2020.12.23(水)
■ 反省
医療現場や医師会などの報道を見る限り、私たちにはもっと危機感が必要だとつくづく思う。
コロナ感染だけの問題ではない。
もともと持病があって病院通いをしている人や、コロナ以外の病気を発病した人が、本来当然受けられるはずの診療から阻まれる事態が決して大げさな心配ではない、という状況。年末年始への懸念が伝わってくる。
小さい子どもはとかく、休日とか休日直前とか、病院が休みのときを狙ったかのように体調を崩したりする。そういう経験をした人も多いだろう。幼子を抱えた若いパパやママの心配が現実にならないように。
先日、お礼の品を購入したくてデパ地下を訪れたが、平日の午前中にもかかわらず大勢の人(とくに50代以上の女性客)であふれていた。
私も反省。ネットで購入してもまったく支障はなかったのに、仕事のついでとはいえ、配慮に欠けていたな。
医療関係者からのメッセージに比べて、国のトップや東京都のトップの私たちへの要請に「熱」も「具体性」も感じられないのは、経済やオリンピックへ別の道筋があるからだ。
だったら私は私で、自分や自分の周囲を守るための、できる範囲での「しばらくの自粛」を試みるしかないじゃないか。永遠の自粛ではないんだから。
したいことや行きたい場所や会いたい人への思いが膨らんで、これがただ単調に暮らすことへの変化球並みの力になるかもしれない。
そう言い聞かせて机に向かう今の私です。
■ 怒り?
去年、遺言書を書きたいという母の希望に沿って公正証書を作成したとき、母のこれまでの戸籍謄本を集めて、それを私が保管している。
母はときどきそれを見たがるので、連絡があったときには施設に届ける。
先日、母から謄本が戻ってきたときのメモに、
「謄本を見ていて思いました。昔はひどいことをしたものです。今度あなたに会ったときにはっきり話します」
と書いてあって、いつもの母の文面とは異なる「意志」が感じられた。
ここ何年かでようやく乗り越えたはずの母へのこだわりに関して、母が謝罪をしてくれるのか、これは心の準備をしていないと・・・と緊張が走って相方に言うと、
「え、そうなの? 考えられないな」
のひと言。
よくよく考えたら、「謄本を見て」娘の私への謝罪など思いつくわけもなく、それは自分の道楽からの借金のために娘を売った、自分の祖父への憤りだろうと思い至った。
そのことはもちろん母の記憶にはないことで(母の母は娘を産んですぐに亡くなった)、その後引き取られた養父母は貧しくも優しく母を育ててくれたそうだ(その二人も母が14歳のときに亡くなっている)。
私にも何度も話してくれたが、私からの曽祖父への非難の言葉に、「ひどい親だけど昔はこんなことがよくあったのよ」がいつもの締めくくりだったように記憶している。あのメモから伝わる「怒り」のようなものを感じたことは一度もなかった。
母が怒りを吐き出したいのならばその相手になることは厭わない。ひょっとすると、今までだって私に話すことで気持ちの整理をしていたのかもしれない。
そのメモをもらってからもう何度かリモート面会をしているが、その話題が母から出ることはない。ハガキに書いてくることもない。
私から持ち掛けて話し相手になるか、それとも母が思い出すまで待つか・・・。私は後者を選んだことになる。
それでいいのかな、とときどき考える。
■『Atomic Heart』
Mr.Children、新譜が出たばかりなのに、なんで?ということだけど、このアルバム、好きなんだよなあ。
スピッツのファンが「『ハチミツ』が好きなんです」と言われると「ほかにもいいアルバム、たくさんあるのに」と言い返したくなるというけど、ミスチルのコアなファンも同じかしら?(はい、ほかにもたくさんいいアルバムがあるのは、先刻承知です)
でも、300万枚以上売り上げた、この怪物アルバム、ときどき戻っていきたくなるくらい好きだ。
「ラヴ コネクション」~「innocent world」~「クラスメイト」~「CROSS ROAD」の流れ。危険な恋のなりゆき、男の遊び心、琴線に触れる青春の思い。言葉が入り混じって、タイプの異なる曲の入れ替わりに、いつ聴いても心が揺さぶられる。
「雨のち晴れ」の等身大の若者の日常は、どの年代で聴いても、ドキンとするほど奥に届く。
ラストの「Over」はイヤになるほど甘くて、こういう歌に心を揺らす自分がくだらなくて(笑)、聴くたびに笑ってしまう。でも好きだ・・・。
比較された時代もあった、Mr.Childrenとスピッツは、まったく異なる道を進んで、今もそれぞれに歩き続ける。
さあ、ミスチルの新譜『SOUNDTRACKS』を年末に聴こう。
(この前の『ロック大陸漫遊記』でちょこっと聴いた草野くんの「Others」のさわり、悪くなかったよなぁ)
昨夜、夕暮れの5時半過ぎにネックウォーマーをして外に飛び出し、南西の空の低いところに、397年ぶり!の木星と土星の大接近を探す。
南西には小高い丘が連なるけれど、そのちょっと低くなったところに、たぶん「木星発見!」。
実家から持ってきた古い望遠鏡で、かすかに土星も発見! 肉眼では二つの星がたぶん重なって見えた。
昔、弟と天体望遠鏡で夜空を眺めたことを思い出す。
大接近と言っても、二つの惑星が本当に近づいているわけではないんだけど。でもちょっと心が躍る。
次の接近は60年後とか。
生きてないな・・・。
寒い寒い、と走って戻る。