【麻薬】パチンコ依存【癌】

米国政府の調査で麻薬、癌といわれているギャンブル・マシーン。パチンコの問題で調べた事、考えた事を書いていきます。

ギャンブルの動機と関与・・・⑩

2010年02月21日 | パチンコ

ギャンブルとマクロ経済

どうやら、社会においてギャンブルがマクロ経済の要素と傾向によってどのように影響されるかという具体的な理論はなく、その分野のわずかな調査があるだけです。
公的な論争では、時々、不況と高い失業率がギャンブルを刺激すると主張されます。
この主張は、そのような不景気において、人々が、ギャンブルと大当たりに信仰をおく傾向があるという仮定に依っています。
しかしながら、人々に費やすお金がより少ないとき、ギャンブルのような娯楽のための費用は減らされてきたと主張されるでしょう。
この意見では、人々は、娯楽に費やすお金をもっと持っている繁栄の時代によりギャンブルするでしょう。
「不況」理論には、何人かのアカデミックな支持者がいますが[209, 210]、それを支持するどんな確実な証拠もあるように思えません。
他方では、「繁栄」理論はいくつかの研究で支持されるように見えます[211, 212]。
しかしながら、他の学者は市場の状態がほとんどギャンブルの消費に影響を与えないという結論に達しました[213]。
株式市場における共通認識は、ギャンブル会社(リゾートカジノビジネスを経営するものを除いて)の収益が、景気循環とマクロ経済から比較的独立しているということです。
いくつかの他の考えは、ギャンブルとマクロ経済の状態の範囲で定式化されました。
政治学的観点からえ、ギャンブル規制の圧力団体モデルが提案されました [214]。
そのモデルは、ゲーリー・ベッカーの、政治的影響力のための圧力団体の間の競争理論の応用です。
賭博税からの州の歳入やギャンブルを規制する費用などのギャンブルに関連する経済的、政治上の変数が、2つの反対している政治上の立場を想定するモデルに盛り込まれます:
一方は厳しい規制を要求し、他方は寛容なギャンブル市場を支持します。
変数の値は、対立している立場が得そうである政治的支持を予測します。
例えば、ギャンブル規制の費用が非常に高いなら、規制のための支持は弱い傾向があり、そしてもし、州が厳しい規制を通してギャンブルからの多くのお金を税にできるなら、支持は強い傾向があります。
米国でのギャンブル規制の近代史に適用されると、モデルはよく適合しています[214]。

ギャンブル依存研究への関連性
人々がギャンブルに関与する程度に影響するマクロ経済の調査はほとんどありません。
これは不幸なことです。
政治家と、監督機関と、立法機関は、ギャンブル参加の決定要因と、これらがどうギャンブル依存普及に関連するかに関する事実を知りたがっています。
様々なマクロ経済の状況とゲーミング規制のモデルの下で、ギャンブル参加がどのように研究されるか、経済学、歴史、政治学、または他の研究分野がうまくいくかどうかは、不明瞭です。

賭け市場

経済学者は金融市場、主に株式市場の有効性の調査に多くの努力をそそぎました。
株式市場が効率的であるなら、与えられた株式のすべての最新の関連している情報が価格に反映されます。(それは、需給のバランスによって設定されます)。
市場のどんな関係者も、他のものが知らない株式に関連するものは知らず、すべての者が、原則として同じ市場分析を行う。
そのような分析から引き出された論理的な結論を超えたどんなものも、推測と同様です。
したがって、市場が完全に効率的であるなら、特定の株式の分析の応用は結局、全体の市場への投資より大きな利益は生み出さないでしょう。
しかしながら、市場が効率的でないなら、優れた分析力によって、他の関係者が所有している優れた情報に基づいて選択された株式に投資することで、利益を上げることができます。
経済学者の中では、株式市場はどの程度効率的であるかという論争が存在しています[216]。
効率的市場仮説の多くのテストが実行されました。
しかしながら、いくつかの固有の方法論の問題があります。問題は、特に異なった分野に関する株式市場の複雑性に関係し、そして、初期価格(買値)と比較し、その結果として投資の利益を計算する為に株式の最終価格(売値)を何時設定するかに関係します。
経済学者は、したがって、効率的市場仮説をテストするために、株式市場以外の市場を調べ、競馬への賭け(すなわち、馬券)の市場を含む仮定を関係づけました、
株式と競馬の賭けは、期待される長期的収益に関して異なっていますが[217]、いくつかの近い類似性があり、そして、研究者にとって、競馬の賭けは、それほど複雑でないという有利な点があります。
株への投資は競馬への賭けに対応しており、そして、賭けの収益は、投資された株式を売却するとき獲得された収益に対応しています。
オッズの高低、レースの始まりに関連した賭けのタイミング、馬に関する有効な情報量、馬の発走位置などのように、さまざまな要素によって、競馬の賭けの収益について計算できます。
例えば、部内者情報の影響に関する仮説[218-220]をテストするために、ブックメーカーが競馬に賭けることへの何らかの利害関係がありましたが、競馬の賭けのほとんどの経済学の研究が、パリミュチュエル方式=配当金分配法(賭け金計算器)の賭けに関係がありました。
競馬の賭けの経済学に関する文献はかなり実質的です。[221, 222]。
配当金分配法賭け市場の多くの経済分析は、これらの市場がかなり効率的であるという結論に、同様に到達しています 。
いくつかの賭け行動の偏りから生じる不完全さがありますが、特定の賭け戦略に従い一貫した利益を上げる為に、いくつかのまれなケースだけでこれらは利用されています。
したがって、賭け手の集団の知識と分析力は、それを賭け金計算器で蓄積し、オッズとして表示されるので、どんな個々のプレーヤーのものよりもほとんどいつも優れています[223]。
主要レースと競馬場の賭け集団は、その結果、経済学的意味で、良い情報を持ち、全体的に見て合理的に作用します。
しかしながら、これは、集団の中の個人が等しく情報をもち、等しく合理的に行動することを意味しません。
この問題に関して、競馬の賭けの経済学的研究は、ギャンブル行動の研究、つまりレジャーギャンブラーのものと問題ギャンブラーの両方に、より広い関係があります。
長期間におけるそれらの賭けの収益に関して、プレーヤー集団は3つのグループで構成されています。
さまざまな主義主張に基づいて馬を選択する普通のレジャーギャンブラーがいます。
このグループはすなわち、期待収益額よりわずかに少ない収益を得ることになります(賭けの合計-競馬場の取り分)。
次に、しばしば不十分な賭け戦略従うため、収益がそれよりかなり少ないグループがあります。
これらの戦略のいくつかは、勝つ可能性を過大評価し、損失を追いかけるのなどように、ギャンブル依存を暗示しているとして知られています(以下参照)。
3番目のグループは主に専門の予想屋から成ります。(競馬予想は、関連情報と分析技術に基づいて馬を選択する技術です。)
このグループの個人は、一貫して良い賭け戦略に従うので、期待収益以上の収益を得ます。
そのような専門家によって採用される有利な戦略のいくつかは、平均以上に失敗し損失を出す上記の2番目のグループのプレイヤーがとる戦略の逆さの鏡像だということです。
賭け行動で最も探究された現象が、大穴狙い傾向(favorite-longshot bias)です[222, 224-229]。
すべてではありませんが、大穴狙い傾向は、多くの競馬場と他の賭け市場で観測され、そして、調査は現在、それが起こる状態を分離するのに集中しています
その偏向は、プレーヤーが、高いオッズの大穴に賭け過ぎる傾向があるとき、生み出されます。
そのような賭けがされる理由は、以下の通りである。「無作為な馬の選択、甘い勝ち目の希望的観測、多くのお金を得る可能性のスリル、または、わずかしか信じていない勝者を選んでいるという自慢と個人的な喜びへの期待」

通常、大穴狙い傾向は、ギャンブル資金が不足してくるプレーヤーの数が増大し、損を取り返すか利益を上げる大当りを期待しているとき(彼らは自己の損失を追いかけています)、1日の最後のレースで一層あらわれます [230-232]。
また、1日の終わりは、プレーヤーがアルコールの摂取によって最も影響を及ぼされるときです。
その結果、専門のプレーヤーは、よりしばしば本命と2番目に賭けます。
それ自身では、そのような戦略はめったに現実には、十分な利益を発生させるには好ましくはありませんが、それは損失をかなり抑えることができます。
例えば、V75 Pick Sevenゲームに含まれるスウェーデンの研究では、5~6(対抗馬の典型的な配当率)のオッズ範囲の馬への賭けからの収益が92パーセントであることがわかり、その結果、80パーセントの平均期待収益より12パーセント高くなっています[233]。
30以上のオッズがある馬は48パーセントしか平均のリターンをもたらさなかったので、大穴偏向は、非常に注目に値しました。
調査された他の問題は、できるだけ遅く賭けることが有利であることを含みます。
多くの研究が、平均して、レースが始まるとき、後でレースの結果によって証明されるように、早期の時点のオッズより、最終的なオッズが勝つ可能性をより良く反映することをしめしました。
ギャンブラーが、賭ける方法を決めるのをより遅く待てば待つほど、その人が近づく手段を持っている関連情報の量と質は、より大きくなります。
また、経済学者は、過去の運用成績と現在のレースに関係する多面的な要素を含む予測モデルの運用成績について調査しました [235]。
コンピュータの補助によるそのようなモデルの応用は、いくつかの大きな賭け市場で、かなり採算が取れることを立証しました。
このセクションで議論された経済学の研究は、効率的市場仮説に関連する問題に関連し、特に賭け市場における非効率と非対照度の範囲と特徴を探究します。
その結果、それらの研究は、異なったタイプの賭け手の動機に関しても何らかを語っています。
少なくとも一部は、それらの賭けの規模、頻度、およびタイミング(レースの始まりに関連して)によって、これらの賭け手のタイプは目立っているので、その研究はギャンブルにおける関与に関しても何らかを語っています。
ギャンブルに関するプレーヤータイプと動機を探る明白な目的がある賭け行動を研究するわずかな、しかし、有望な試みがあります。
これらの研究のいくつかがイギリスで馬券を分析し[186-188, 194, 195, 238]、そして、1つはポーランドのカジノでの賭けパターンを調査しました [239]。
調査研究と質的な調査への補足として、そのような定量分析は追求に十分値するように思われます。
より一般に、インターネットゲームサイトでの大規模で詳細なプレーヤー追跡は、ギャンブル調査に対する興味深い新しい機会を提供しています[240, 241]。

ギャンブル依存研究への関連性
賭け市場の経済的な研究は、不確実性と財政的特徴と他の市場のもとにおける人間の意志決定に貴重な洞察を提供します。
賭けパターンの分析をとおして、ギャンブル行動の基礎となる考えと動機のいくつかを明らかにすることができます。
いくつかのタイプのギャンブラーのおおよそのイメージが現れてきます:
1.合理的で計算高いギャンブラー。
2.娯楽=エンターテインメントのためにプレーするギャンブラー。
3.さまざまな方法でしばしば非効率に行動するギャンブラー。
賭けパターンを調査する定量分析は、大規模スケールにおけるギャンブラーの実際の行動を目立たずに観測する唯一の機会を提供します。
プレーヤー追跡は、特に、ギャンブル会社の電子データベースへの研究者のアクセスが承諾されるなら、ギャンブルの自己報告に依る量的な調査研究の補足となるか、またはある程度置き換えることができる有望な方法です。