忘れてしまったこと

■忘れてしまったこと

片足で一回転したら　景色が変わっていた
疲れて　休んで　また歩いて　休んで…
季節をいくつも飲みこみながら　老いていく
そういうことを　あのときは知っていたのかな

手の届くところを　キミは歩いていた
息がかかるくらい　話に熱中していた
あのとき　どんなことを話していたのか
覚えているなら　教えにきてよ

思い出や　くだらない諍いや
幼いためらいや　愚かな油断…
そういうものを　食べつくしても
やっぱり同じ毎日だったのかな

会いたいね　もう一度だけ顔が見たい
お得意の皮肉やいじわるも　許してあげる
ときどき現れるキミは　笑顔だけど
あのころは　どうだったんだろう

わたしが忘れてしまったことを
教えにきてよ　この季節が行く前に




【チョイひと言】
　いつの間にかこの国の大半の人は、「抑止力」という、私には限りない不透明な「力」を「肯定的に大前提して、沖縄の基地問題、普天間の基地移設問題を語れるようになってしまったのか。
　鳩山はたしかに突拍子もなくリーダーたる素養に欠ける人物であることが明らかになってしまったけれど、でも「抑止力」について迷いもなく突き進む政治家の連中が「よし」というわけじゃないし。
　いろいろな記事を読んでも，攻撃集団の「海兵隊の抑止力」がいまだにわからない。
　沖縄の犠牲はもう限度だ。そういう確かな現実を米国につきつけることなく、県外だ、いやそれは無理だ、一国の首相がなんだ！　とあちこちで議論しているだけなんだな。
　自民党も政権をとっていたときに手をこまねいていたのだから、民主党を責めるだけじゃなく…、と思うのだけれど、変わらないね。
　結局私たちは（というか、私は）また、文句を言うだけなんだよな。