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隠れ家-かけらの世界-

今日感じたこと、出会った人のこと、好きなこと、忘れたくないこと…。気ままに残していけたらいい。

魂の再生のために~福岡のいじめ事件

2006年10月28日 20時00分42秒 | プチエッセイ
■「先生がやってたから、いいと思った」
 ちょっとマジメに考えました。教師がそのきっかけをつくったという福岡のいじめ事件。
 前にも書いたけど、いじめた子どもたちのこと。
 新聞やテレビでは、子どもたちはきちんと被害者の男の子の霊前で謝罪し、ご両親にも涙で謝罪し、それ以後眠れなくなっている子どももいるというということを報道している。教育委員会が怖いのか、自分たちの保身に走っているのか…、と言われてもしかたないような校長らの曖昧な言動に比べたら、よほど誠意も純粋さも感じられる。きっと今、思い切り苦しい毎日をおくっているだろう。
 子どもは幼いがゆえに往々にして残酷なことがある。それは私自身も覚えがある。その残酷さの暴走か、とも思ったけれど、やっぱり少し違和感がある。
 「先生がからかっていたから、いいのかと思った」という発言。これはどうなんだろう。
 もちろん、この教師の言動は最低だし、一つの命が失われたこと、そして何人かの子供たちを巻き込んだことの責任は大きい。大勢の人と同じように、おさまらない怒りと、「なんで?」という思いは、今も私の中にある。でも、それとは別に子どもたちの責任を考えなくてもいいんだろうか。
 幼稚園児や小学校の低学年の児童ではないんだもの。「死ね!」という言葉を日常的に特定の友達に言い続けることの異常さを「先生もやっていたから、いいと思った」で折り合いをつけていたとは思えない。
 「いい」となんて思っていなかったでしょ? キミたちは、絶対に「いい」なんて思ってなかった。先生もやっていたし、自分たちをしかったりしなかったから、ただおもしろかっただけだよね。それとも「こんなことしてていいのかな」と思っても、言い出せなかった? 自分が仲間はずれになるのが怖かった?
 きっと想像することもなかったんだろうね、「死ね!」と言われて、みんなの前でパンツをおろされて、それがどんなにつらいことか、屈辱的なことか。そして、自分がされたらどんなにイヤか。そんなことが続いたら、ひょっとしたら「死んでしまいたい」と思ってしまうかもしれない、ということ。きっと想像することはなかったんだろうね。

■ごまかさずに生きることと、大人のケア
 きっと、友達がこんなことで死んでしまうなんて、これっぽちも考えていなかったんだろう。ただただ、おもしろかったのか。
 「僕たちのやったことで、こんなことになったの?」と言っていたという子どもたち。残念だけど、そうなんだよね。そういうことがなかったら、その子は今も元気に学校に通っていただろうし。その事実を無視はできない。
 まさかそんなことはないと思うけれど、「終わってしまったことはしかたがない。キミたちにはこれからの人生があるんだし」などというフォローはしていませんよね。あの校長は全校生徒を前にして、「すんでしまったことはしかたがない」なんて発言をしていたし。
 きつくてもつらくても、自分たちのしたことをごまかしたら、まともに生きてはいけないよ。「すんでしまったこと」そんなことを言う大人がいたら、それはキミたちが信頼してはいけないやつらです。
 どんなことをすればいいのか、どんな償いをしたらいいのか、それは私にももちろんわからないけど、人のせいにはしない、自分のしたことを忘れない、想像することの大切さを考える…、そういうことに時間をかけた日々のあとで、ちゃんと生きていくことでしょう。
その子は生きられなかった時間へと、ちゃんと進んでいくことでしょう。それが許される、それが可能であることをちゃんと受け止められるくらいになれば、いいのかもしれない。
 子どもたちの心が萎えたり歪んだり落ち込んだりしたら、そのときは周囲の大人のケアが必要になるだろう。想像することさえできなかった子どもを育ててしまった周囲の大人たち(これは「親」に限定されるものではないけれど)にできることは、そういうことだろう。その結果大切な命が失われたのだから。
 「先生もやってたんだから」と言い訳をすれば楽だろうし、大人もそうやって子どもを慰めれば、自分だって楽かもしれない。でも、それで「明るい未来」がくるとは思えないけど。違うのかなあ。

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