隠れ家-かけらの世界-

今日感じたこと、出会った人のこと、好きなこと、忘れたくないこと…。気ままに残していけたらいい。

反骨のミュージシャンたち~意外な国の70年代ロックで漫遊です!

2020年06月13日 14時12分00秒 | スピッツ

2020.06.07 21:00
草野マサムネのロック大陸漫遊記」
 at TOKYO FM


 2週間前の収録のため・・・といういつものイントロダクション。
 草野くん自身は友人とのリモート飲み会のお試し会で十分盛り上がって楽しかったとか。
 
草野「寂しかったのか、マシンガントークの人もいた」(笑)
 
そして今回も、換気のいい部屋での収録。「野鳥や車の音が聞こえてくるかも」。

 そして、今日のテーマは、「意外な国の70年代ロックで漫遊記」。
 以前に東アジア、とくに東南アジアの特集をしたことがあったけれど(ココ)、今回は中東、アフリカ、中南米の音楽を紹介してくれるそうだ。
 欧米以外でもロックの影響を受けたミュージシャンがたくさんいるそうで、
 「番組史上最もマニアックな回になるかもしれないけれど、『漫遊記』という名前にふさわしい回にしていきたい」
と。


 オンエア曲
 01 初夏の日(スピッツ)
 02 Share Cheshmat(Kourosh Yaghmaei)
 03 Goca Dünya(Erkin Koray)
 04 Blo(Blo)
 05 Break Through(The Funkees)
 06 Benjamín, El Pastor(Leon Gieco)
 07 Alegria, Alegria(Caetano Veloso)
 08 今夜ナイトラインで(ECHOES)
 09 醒めない(スピッツ)


 漫遊前の一曲は、スピッツで「初夏の日」(2019年、16thアルバム『見っけ』)。
 今の時期にふさわしい曲かな?と。
 (思いがけず、とっても好きになってしまった曲。なんだろう・・・。
 若いころを思い出して、切なく悲しく、でもどこか幸福な気持ちに包まれる。私の道・・・、悪くないじゃない、と思わせてくれる。ひっそりと静かに。ライブの延期をきっかけに作られた曲なのに、私にはとても大事な曲になりました。)

 最初の曲は、「イランのサイケロックのゴッドファーザー、70年前半から活躍するペルシア人のロッカー」、Kourosh Yaghmaeiの「Share Cheshmat」(2011年、初のベスト盤『Back from the Brink: Pre-Revolution Psychedelic Rock from Iran: 1973–1979』)。
 イランのロックのパイオニア的存在で現役ミュージシャン。
 名前の読み方がわからなくて、ペルシャ語を専攻していた友人にきいたそうです。
 70年代の曲はディープ・パープルの影響が強くて、「見た目もジョン・ロードっぽい」。
Kourosh Yaghmaei - Gole Yakh (1977) + Iran (1987)

 見た目ジョン・ロード・・・、ちょっとわかる。
 1979年の革命のあと17年間、彼の音楽は発禁になっていたそうで、「激動の人生を歩んでこられた方」。
 上の映像は、その前とあと、ということになる。
 現在73歳、テヘランで音楽スタジオ、音楽専門学校を経営。息子さんもミュージシャンとか。
 草野「曲もいいけど、声がよく響いて、クセになる声だと思います」
 30年くらい前の原宿でのホコ天ではイランの人たちが大勢いて、「イランの人ってロックなんてわかるのかな」と思っていた草野くん。けれど、「Kouroshさんの曲を聴くと、当時のイランにもロックはしっかり根付いていたんだなとわかる。あの頃に戻って話がしてみたいな」と。

 次は、「トルコのジミヘンと呼ばれている」、Erkin Korayの「Goca Dünya」(1972年、17thシングル)。
 トルコでもロックの受難の時代があったようだ。
 70年代のトルコのロックは、「アナドルロック」と呼ばれ、トルコの民族音楽を融合した独特の音楽。いまでも一部に熱狂的はファンがいるジャンルで、草野くんも最近「ちょっとはまってて」と。
 この曲はトルコの民族楽器サズのフレーズから始まり、「アラビアンな始まりにちょっとビビるかもしれないけど、クセになること請け合い」と。
 これが「サズ」。

 
 
 タイトルは「でっかい世界」という意味で、2016年には同名タイトルの映画が製作されて、ご本人も出演。

 草野くんのまわりにはアナドルロックを聴いている人がいなくて、「そういう意味で優越感もあるね。でも誰か詳しい人と知り合いたい」と。
 ほかにセルダ・バーシャンという女性歌手もおすすめ。
 (トルコのジョーン・バエズと呼ばれ、ギターやサズの弾き語りによるプロテスト・ソングから、フォークにプログレの要素を融合させて、サイケな前衛的なサウンドも取り入れて人気を博したとか。聴いてみたい・・・)

 次は、Bloの「Blo」(アルバム『PHASE Ⅱ』)。
 アフリカに飛んで、ナイジェリアのロックバンド。
 草野くんは一時アフリカの音楽をかじっていた時期があって、「なかでもナイジェリア、ガーナにはすごい人がたくさんいらっしゃいます」。
 フェラ・クティ、サニー・アデなどが有名で、Bloはフェラ・クティのサポートバンドとして活動を始めた。
 (次の映像は、フェラ・クティ。彼がアフロビートのレジェンドと呼ばれ、闘うミュージシャンであったことが伝わる楽曲。それにしても、ただ身をゆだねても限りなく心地よい)
Fela Kuti - Sorrow Tears & Blood

 草野くんがアフリカ音楽に興味を持ったきっかけはユーライア・ヒープがオシビサというアフリカのバンドをコラボしたことだった、と。
 これがオシビサの代表曲。
 オシビサ サンシャイン・デイ Osibisa Sunshine Day

 アフロロックというジャンルで、Bloもその中のひとつ。
 草野「のちにはもっとダンサブルになってロックではなくなっていくんですが、初期はロックの匂いが強くて、そこがオレは好きですね。単調なんだけど繰り返し聴いてしまう」


 そして、今夜のメッセージは、ラジオの存在に気づいたばかりの19歳のリスナーさん。「ラジオは会員しか聞けないと思っていた」
 草野「オレら昭和世代の場合、ラジオは家に必ずあったからね」
 でもまだまだ家にいる時間が長い現状、「これからもラジオをよろしく!」。


 今でこそ「世界中にロックバンドはいるし、とくにメタル系はいたるところにいて強い」と。
 カルチャーのグローバル化ということで、「Apple Musicの各国のチャートを見ると、上位に必ずビリー・アイリッシュ、デュア・リパ、アリアナ・グランデなんかがいたりする」(みんな女性シンガーだ)
 草野「だけど70年代は国ごとの独自感があったんじゃないかと思うんですよね。今夜はそういう世界を味わっていただけたら」

 次は、続いてナイジェリアのバンド、The Funkeesで「Break Through」(1973年、デビューシングル)。
 彼らもアフロロックの流れ。アフロロックは基本的にコンガなどのパーカッションが刻む16ビートのリズムがバックにずっと流れている。
 The Funkeesはそんな中で「ハードロックからの影響が垣間見れておもしろい。一時期ロンドンを拠点にしていた時期もあって、ハードロックの匂いがするのはそういうことも影響しているのかな」と。
 ナイジェリアはかつてイギリス領。ポール・マッカートニーにはナイジェリアでレコーディングしたアルバムもある。
 (ウィングスの『Band On the Run』がそうですよね)

 次は、「アルゼンチンの反骨シンガー」、Leon Giecoで「Benjamín, El Pastor」(1976年、3rdアルバム『El fantasma de Canterville』)。
 以前に、ココでも紹介しています。特集「sing-alongで漫遊記」でしたね。
 軍事政権に目をつけられて海外に亡命せざるを得なかった過去をもつ。
 プロテストフォークのイメージが強いけれど、「ロックナンバーもあります。ロックナンバーなんだけど、そこはかとなく漂うフォルクローレ感」。
 笛の音も聞こえてきて、草野世代では、アニメ『母を訪ねて三千里』でマルコがアルゼンチンを旅したときの光景が浮かんでくるかも・・・と。
 (哀愁おびたサウンド、繰り返されるメインメロディーやアレンジがシンプルで、揺られて聴きたい)
 下の映像は、最近のLeonさんか?(楽曲は1973年のものらしい。タイトルは「自由の国で」?) 闘いの日は遠くなったのだろうか。それとも・・・?
Leon Gieco - El pais de la libertad

 ステキだな。歌声が力強くて、そして温かい。

 最後は、「ブラジルポップス界の重鎮」、Caetano Velosoで「Alegria, Alegria」(1968年、ソロ名義では1stアルバム『Caetano Veloso アレグリア アレグリア』)。
 彼も70年代には軍事政権からの圧力で一時期イギリスに亡命した経歴をもつ反骨のアーティスト。
 おしゃれな楽曲も多いけれど、「昔はサイケなぶっ飛んだこともしてらして、それがすごくかっこいい。才能のカタマリのような方で、どんな音楽でもかっこよく仕上げてしまう」。
 (反骨の・・・というイメージで曲を聴いたら、柔らかい声と優しいメロディーの意外性で胸に残ってしまった!)
 alegriaは、英語のjoyやhappinessの意味で、「自由への賛歌」という意味合いを込めていると自ら語っているそうだ。


 特集の最後に。
 今回とりあげたのは、「それぞれのドメスティックな曲にロックのエッセンスを加えたナンバー」という感じだっただろうか。
 欧米以外のロックは「辺境ロック」というくくりで語られることがあり、「日本のロックも辺境ロック」。
 草野「そういう意味では、スピッツの曲も外国の人が聴いたら、不思議なエスニック感があったりするのかな?」
 (オシビサの曲しか知らなかったな。おもしろかった!
 その意図はないんだろうけど、全世界的に渦巻く人種差別の問題にも通じる深い特集とも捉えられる)



 そして最後は「ちょっぴりタイムマシン」のコーナー。
 (「つぐみ」イントロでしたか?)
 曲は、ECHOESの「今夜ナイトラインで」(1985年、1stアルバム『WELCOME TO THE LOST CHILD CLUB』)。
 草野くんは上京当時(ネットもスマホもない頃)、地元の友人たちと「文通」していたそうで。
 たまにカセットにおススメ曲とかを入れて交換したり・・・。
 そのとき送られてきたカセットに入っていた曲(その友人は今でもスピッツのライブに来てくれるそうです)
 甘酸っぱい思い出とともに今聴くと、「ギターはニューウェーブな感じで心地よい」。 
 作家になった辻仁成さんが最近パリからコロナレポをしているのを見て、ちょっとECHOES聴いてみるかな、という思いにもなっていたんだって。

 予告!
 来週は「日本のロック最盛期1999年で漫遊記」!
 1995年はココで特集したけれど、「1998年ごろからもっとガチなロックバンド」がメジャーなシーンに出てきて、「1999年は日本で最もロックが盛り上がった年」と草野くん自身は思うそうで、そこを特集!
草野くん推しのバンドがすでにいくつか浮かんできますね。楽しみです。



                             




 すでに梅雨入り。
 今日はそうでもないけれど、昨日は蒸し暑かったな。
 相方が今までのMacのマシンをようやく処分。
 Mac派の彼にはそれぞれに思い入れがあるのかな、と思ってあえて黙っていたけれど、ただ「処分のモードが訪れなかっただけ」なのかな。案外あっさりお別れ(笑)。
 仕事部屋が一気に機能的に変身。
 さて、どんな日々が待ち受けているのか。


 差別や偏見。
 すごく単純に考えていたけれど、それで解決できない歴史が続くのか。愕然とする事実が目の前に広がる。
 沁みついてしまった心根は昔も今も太い根っこのように頑強にそこにあるのか。

 それでもあまりに子どもじみた「いじめ」みたいな事案もあって、そこに名の通った人物がおさまっていたりすると、反吐が出そうにもなる。
 
新たに心を配らなければならないこともあり、まだまだ地球は未熟な惑星。
 急がないと、惑星の消滅のほうが先になったり・・・。


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