隠れ家-かけらの世界-

今日感じたこと、出会った人のこと、好きなこと、忘れたくないこと…。気ままに残していけたらいい。

4年目の朝に気づいたこと

2015年03月11日 20時02分34秒 | 日記

2015.3.11(水)


 4年という月日が長いのか、短いのか。
 外に住む私には、それは「震災後の時間の長さ」でもあり、私が「自分のことで一喜一憂した時間」でもあり。
 普通は4年前のある一日など、思い出そうとしても、何があったかとか、その日自分はどんな気持ちで暮らしていたか、なんてわかりっこないんだけれど。でもあの震災の「おかげ」で、今の私にもあの日は鮮明だ。
 だけど、鮮明だったはずのところどころが、実は薄れてきたり、出来事の順番が不明になってきたり、自分の揺れた気持ちもどこか説明的になってきたりしている。
 それが「4年」だ。4年たったということなんだろう。

 改めて、思う。被災者とひとくくりで言わざるを得ないときが多いけれど、当たり前のように「それぞれ」だということ。みな異なる思いをもって、復興支援の行く末や、計画の中身や、悲しみの気持ちを抱えている。
 どうにか前に進もうという気持ちになれた人、まだここにとどまって無くした日々と亡くした人と共にいたいと思っている人。
 そういう「それぞれ」にそって世の中が動いていくことはきっと難しいだろう。けれど、少なくとも私たちは、その「それぞれ」があるということを忘れないでいたい。画面や紙面で語る人々の思いと、私が個人的に知りうる人々の話は限りなく広く重い。

                           

 震災の外にいる人にも、あの日は大きな影響を及ぼした。
 私はふいに今朝、気づいたことがある。
 震災後、なぜかうまく心が通じ合わなくなって距離を置かざるを得なかった友人。離れていった彼女を「なぜ?」と正直恨んだ時期もあったけれど、それは私の未熟さゆえの無神経ぶりだったのだと。
 長いこと故郷を離れて生きていた人だけれど、彼女も確実に被災地を故郷にもつ人だったのに・・・。当時、私は何をすべきかをゆるい頭で考えて行動することばかりで、彼女への優しい言葉も心遣いも忘れていた気がする。
 直接恨み言は言わないし、自分は恵まれているとしか語らない人だけれど、当時不安定な心を抱えていたこと、形容が的確かどうかはわからないが、一種の罪悪感にさいなまれていたこと、気づいてあげられなかった。
 こういう私でなかったら、彼女との緩やかで心地よい時間は今も続いていたはずだ。

 家族にも友人にも恵まれ、自分がいい状態で関われる仕事をもち、日々の穏やかな暮らしがある。それを楽しみながらも、ときどき「これでいいの?」と自分を振り返ったりする、そういうまさしく善意の人だ。じょうずに乗り越えて、彼女らしい世界で、大事な人たちと生きていくだろうと、信じている。
 甘いかもしれないけれど、また一緒の時間をちゃんと過ごせる日が来るかもしれない。

 震災はこんなふうに外にいた私たちにも、ささやかな波風で変化をもたらしたのだ。
 謝ってももう遅いけれど、4年目にしてようやく気づけた・・・鈍感な私の「4年目の今日」です。


 被災した人たちのメッセージを読むと、想像するしかない景色やその後の悲しみに、言葉もなく立ち尽くすだけです。
 何も言えない自分が、やっぱりここにいます。



                              


■「遠吠えシャッフル」
 直接、何も励ましたりしないし、そんなことはまったく期待しないけれど、でも、スピッツのアルバム「小さな生き物」にはどこかでいつもお世話になっている。
 何も決めつけず、気持ちを煽りもしない言葉が、ちゃんと心に着地する。
 
 「遠吠えシャッフル」の歌詞には、今でもときどきニヤッとしてしまう。
 そうだよ、「美しい国」なんて、どんなに胡散臭い表現なんだ。
 「いけない願望」も「ムダな抵抗」も、いつか何かを成すかもしれないし、捨てずに持っていようじゃないの!
 ちょっぴり勇ましい言葉の中に「いけない・・・」という妖しげな形容詞。
 これがスピッツの真骨頂だ。

 そういえば、ワタシ、恥ずかしながら今まで「遠吠えシャッフル」だとばかり思っていました。
 マユさん、この前会ったときに、、「遠吠えシャッフル」についてちょっと熱く語りましたけど、あのとき、「ええっ・・・、遠吠えシャッフルって・・・」と笑っていたのではないですか?
 言ってくれればよかったのに・・・。 


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