宮崎日日新聞の「記者コラム」より
「まだ」だろうか。それとも、「もう」と感じるのだろうか。口蹄疫の発生から半年が過ぎた。
新しい防疫態勢づくりなど課題も多いが、発生が集中した東児湯5町で家畜の導入が始まり、再生に向けた歩みは
力強さを増している。
ただ、時間の経過とともに気掛かりになってきたこともある。記憶の風化だ。苦い思いをしたはずの10年前の口蹄疫で、
畜産農家が記憶にとどめていたのは「風評被害」だけ。消毒の徹底という教訓は忘れ去られた。
農家に配布された消毒槽がプランター替わりになっていたのはその象徴だ。
同じ指摘は、国や県、市町など行政にも当てはまる。ある専門家は「早期終息の陰に隠れたが、前回も埋却場所や
防疫員の数の少なさは指摘されていた」と苦言を呈する。「災害」と表現された今回の口蹄疫だが、備えが万全ではなかった
のも事実だ。
被害の程度や質こそ違うが、兵庫県には阪神・淡路大震災を経験した「語り部ボランティア」が約40人おり、今も自身の
記憶や経験、教訓を次世代に語り、災害への備えを説いている。
本県でも、県や市町が被害農家や獣医師から「語り部」を募るのはどうだろうか。
小、中学校で今回のせい惨な体験や畜産への思い、命の大切さを子どもたちに伝えることは食農教育の機会にもなるはず。
経験や記憶を語り、耳を傾ける。県民誰もが可能な口蹄疫へのかかわり方ではないだろうか。(報道部・草野拓郎)
◇ ◇ ◇
いつの時代にもいわれてる言葉。
「風化」。
今回も10年前と同じ道をたどるんでしょうかーーーー
でも、今回は10年前とは全然違いますよね。
日本全国を揺るがしました。
風化させてはいかんよ。
記憶が薄れていくのに、原因が分からずに再開し、対策が出来るのかと思います。
後世に伝えていかなければなりません。
正直な話、一番知りたい感染経路が不明なんですよね。だから、まだ怖くて酪農を再開されてない所もあるみたいです。
再開されたところは、消毒、消毒の毎日です。