隠れ家-かけらの世界-

今日感じたこと、出会った人のこと、好きなこと、忘れたくないこと…。気ままに残していけたらいい。

吐く息が白かった~ARABAKI ROCK FEST.22

2022年05月02日 09時14分49秒 | ライブリポート(音楽)

2022.04.29(金)
ARABAKI ROCK FEST.22
at みちのく公園北地区 エコキャンプみちのく


 (セットリストを載せていますので、見たくない方はここまでで)

 これ、送られてきたリストバンド。
 「終わるまではSNSとかにアップしないで」と注意書きが。偽造する輩がいるらしい・・・。

 私も7年ぶりのARABAKI。
 そのときは、春の快晴。
 ココに天候に恵まれて、ライブパフォーマンスだけではなく、春を! 緑を! 光! 堪能したレポがあります。
 お時間のある方、よかったらのぞいてみてください。
 私も思い出を手繰り寄せるために今読んでみたけど、当時の私を100%ウキウキさせてくれるラインナップと企画パフォーマンス。
 年齢層少し高めのイベントだったのかな? それとも私が年とった??


 東北道を北上する間、わかってはいるけど、でも予報が外れて、降らずに厚い雲の合間から・・・だったりしてね、と繰り返し想像したけれど。
 それでも用事を済ませて駆けつけるまでは、雨粒は一滴も落ちてこなかった。

 駐車場は山形道のICを降りてすぐのP-2だったので、雨具やら防寒具やらを詰め込んだザックを背負ってシャトルバスに。
 何度か来たことがある会場だけれど(スピッツのロックロックでも)、エリアのレイアウトが異なれば初めての場所も同然。それも楽しい。
 大勢の人、food cornerの充実(夏のフェスでの行列もなく、スムーズに購入できる)、当たり前のように機能しているエコステーション。
 野外フェスの醍醐味は、空模様以外はちゃんと用意されている。

 

 まだ降っていないので、のんびり写真など撮りながら進む。
 離れたステージから聴こえるロックなサウンドは、どこのフェスに行っても心を沸き立たせてくれる。

 腹ごしらえは、牛タン丼とデカい唐揚のタルタルソース丼・・・。
 
 食べている途中で雨粒が・・・。ウインドヤッケの上に雨具を重ねる。
 ああ・・・。
  
 知り合いに送って、「すでに誰だかわからん」という返信(-_-;)。
 覚悟の上とはいえ、ちょっと気持ちが萎えそうになる。頑張れ! みんな元気だぞ。

 一番奥のMICHINOKUに進む。色とりどりのの雨がっぱ。アーティストグッズやフェスのグッズのポンチョが種類豊富で鮮やかできれい。
 こんなことではへこたれない群衆に背中を押される。

 
 Vaundyのステージ。
 草野くんが『ロック大陸漫遊記』の昨年暮れの「特集 2021年気になった曲」(ココ)で、曲はかけなかったけれど「今年気になった旬なアーティストとして、「優里くん、Vaundyくん、東京ドーム無観客ライブがすごかったまふまふさん」をあげていたっけ。
 すごい才能の人のようだ。
 バックミュージシャンを引き連れて、「寒いの? 踊れよ」とカッコよく煽る。
 声が魅力的、いろいろな音色で足したり引いたりして変化する。
 そして、何よりメローディーがポップでキャッチー。
 揺れるオーディエンスが波のように広がっていく。
 大きなステージでも小さな箱でも、生ではなく配信でも、こうやって広がっていく音楽が、まさに新しい。
 「寒い? もう大丈夫か?」
 「オレのライブが終わるころには暑くなるぜ」
 「あとには大物さんたちが出てくるけど、オレで終わり!でいくぜ!」
 あとで、軽く「すいません」って言ってたけど、「これで終わり!」くらいでなくちゃね。
 気持ちのいいステージでした。


 降りがだんだん強くなる中、サウンドチェックの音と、のんびりしたスタッフの声の中、待つこと40分?
 次のアーティスト紹介の音と、スピッツの「SUGINAMI MELODY」のSE。
 すでに広場いっぱいの人で溢れる。みんなマスクで雨具だから、老いも若きも性別も、なんにもわからない。気持ちいい。

 そして、登場する5人。
 お、テツヤくん、半袖?
 ギター二人はハット。田村くんは暗めの衣装?
 残念だけど、﨑ちゃんとクージーは確認できず。

 そして、この日のセットリストは、次のとおり。
 01 仲良し
 02 春の歌
 03 8823
 04 チェリー
 05 胸に咲いた黄色い花
 06 優しいあの子
 07 大好物
 08 涙がキラリ☆
 09 みそか

 声をあげることはできないので、声援や興奮する掛け声が聴こえないのは寂しいけれど、小さなつぶやきや思いが漏れた音が少しずつ重なって、弱くても力強く感じられたりする。
 そういうステージだ、スピッツは。
 「8823」のイントロで、思わず「おっ!」と小さく声を上げた後ろの男性の気持ちが伝わってくる・・・、そんなことが重なる。
 90年代のブレイク前の楽曲から、最も新しい楽曲まで、ヒット曲もアルバム曲も取り混ぜてのセットリスト。
 それでもファンには、どれも普通にスピッツ、流れがぶった切れることはない。初めてスピッツを見た人やライトな方々には、どんなふうに見えただろうか。
 「初めてみた~。やっぱり存在していた。感動した」のようなつぶやきをたくさん見たけど。

 初っ端の「仲良し
 2018年のイベント「EARTH×HEART LIVE」のアンコール曲が「仲良し」だったそうで(ココ)、スピッツ大好きで、この曲がmy favorite songだと言うsumikaの片岡くんが泣いて喜んでいた、と。
 2000年以降、私はライブで聴いたことがあるんでしょうか?

 うれしくて、泣きはしなかったけれど、体がフワフワ。まだ温まっていなかったであろう、少しかためのボーカルの声が雨空に響く。
 「サンダル履きの足指に見とれた 小さな花咲かせた あれは恋だった♪」に、そうだよね、それは恋だよね、とうなづき、そこに「恋」という文字をはめ込む才能に打たれた、遠い昔を思い出す。
 この日は「雨上がりの切れ間から 差し込む陽の光たち 街を洗う♪」とはならなかったけれど、なんだか絶妙のオープニング曲だなと納得してしまう。
 そして真ん中あたりでは、「胸に咲いた黄色い花」。
 2007年あたりの夏のイベントとか、2011年のツアーとか、なんとなく大事なところでセットリストに加わる、かわいい楽曲。弾むようなリズムと、ベテランになっても歌い方を変えないボーカルゆえに、この曲はいつまでも若くて妖しくてかわいいままで生き延びてくれる。
 この日の「胸に咲いた黄色い花」も、2枚目で名盤と呼ばれるアルバム『名前をつけてやる』に収録されているあのときの香りのままに、声は少し強くたくましくなって、演奏も深くなっていく。
 コアなファンには泣けるほどうれしい曲だけど、こういうフェスで、それもオープニングに持ってくるとは。スピッツ、なんだか強くなった?なんてね。

 スピッツを実在のバンドとして認識していない若い子の耳にも、「優しいあの子」や「大好物」は聞き覚えがあるかも? みんなに「優しい」スピッツです。そんな「今」の楽曲も、ポップだけどサウンドはロック!

 そして、誰もが知っている「春の歌」や「チェリー」も忘れずにピックアップ。まさに「春」の歌たち。
 ライブで聴けることが多いけれど、いつも真摯に、最初に届けてくれたときの気持ちよさを必ずどこかに残してくれているから、いつまでたっても古くはならない。
 「チェリー」については、MAN WITH A MISSIONのボイさんでしょうか、こんなふうにつぶやいていました。
  https://twitter.com/mwamjapan/status/1519931017486016517
 
 そして、「8823」ももちろんだけど、「涙がキラリ☆」からの怒涛の「みそか」が圧巻で、「ロックバンド!」で締めてくれたARABAKiのスピッツだった。
 雨の中に突き出されるたくさんのコブシや五本指や人差し指が、またこうやって野外フェスに参加できたことへの意思表示にも見えて(勝手に)、ちょっと不思議な感動だったなあ。
 斜め左前方の黒ポンチョの若者の強いコブシが心地よく視界に入ってきて、たまらなくうれしかった。
 

フェスだし、この天候だし、MCは短めに素早くだったけど、要所要所に「スピッツ臭」。
「スピッツに熱くなる歌はあまりないけど、なるべくあったかくなってもらえるように頑張りますんで」
「7年ぶりのARABAKI。こんなにたくさんの人・・・(と会場を見渡して)、スピッツを忘れないでいてくれてありがとうございます」
「こういうステージに呼んでもらえて、長いことバンドやっててよかったです」
「なんか、みんなの熱気で、あったかくなってきた」
「また仙台には来るので、興味をもってくれた方はぜひ」
と、こんな感じだったか。

「寒い」も話題に。
いろんな野外フェスに出てきたけど、「歌っていて白い息が顔にかかるのは初めて」。
「ライブで初めて、ももひきを履いた・・・。ヒートテック、ありがとう!」
(うちの相方、草野くんより年上ですが、「オレでも『ももひき』とは言わないぞ」って)(笑)。
そして、テツヤくんに尋ねる、「履いてる?」
テツヤ「オレ? 履いてないよ」
そして、田村くんにも同じことを尋ねる。
そのときのやりとりが私には2通りにきこえて・・・。
田村くんが「履いてるよ」と答えて、テツヤくんが「え、(履いてないのは)オレだけかよ」と言ったのか?
田村くんが「履いてない」と答えて、草野くんが「え、(履いてるのは)オレだけかよ」と言ったのか?
不明です(すみません、ま、どっちでもいいことですけど)

半袖?だったテツヤくん、手に息をはきかけて温めている仕草を見かけました。
でも、会場全体を、とても優しい表情でサングラス越しに見渡していたのが印象的でした。
私たちだけでなく、メンバーも楽しんでいるんだなと伝わってくるようで。

マイクを通してではあったけど、﨑ちゃんのカウントがとても力強くて、姿は見えなかったけど、グッと励まされたような。

田村くん、ステージ上を縦横無尽に走り回っていて、目を離すとどこにいるかわからない状態。いつものことですが。
スタッフがシールドを操作している姿で、ああ、今はあのあたりで暴れているのか・・・と。

そして、メッセージを送ってくれたマキヤさんとjolieさんから。
「ファン歴は長いけど、ライブは初めて。地元なので駆けつけました。マサムネさん、白くて細くて、妖精みたいでした。帽子もあってか、スナフキンでした」
jolieさんはエレカシファンでもあります。
「エレカシのベースが田村さんだったら、ミヤジを重なってステージはどうなっていただろうと想像して笑えた。収拾がつかない。『涙がキラリ』って、昔ステージ脇でミヤジが聴いて、オレも売れたい!って泣いた曲ですよね~。それが聴けてうれしかった」
「54歳?であの動き。すごいです。で、音がぶれていないことにも」
(ありがとうございます!)

 そして、キュウソネコカミ ヨコタさん。
  https://twitter.com/shinnosukeykt/status/1519931246704734208
 「四星球20周年スペシャル」にもゲストとして参加して、翌30日には快晴のもと、キュウソネコカミとしてパフォーマンスできたそうです。 


 そのあと、雪になる予報もあり、3月末でスタッドレスをノーマルに戻してしまった私たちは、多賀城市に待ち人もあるので早々に帰途に。
 激しい雨の中・・・。
 MAN WITH A MISSIONも、BRAHMAN with MICHINOKU Swing Orchestraも、サニーデイ・サービスも普通なら絶対に参加するんだけど、今回は・・・。
 なんでも雪舞う中でのBRAHMANとか、幻想的で感動的で、二度と大変できないライブだったそうで。
 心残りはあるけれど、それはしかたない、ということで。
 サニーデイ・サービスのセトリを見て、雪の中でこれを聴いたら、どんなだっただろう、と想像しちゃいます。
 また、TOSHI-LOWさんは、「大きな地震があって、そのあと津波が来て、今はコロナ。オレたちみたいな雑草のようなバンドがこんな一流の音楽家たちと一緒に、こんな大きなステージでやったのが似合っていたんだろうか。それはわからないけど、これからも音を鳴らし続けていく」と宣言していたそうです。


 スピッツの春フェス。
 VIVA LA ROCK、JAPAM JAMへと・・・。


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