隠れ家-かけらの世界-

今日感じたこと、出会った人のこと、好きなこと、忘れたくないこと…。気ままに残していけたらいい。

妖しくいかがわしく、そして温かく~THE YELLOW MONKEY SUPER メカラ ウロコ 27

2017年01月04日 12時38分33秒 | ライブリポート(音楽)

2017.1.4(水)


 遅くなりましたけど、THE YELLOW MONKEYの「メカラ ウロコ 27」の感想を残しておきたい。
 もちろん(!)チケットはとれなかったので、映画館でのライブビューイングですけど。

 




 2016.12.28

   THE YELLOW MONKEY SUPER メカラ ウロコ 27
 at 武道館
 
 http://theyellowmonkeysuper.jp/


セットリスト
 01  MORALITY SLAVE
 02  DRASTIC HOLIDAY
 03  FAIRY LAND~電気じかけのナルシス
 04  SECOND CRY
 05  FINE FINE FINE
 06  VERMILION HANDS
 07  聖なる海とサンシャイン
 08  Four Seasons
 09  SHOCK HEARTS
 10  RED LIGHT
 11  セルリアの丘
 12  パンチドランカー
 13  Sweet & Sweet
 14  太陽が燃えている
 15  SUCK OF LIFE
 16  Father
 17  フリージアの少年

 アンコール
 01  This is For You
 02  真珠色の革命時代(Pearl Light Of Revolution)
 03  Subjective Late Show
 04  砂の塔
 05  東京ブギウギ(おそそブギウギ)
 06  アバンギャルドで行こうよ
 07  悲しきASIAN BOY


 ロビーはすごい人。大半がこのライブビューイングのお客さん。男性率高い! 
 座席は前から4列目のほぼ真ん中。こんな席、実際のライブではなかなかお目にかかれない。おお!と心の中で声を上げたけれど、あ、武道館じゃないんだ(笑)とちょっと自分を笑っちゃう。
 すでに画面には武道館のようすが映し出されていて、開演までのBGMがストリングスの生演奏? 贅沢だ~。
 1分前?からカウントダウン。これ、夏のときもそうだったけど、盛り上がるなあ。映画館の座席もほも埋まっている(もちろんsold out ですけど)。一人参加の人が多い印象。

 12月28日は、今のメンバーで初めてライブをした、彼らの「誕生日」と言われる日。この日にライブをするのは厳密には3回目。最初の「メカラ ウロコ7」からは20年ということになる(2001年の東京ドームでの「メカラ ウロコ8」は少し意味が異なるので)。
 今回のセットリストは「メカラ ウロコ7」が基になっていると言う人もいる。私はちょっと記憶にないので言明は避けるけれど、でも、それは想像にかたくないと思われるくらいに、コアなファンに向けたセットリストだった。ロビンのMCにもそういうニュアンスのものが感じられたな。
 初期の3作『THE NIGHT SNAILS AND PLASTIC BOOGIE』『EXPERIENCE MOVIE』『jaguar hard pain』あたりの楽曲が中心になって構成されたセットリストと思えば、「メカラ ウロコ7」を引き継いでいると言われているのもうなずけるというものだ。このあたりの曲は濃くてすごく好きなので、ここを聴けるのは至福の喜び。イントロが流れるたびに、会場から歓声が聞こえてくるのもうれしい。

 THE YELLOW MONKEYのライブが初めてだった人はオープニングの「MORALITY SLAVE」の女性の奴隷たちに度肝を抜かれちゃったかもしれないけれど、これがまさしく、THE YELLOW MONKEYということ。いかがわしくて猥雑で妖しくて、大人かと思うと異様に子どもっぽくて・・・。

 FINE FINE FINEは吉井ソロライブでも聴いた記憶があるんだけど、このバンドの演奏をバックに聴くこの曲は、なんだかまったく別物のような気がした(ソロのときは別に何も思わなくて、聴けたことを喜んだだけだったワタシですけど)。ヒーセのベース、エマのギター、アニーのドラムでやっぱり・・・と。
 夏からの復活、丁寧に重ねたライブツアーを経て、ベテランのアーティストたちは成熟したグルーヴを取り戻し、懐かしい曲をまるで生まれたてのように見せてくれた。どの曲も、懐かしいけれど、決してそれだけではなく、文句なくカッコよかった。
 ストリングスをバックに聴いた「砂の塔」は、そのままほかの楽曲の中にきれいに、そして少しいびつに溶け込んで、本当に心地よかった。

 「フリージアの少年」、心の底から泣けた。
 そして、いちばん感動したのは「Father」(帰り道、アルバム『FOUR SEASONS』をずっと聴いていた。いいアルバムだと改めて)。
 でも、私には今のほうが美しかった、吉井和哉の声があのころとは違うからか? 
 「時が流れ いずれ僕がただの灰になっても 嘆かないでFather ♪」
 あの頃は何も知らないで聴いていたけれど、今はちょっとだけ「知識」が増えて、ロビンにとってのFatherという存在が歌に意味を持たせてしまっているけれど、でも私が「美しい」と感じたのはそんな余分なバックグラウンドではなく、耳にダイレクトに届いた音であると信じたい。
 懐かしいどの曲もそうだけれど、ただ激しく客を煽るだけではなく、どこか冷静に見つめる目をもち、丁寧にファンに届けようとした彼らの姿勢が感じられた。それはたぶん20年前にはなかったことで、でもだからと言って、ヘンにおさまりのいいパフォーマンスと言うことではなく、限りなくバカで愚かで、そしてどこかかわいらしい昔の彼らをちゃんとこちらに見せてくれる・・・そういう時間のあつまりだったわけで。

 妖しさを濃いめに熟成させて、昔からのファンには涙、涙の曲のオンパレードではなかったかと思う。
 アンコール1曲目の「This Is for You」には心臓が震えた。想像のかなたでいろんな男や女がさまざまに愛を探す。
 アンコールでのストリングスを交えての交えての「真珠色の革命時代」は、言葉でうまく言えないほどの感動だった。

 夏にも感じたけれど、何より4人が本気で楽しそう。私には、2000年Rock in Japan Fes. での彼らがずっと残ってしまっていたので、今回もそうだけれど、何より笑顔にやられてしまった。
 「解散はもうしないので」と今回も宣言してくれたけれど、疲れずに、でも思いっきり進んでいくであろう、これからのTHE YELLOW MONKEY に期待する!
 かつては、妖しすぎていかがわしくて、ちょっと他を寄せ付けないところも大きな魅力だったけれど、その妖しさを失わないままで、少し離れて佇む人にも「こっちに来いよ」と声をかける温かさも兼ね備えた、ステキに大人な(なりきれてはいないけれど)バンドになったのかもしれない。
 年末の紅白もかっこよかったけれど(「JAM」はいいね)、でもやっぱりどこかよそゆきのイエモンだしね(それはしかたない)。そのあと、吉井和哉の声が出なくなったという情報もあったので(カウントダウンのライブ中に)、たっぷり休んで、怒涛の2016年の疲れを癒してほしいと思う。
 限りなくカッコいい4人ではあるけれど、彼らも十分に自覚しているように、50のおじさんたちだしね。



                



 それ以外で、ちょこっと。

 みんな、ライブビューイング組を適度にいじってくれて、それはうれしかった。
 ロビン「ちゃんと盛り上がってる? みんな座ってるんじゃないの?」
 とかキツイこと(笑)も言われたけど。ハイ、さすがに座って聴いてました。
 でもちゃんと拍手は手をあげてやったし、なかにはノリノリで腕を振り上げている人もいたし。
 ある映画館では、武道館さながらの盛り上がりだったらしくて、うーん、そういうところで見たかったかな(笑)。 

 グッズのお話も。エマのネーイルシールがグッズになっていることから。
 ロビン「エマちゃんだけ着々とグッズ化してね(ここでエマが爪をカメラに近づけてくれた)。エマちゃんのタネ売れば?」
 エマのタネのグッズで「確実に双子が生まれる」とか(笑)。
 それで、エマが「え、タネ?」と言ったら、
 ロビンは言下に、「あなたは何を言ってるかわからないから、しゃべらないでくださいっ!」
 これには大笑い、というか苦笑い?

 ヒーセは優しいから、カメラに何度も反応してくれたし、コーラスもよかった!
 エマ様は足を広げて腰を落として、指さし、流し目なんでもありで、本当にステキだった。
 そしてアニーのうれしそうな顔。アニー率いる懐かしい「おそそブギウギ」。笑ってしまったけれど、それでもステキだった。
 ロビンの匍匐前進も画面いっぱいに見られたし(笑)。

 そういえば、「お腹、痛い・・・痛い・・・お、お腹、痛い・・・お腹、九段下・・・」なんて、思い出してもくだらない(笑)ロビンのダジャレも健在でした。

 武道館改装でしばらく使えないときがあるって話題のときの、
 ロビン「武道館が使えないなら・・・、ラ・ママでやりますか」というのが最高にウケた。

 アンコールで出てきて、アニーとエマの菊地兄弟が並んでしゃがんで、エマのペダルを直していた?のがかわいくて。

 「昔は黄色い声援だったけど、今は茶色いね」
 「(アンコールで出てきて)みんな座って待ってたでしょ」
 などなど、客をディするロビンに笑えた。
 
 「バンドとファンが一緒に歳をとっていくって、いいもんでしょ?」
 「一緒に冬を乗り越えてくれてありがとう」
 というロビンの言葉に、2001年東京ドームのラストライブ、いつか再結成あるかなと期待しつつも時間が流れすぎちゃって、もうないんだろうなと思いながら吉井ライブに通っていたころのことが、頭の中を巡った。
 疲れた彼らがそれぞれに力を蓄えて、解散しても離れなかったお互いの心を育てて、そして、ちゃんと春が来た。それは思ったよりもふつうに自然に、そう四季が当たり前のように巡ってくるように、私たちの前に訪れた。不思議な感覚だった。

 そして最後に、武道館組にライブビューイング組からひと言。
 画面いっぱいのメンバーは「カッコよかったぞ!」(多少の負け惜しみも含めて)
 躍動するアニーの肩の筋肉や、エマやロビンのえも言われぬ逞しくしなやかな太もも、ハモるときのヒーセの口元(マニアックですけど好きです(笑))・・・、これらが画面いっぱいに迫ってくる幸福感をキミたちは知らないだろう。ライブビューイングだからこその喜びじゃ!
 ツイッター情報によると、ラストあたりでボーカルの胸板には謎の爪痕があったとか(見逃しました・・・)

 終了後にはツアーでの彼らの映像。
 その最後、スタッフの「楽しみですね、東京ドーム」の声にメンバー4人のストップモーション。
 ええっ! 東京ドーム決定??
 行きます! 絶対に行きます! 




 こんなかわいい息子さんが・・・。
 https://twitter.com/grfft_hirose/status/732976996238516224/photo/1


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