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釜合労-稲垣浩の『名誉棄損裁判」の判決について③

2012年09月25日 | 釜日労活動報告
「告訴・告発路線」のゆくえ
 
 NPO釜ヶ崎つぶしの運動を始めてから、「西成分会の泊委員長もおかしいと言っています」と西成分会にすりより、「対行政の団体交渉にも参加した」と言ってその「権威」を利用しようとしている様ですが、西成分会と決別し、釜共闘を結成した(中心メンバーではなくとも、その一員として闘ったはずです)こと、『100円訴訟』を行ったことを労働者にキチンと説明できるのでしょうか。
 もっとも、我々は、西成分会との共闘それ自体を否定するものではありません。相互の闘いを評価しあい論争を深めていきたいと考えています。
 問題なのは「敵の敵は味方」とばかり、すりよる事を批判しているのです。
 このすりよりは、彼らの路線上の変節に原因があるということです。
 寄せ場の暴力支配と身体を張って闘うのではなく、行政やゼネコンとしか闘わない(これ自体重要なことだが)西成分会と決別し、釜共闘の闘いが出発したのではないですか。
 彼らはもはや、西成分会よりも右派となりさがってしまったのです。
 西成分会は、行政・ゼネコンにヤクザ・人夫出しの「取り締まり」を要求しましたが、「告訴・告発路線」ではなかったし、その限りにおいては闘いの一翼でした。今でも、行政への要求には 適正化なるものが付いているとはいえ「特掃」の拡大があります。
 ところが釜合労‐稲垣浩の要求には 釜ヶ崎の全ての団体の中で唯一「特掃拡大」がありません。社会的(公的)就労の意義が解らないのは仕方ないとしても、「特掃をふやせ」「55才以下の仲間の仕事を作れ」という、労働者の切実な声に耳を傾けることもできないで、不可能とも言える「職安は仕事をだせ」とのみ主張し、そして「告訴・告発路線」につきすすんでいるのです。
 「告訴・告発路線」では弁護士にたのんで裁判所に訴えてもらい、裁判所に判断してもらう、ということです。国家権力に労働者の未来を預け判断してもらうことです。弁護士を雇い裁判費用を払えるお金持ちしか闘えません。
 釜ヶ崎労働者が、自分たちの力で闘い、問題を解決するのではなく「稲垣さんにお願いして裁判費用を出してもらい、解決をしてもらう」ということです。
 「釜ヶ崎労働者の代表」を自認しながら、労働者の大衆運動、団結した力を信じることができず、否定しているとしか言いようがありません。
 釜合労-稲垣浩氏のこの間の告訴-告発運動は、「獄中で好きな新聞を読む権利を求める裁判」「獄中での選挙権を認めさせる裁判」であり、稲垣氏の気分を悪くさせた「釜日労に対する『名誉毀損』裁判」です。自分が好きな新聞を読む権利、自分が選挙をする権利、自分の『名誉』?を守る権利と、すべて稲垣氏のための個人的裁判のような気がするのは私たちだけでしょうか。
 同じ選挙権をめぐる運動とはいえ、選挙権を奪われてそれを取り戻したいという失業・野宿の仲間の切実な願いとはかけ離れているように思います。
 次はあいりん職安を告訴するそうです。たしかにあいりん職安が正規の業者を紹介し、求人があれば「職安法違反」の悪質な人夫出しは紹介しないでしょうから労働者は安心できるかもしれません。しかし、かつての山谷や横浜・寿町のように正規の業者が直接あいりん職安に求人をしに来るのでしょうか。
 関西における建設業の構造自体を変えて人夫出しを使わせない(無くす)ようにしないかぎり、人夫出しは地下へもぐるか、よその地で手配をし、釜ヶ崎労働者はさらなるアブレ地獄を迎えるか、過去(40年前)に逆戻りしたような違法行為にさらされることになるでしょう。
 釜ヶ崎労働者は知っています。労働福祉センターが人夫出し業者を登録させ、規制し、一方、労働者が直接的に業者と対決してきた闘い中で、40年前に比べれば手配方法・労働条件がそれなりに改善され、比較的に安心して仕事に行けるようになったことを。そして、悪徳業者が減ってきたことを。
 私たち労働者にとってはどこからであれ現実に仕事の求人があることが大事であり、一見正論であっても社会の根底から変えていかない限り実現しないようなことより、目の前の現実が一歩でも、半歩でも進むことを願うのです。だから、職安が悪いと裁判所にお願いし、訴えるよりも目の前の業者と直接労働者の団結で闘って、相手を変えてきたのです。裁判闘争も現場の闘いと結びついていない限り何の意味も持たないのです。
 ただ、何年もかかる裁判期間中「係争(裁判)中なので」と、なかまたち労働者自身の大衆的運動を否定する材料に使われてしまうだけです。
 
さいごに
 
 この裁判は労働者の「だましたな」という怒りをかわそうとして起こした裁判にすぎません。釜合労‐稲垣浩は「ピンハネ」「賃金不払い」「暴力飯場と本質は同じ」などとNPO釜ヶ崎を罵って労働者の信頼をつぶし、「NPOは解散しろ」とさんざん労働者を扇動してきましたが、その根拠とした特掃裁判で、労基署の認定通り何も問題がないという判決が出て敗北してしまいました。
 その労働者の怒りの矛先をかわすための裁判でしかなかったのです。
 そして予期していた通り 稲垣浩の「ひとり芝居」の第二幕が始まりました。
 裁判所の判決を『錦の御旗』に、さも自らの運動が「裁判所に認められた」かのように宣伝を開始しています。ビラなどに「釜日労謝罪広告」なるものをのせていますが、その記載の仕方には作為が感じられます。
 何のコメントもなくこれをのせれば、釜日労が謝罪広告を出したと誤解されます。実際、何人かの仲間から「なんであんな謝罪広告を出したのか」という質問が寄せられています。「裁判所の判決で、たぶんあの文章をインターネットで流せということらしいが、出してはいない」と答えておきました。
 選挙期間中でもないのに 彼らは事務所前に「市会議員 稲垣浩」と書いたカンバンを出し続けています。これを見た 事情を知らない労働者は「稲垣浩さんは市会議員なんだ。たいしたものだ」と誤解してしまうのでしょう。
 また、先日も「稲垣さんは盛大な夏祭りをやってくれる。安い屋台もたくさんだし、歌手も呼んで楽しませてくれる。なのに稲垣さんを何で批判するのだ」という労働者がいました。夏祭りは私たち釜日労や他の団体が実行委員会をつくり、協力し合いながら守り育ててきた行事です。どこかで誰かがミスリードしたのでしょう。
 更に 反原発闘争で東京に行った際も、「自分は夏祭りや越冬に毎回カンパを送っている。稲垣さんはどこにいますか」と尋ねてきた人がいました。この人も「稲垣さんがガンバッテ夏祭りをやっている」と思ってカンパを送っているのでしょう。「私たちは稲垣さんと無関係です。夏祭りはやっていますが 稲垣さんは今日来ているのか、どこかでどう夏祭りをやっているのか知りません。」と答えるしかありませんでした。
 まさか「夏祭りをやるのでカンパをお願いします」とは言っていないと思いますが、マスコミなどで報道されている我々(実行委)の夏祭りを稲垣さんがやっていると誤解し、カンパを送ってくる人がいるのなら、きちんと説明すべきだと思います。
 たぶん「四角公園」か、わたしたちの知らない所でやっているのであれば、何も言うことはありませんが。
 「あんな判決で大丈夫なのか?」と心配してくれる仲間も多いですが、わたしたちはこの「民事弾圧」に屈せず、今後も反失業・仕事よこせの闘いを軸に、反原発闘争、反戦・反基地闘争、オスプレイ配備に反対し、沖縄・本土から米軍基地を一掃する闘いを推し進めてゆきます。
 裁判の判決もわたしたちの闘いを縛ることはできません。
 私たちはなかまたちにウソをつくことなどできません。660万円おしさにいつわりの「謝罪」などできないのです。それどころか、ますます稲垣さんの本性・運動路線がはっきりわかってよいことだと思っています。
  最後に、釜合労-稲垣氏らによると釜日労は「裁判所にきつ~いお灸をすえられた」と言うことですが、私たち釜日労は判決以後も何も変わっていません。私たちは「大金をはたいた裁判で釜ヶ崎労働者の反失業・仕事よこせの闘いが一歩でも、半歩でも前進したのか」と釜合労-稲垣氏に聞いてみたいものです。
 
2012年9月15日 釜ヶ崎日雇労働組合
委員長 山中秀俊

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