とされた派遣労働者を中心に、数百万の労働者から労働を奪った。若者から希望を奪い、高齢者から生活と生きがいを奪った。そして、この労働者派遣法によって景気の調整役からも下された釜ヶ崎では、「寄せ場」=労働市場としての機能を奪われ、仕事をも奪われてしまった。

 

いま日本は、311日の関東・東北大震災と福島原発事故で大打撃を受け、多くの労働者、農民、漁民、個人事業主らが失業者となっている。ゼネコンを筆頭に大企業‐大資本は復興事業までをも金儲けに利用しようとし、一方の被災者は阪神大震災のときのように若い労働力が必要とされる中で、高齢化した労働者などが取り残され、生活が困難な層として貧困層を形成することになるだろう。

 

この間の不況下でも輸出製造業は1年で業績を回復し、しっかりと利益を上げ、内部留保をため込み、資本家どもに配当を配り続けた。資本家は、しこたま利益を貯めこみ、労働者には低賃金と失業・野宿を押しつけ、政治家、政府-行政機関は解決の方法を見いだせず、すでに機能しなくなった旧来の社会保障制度を、手を変え、品を変え、押しつけるだけで、行き先を見失っている。改革を求める国民の期待を集めて登場した民主党政権も、経済界、自民党、米国など反動勢力の巻き返しの前に分断され迷走を続けている。

 

関東・東北大震災では、福島原発の事故をめぐって独占資本と政府・官僚・政治家の癒着構造が明らかとなった。電力独占資本はゼニ儲けのため、旧政権党の自民党は日本の核武装化のために、今だ未熟で危険な原子力開発を進めてきた。そして、国民の安全よりも原発推進が最優先され、ゼニ儲けのための経費削減のために安全性がないがしろにされてきた。それを監督すべき政府機関である経済産業省の原子力安全・保安院が電力各社の言いなりとなり、安全対策無視を看過・追認し、国会での野党議員の追求や善良な科学者の提言をマスコミへの利益誘導で封じ込めてきた。まさに独占資本が政治を支配する世の中であることがだれの目にも明らかとなった。

 

バブルがはじければ銀行に税金を使い、輸出製造業が大量派遣切りをすれば税金で後始末をする。原発で散々儲けたおした電力独占資本が重大事故を起こせば、これまた税金で後始末をする。労働者が失業すれば、雇用対策はおざなり。

大企業‐資本家が儲ければ自分のふところへ。大企業‐資本家がヘタ打ちすれば「オールニッポン」精神で税金を使ってケツをふき、やつらのせいで仕事を失った労働者は『自己責任』で失業・野宿。こんな社会の仕組みはおかしいだろう!

 

であるならば、我々労働者は、自身が生き残るための『新しい社会の仕組み』を自ら創り出さなければならない。新たな社会情勢に合わなくなった古い制度に縛られ、右往左往する行政に不平不満をぶつけるだけでは何も変えることはできない。失業と野宿の時代の未来は労働者自らが切り開いてゆこう!

 

新たな時代を迎えるメーデーに釜ヶ崎労働者の闘う声を!!



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5 コメント

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NPO釜ヶ崎のピンハネ ()
2011-05-04 05:02:26
NPO釜ヶ崎は保険の受給資格のない人からも特掃の賃金から雇用保険料84円と健康保険料265円を取っているそうです。路上生活者にとっては大きな金額です。またシェルターは枕もない劣悪な環境だそうです。路上生活者のために闘ってください。
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釜合労-稲垣個人商店の嫌がらせ (釜ヶ崎日雇労働組合)
2011-05-05 01:54:00
釜さん
 とうとう正体を現しましたね。労基署でさえ何も問題がないと言っている保険料の控除を「ピンハネ」等と言っているのは稲垣個人商店とそれに与する者だけです。税金を使った公的就労制度であるにもかかわらず、雇用保険法に違反して保険料を払いたくない、と言うのはただの我ままではないのですか?健康保険法の「適用除外制度」も国民皆保険制度の下で、日雇健保で資格ができない場合、国民健保に入っていることが条件のはずですが、稲垣個人商店は特掃労働者に日雇健保、国民皆保険制度を投げ捨てろと言っているのです。この二つの保険制度は世界的に見ても貴重な労働者を守るための制度です。そもそも、保険料の本人負担分を行政に負担させ、誰でも同一の手取り額を獲得できるようにしたのは、我々釜日労・反失連と闘った釜ヶ崎労働者の闘いの成果です。
お湯のようなお粥を配るだけで、野宿者をダシにしたカンパ集めにだけに奔走し、シェルター獲得のための闘いも、何の反失業闘争もしなかったオノレの所業を棚に上げ、ヤカラばかり並べていてはいけません。もっとシェルターを良くしたいなら、大阪市から予算を勝ち取る運動をみずからするべきです。
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Unknown ()
2011-05-09 21:34:03
そんな会社はないと思いますが、手帳を持っていない人が日給から保険料を引かれたらおかしいと思うでしょう。路上生活者の方が特掃の日給から349円も引かれるのは苦しいと訴えているのです。それをわがままだとは私は思いません。健康保険がなくても大阪社会医療センターへ行けば無料で診てもらえます。稲垣さんが特掃が始まって何年も経った今頃どうしてNPO釜ヶ崎を攻撃しているのか不思議な気はします。聞けるものなら真意を聞きたいものです。

釜ヶ崎日雇労働組合を結成したのは稲垣さんではないでしょうか。「釜ヶ崎日雇労働組合を結成し初代委員長となる」と『釜ヶ崎炊き出しのうた』に書かれています。カンパ集めをしているのは釜合労だけでなく釜日労やNPO釜ヶ崎もしているのではないでしょうか。釜合労と釜日労が組合員を募集しているのを見たことがありませんが、組合費というものがあるのでしょうか。どうやって資金を捻出しているのか不思議でなりません。

やなせたかしさんが言っていた言葉に感動したので転載しておきます。

「アンパンマン」を創作する際の僕の強い動機が、「正義とはなにか」ということです。正義とは実は簡単なことなのです。困っている人を助けること。ひもじい思いをしている人に、パンの一切れを差し出す行為を「正義」と呼ぶのです。なにも相手の国にミサイルを撃ち込んだり、国家を転覆させようと大きなことを企てる必要はありません。アメリカにはアメリカの“正義”があり、フセインにはフセインの“正義”がある。アラブにも、イスラエルにもお互いの“正義”がある。つまりこれらの“正義”は立場によって変わる。でも困っている人、飢えている人に食べ物を差し出す行為は、立場が変わっても国が違っても「正しいこと」には変わりません。絶対的な正義なのです。
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Unknown ()
2011-07-24 20:36:39
機会があれば稲垣さんに事実関係を聞いてみたいと思います。私自身で調査できるものではないので、ただの誹謗中傷に過ぎないと言われてしまえばそれまでですが。
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Unknown (釜ヶ崎日雇労働組合)
2011-07-25 10:34:56
それがいいですね。ついでに釜日労のときに組合で買ったはずの「解放会館」の名義がだれのものになっているのかとか、連日あいりん綜合センターの労働者の前で連呼していたNPO釜ヶ崎の理事長の給料が74万円(大阪市との交渉のときの記録に残っているらしい)発言とか解放同盟は釜ヶ崎労働者を差別しているとか○○神父はエセ神父だとか、その発言の真偽や発言する真意を確かめて公表していただければ嬉しい限りです。
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