2021.05.23
「草野マサムネのロック大陸漫遊記」
FM TOKYO
数あるレシピのサイト。「最近ではスマホでも簡単に見られる」
その中から実験的にいろいろ作ってみるのが「ワタクシの最近の趣味」。
(たしかに新しいレパートリーを増やしたり、知っている献立をもっと美味くするのに、結構利用する昨今です)
草野「そんな中で、たぶんもう作らないだろうな、というものの代表がクッキー」
10年くらい前にチャレンジして満足のいく出来上がりだったけど、「砂糖とバターの量がものすごい。ほとんど砂糖とバター、食ってんじゃない?」と。
「そんなクッキーの正体は知りたくなかった」草野くん、最近はもっぱら買って食べていて、「原材量はあえて見ない」。
(そうか~。クッキー、大好きだなあ。私も見るのはやめよう。)
そして今回は、【フォークな曲で漫遊記】。
番組名は「ロック大陸漫遊記」だけれど、「たまにはフォークも聴いてみたいな」ということで。
草野くんのプレイリストの中から「わりとガチなフォークの曲を選んで」。
ただし、いつものことながら、ジョーン・バエズ、ボブ・ディラン、PPMあたりのメジャーな曲は避けて・・・です。
オンエア曲
01 海を見に行こう(スピッツ)
02 I Ain't Marching Anymore(Phil Ochs)
03 Colours(Donovan)
04 Crazy Man Michael(Fairport Convention)
05 The Archetypal Man(Judee Sill)
06 Cannock Chase(LABI SIFFRE)
07 Annie's Song(John Denver)
08 赤ちょうちん(かぐや姫)
09 醒めない(スピッツ)
漫遊前の一曲は、スピッツで「海を見に行こう」(2010年、10thアルバム『三日月ロック』)。
「スピッツでフォークっぽい曲は何曲かあるけど、今日、パッと浮かんだのはこの曲」と。
(そういえば、『横浜サンセット』の本編でのラスト曲がこれでしたね。あのとき、最初ちょっと違和感あったけれど、あの場に妙に似合っていて、海風に揺れた気持ちを思い出します。Aメロの一人ハモリが心地よい)
(おっとっと。radikoで少しずつ聴きながらテープ起こししていて、草野くんのコメントの前に曲を聴きながら書いていたら・・・ということです)
草野「いつかまた、海が見えるシチュエーションで歌ってみたいなと思っています」
(ああ、聴いてみたいなあ)
最初の曲は、「60年、アメリカ・ニューヨークの孤高のプロテストシンガー」、Phil Ochsの「I Ain't Marching Anymore」(1966年のライブ音源/2000年のアルバム『The Early』に収録)。
あくまでpoetなボブ・ディランに対して、アジテーターとして直球のプロテストソングを作り、歌ったシンガー。
当時は二人はライバルと言われていたが、結局は「(ボブ・ディランに比べて?)過小評価されている」と。
(たしかに。ボブ・ディランが神のようにあがめられていることを思えば)
草野「反体制のメッセージソングって、メロディーがイマイチだったりするけれど、Phil Ochsはメロディーもいいんですよね」
この曲も強烈な反戦歌。アメリカが関わった過去の戦争(先住民への侵略から、日本への原爆投下まで)を取り上げ、最後に曲のタイトル「もうオレは軍隊の行進はしない」と。
(以下は彼の代表曲「The War Is Over」。たしかに抒情的なメロディーがきれい)
Phil Ochs - The War Is Over
そして次は、「60年代から活躍するイギリスのシンガー」、Donovanの「Colours」(1969年『Donovan's Greatest Hits』)。
結成当時は、ブルーハーツの影響を受けていたスピッツ。
ブルーハーツの真似では未来はないよ・・・などの助言を受け、「脱ブルーハーツ」を試行錯誤したときに参考にしたのがDonovan。
「フォークギターを持ったサイケデリックなシンガー」というイメージ。
草野「見た目もかわいいし、曲もキャッチー。10代のころは中古盤を買ってはまってましたね。国分寺の珍屋」
ボブ・ディランのドキュメンタリーにも登場するので、「当時は重要なシンガーだっただろうし、ヒット曲も多い」
(「Mellow Yellow」とかね)
Donovan - Mellow yellow
次は、Fairport Conventionの「Crazy Man Michael」(1969年、4thアルバム『Liege & Lief』)。
1960年代に結成され、70年代に人気だったイギリスのフォークロックバンド。
レッド・ツェッペリンの4thアルバムの収録曲『The Battle of evermore 限りなき戦い』で、メンバー、サンディ・デニーさんが美しい歌声を聴かせているそうだ。
草野くんはこのサンディさんの存在でFairport Conventionに興味を持ったが、「サンディさんとジミー・ページさんは学校のクラスメートだったらしい」。
(へ~)
草野くん自身は、このバンドから、同じようなフォークロックのバンド Pentangle、そしてそのメンバーだったバート・ヤンシュへと、イギリスのフォークも少しかじったそうだ、「あまり詳しくないですけどね」。
「はまると、こちらもなかなか奥が深いです」と。
次は、「70年代アメリカの悲運のシンガーソングライター」、Judee Sillの「The Archetypal Man」(1971年、デビューアルバム『Judee Sill』)。
以前に、ココでもかけてくれました。
草野「リアルタイムではほとんど評価されずに長いこと忘れ去られていたけれど、21世紀になって再評価された」
こんな人が埋もれていたなんて、と驚いたという。不安定な今の世の中でこそ聴かれるべき曲、むしろ普遍的な曲なのでは?と。
草野くんの大好きなシンガーで、どの曲を聴いても泣きそうになって、「好きだからこそ広めたくないくらい」と。
この楽曲は、フォークやカントリーにクラシックの要素が絶妙に絡まって絶妙!と。
(私も名前を知っているくらいだったが、この番組をきっかけにオリジナルアルバム2枚は大事に聴いてます)
メッセージコーナー。
「好きなスポーツチームが敗れて、ストレスがたまりませんか?」というリスナーさん。眠れなくなったりするとか・・・。「今日も眠れませ~ん」(ああ、負けちゃったのね)
気持ちがわかる!草野くん。
冷静なときにイライラを解消する言葉をメモっておいて、いざそういう状況になったときに読み返す!
例えば、「負けてるときこそ応援するのが真のファンだろ?」とか、「こんなご時世にスポーツ観戦できるだけ幸せなことなんだよ」とか。
勝ったときにこそ、負けて悔しがるであろう自分に語り掛ける言葉を書いておく・・・。「オレ、それで結構冷静になれてます」
(やっぱり不思議な人だなあ・・・)
「自分の地域で使ってる方言が通じなかったことある」
愛知県のリスナーさんのところでは、「カギをかける」を「カギをかう」と言うそうだけど・・・。
草野くんは、「蚊に刺される」ことを「蚊にかまれる」と言うけれど、スピッツ静岡組の二人は「蚊にくっつかれる」と言って、通じないことを驚いていたそうだ。「くっつかれる・・・、言い方としてはかわいいと思いますけど」
キリのようなもので鋭く穴を開けることを「穴をほがす」というのは、全国的に使われていると思っていたそうだ。
(あれ、私の周囲でもこの言い方している人いるなあ。あの人、どこ出身だっけ?)
草野「『片づける』を『なおす』と言うのは、今でもついつい使っちゃいますけど」
(相方の熊本出身の友人は、「なおす」、よく使います」)
「○○やんけ」とか「○○や~ん」と言うと、「なに似非関西弁使ってんの?」と言われることがあるけど、「これ、九州でも使いますから」。
(京都出身の父が「座布団」を「だぶとん」と発音していて、これって京都ではそうなの?と思っていたけど、検索しても出てこないなあ。生きているときに確認しておけばよかった)
別れた彼女に貸したCDが返ってこない・・・。
草野「ああ、これね、諦めたほうがいいね・・・。しつこいと思われるのはよくないような気がしますよ」
そして、「○○さん、幸せになってほしいです」と。
次は、「70年代に人気のあったイギリスのシンガーソングライター」、LABI SIFFREの「Cannock Chase」(1972年、3rdアルバム『Crying Laughing Loving Lying 』)。
75歳! 「今もバリバリ現役で活躍」。
草野「どちらかというとソウルミュージック寄りの方だけど、初期のころはアコギの音が気持ちいい、フォークソングテイストの音」
フォークとはいえ、このアルバムは「オシャレな感じで、カフェで流れていそう」。
(声が好き。旅先の草原で車を止めて聴いていたいような・・・。出かけたいね)
曲名は、イギリス中西部の地名だそうです。
(下の「Something Inside So Strong」は1984年の作品で、南アフリカのアパルトヘイトのドキュメンタリー番組で流れたと記憶している。印象的な楽曲で、ときどき聴いています。この曲、アルバムには収録されてないのかな。もともと自分で歌う気はなかった、とどこかで言っていたような。不確実情報です)
Labi Siffre-Something Inside So Strong.(1987) Original Video.
最後は、「超メジャーどころ、いっときますかね」、John Denverの「Annie's Song」(1974年、9thアルバム『Back Home Again』)。
この曲は、彼の当時の妻への熱いメッセージ。「・・・でもね、そのあと離婚されてます」
草野「(デンバーさん、3回の結婚歴あり、のあとで)でもね、『瞬間は永遠である』という錯覚は恋愛中のあるあるですから、そんな中からこういう名曲も生まれてくるんですね」
(名言。錯覚なんだね。それにしても美しいメロディー)
(私のような、特にファンでない人間でも知っているのは、「Take Me Home, Country Roads カントリー・ロード」か)
そして、特集の最後に。
「ロック大好きっ子」の彼も、「たまには違う曲も聴きたくなる」そうで。
草野「クラシカルなやつとか、ジャージーなやつとか。フォークっぽい曲は疲れたときに聴くと沁みる」
この番組でも、今後たま~にこんな寄り道をするかも、だそうです。
そして、「ちょっぴりタイムマシン」のコーナー。
(イントロは「Holiday」。好きだなあ。忍び寄る足音のあやしさを感じさせつつ、せつなさやちょっと病的な空気も味わえる。)
曲は、かぐや姫の「赤ちょうちん」(1974年、4thアルバム『三階建の詩』/先行シングル)。
(うわっ、超メジャー)
今回はここもフォークな楽曲で。
「神田川」(ZO-3で「あなたは~ もう忘れたかしら~♪」)、「妹」(「あの~ みそ汁の~ 作り方を~ 書いていけ~♪」)とともに「四畳半三部作」と言われているのが、この「赤ちょうちん」と。
草野「わびしい感じがいかにも70年代、という感じで、沁みます」
バックに流れているスライドギターは、「オレ、とっても好物です」。
南こうせつさんは、ジョン・デンバーとのデュエット曲をリリースしている。(「岩を砕く花のように」かな)。
(こんなライブ映像がありました)
ジョン・デンバー&南 こうせつ 故郷へ帰りたい ’83年 John Denver & Kousetu Minami ♬ Take Me Home, Country Roads ’83
そして来週は、「(エレキギターの)アーミングで漫遊記」。
トレモロアームといって、音を曲げたり、音にビブラートをかけたりするシステム。
このトレモロアームを効果的に使った曲で漫遊!
(こういうテーマは、この番組らしい。楽しみです)
そして、「草野さ~ん、それ、体に良くないらしいっすよ」
田村正和さんが亡くなった。
たくさんのコメントに、優しく紳士だった様子が伝えられる。
コミカルなドラマでのチャーミングなようすも、『古畑任三郎』での際立つパフォーマンスもたくさん楽しんだけれど、今思い出すのは、バブル期の『ニューヨーク恋物語』。
出演者がみな日常なんてめんどくさいものから超越してカッコよくて、オシャレで。でも人の心のうつろいを丁寧に描いていて。
そして、こんな人、会ったことないよ、というくらいに主人公の人物像が絵になっていた。
あんな人物を演じて、私に恥ずかしさを感じさせない役者は田村正和さんだけだろうな。
これは最大級の賛辞です。
役者人生も命の限りも、静かにフェイドアウトさせて、それまでもがドラマのエンディングだったような気がする。
ご冥福を。