緒形拳さんに感謝～風のガーデン 最終回

★心、洗われ…
　録画しておいた「風のガーデン」の最終回、ようやく見ることができた。
　ひとつの命が生きて閉じていくさまを丁寧に描いたドラマは最後まで、静かに穏やかに、あるときは滑稽に愉快に続き、幕をおろした。
　声高に何も語ることはなかったけれど、幸福な去り方のひとつの形を見せてくれたのかもしれない。いや、「幸福な」という形容が適切かは、私には判断できないけれど。
　老いも若きも、人として成熟した姿を目の当たりにしてくれた。こういう人たちに囲まれて生きられたら、どんなにか…と思いつつ、わが身の未成熟ぶりを嘆きたくなる。現実はやはり厳しいということか。
　それでも、最近は人間関係で感動することがなくなったなあ、などと相変わらず傲慢な私には、心洗われるドラマだったことはたしかだ。

★私も生きていける！
　主人公貞美と、かつての不倫相手の看護士内山妙子との関係。
　妙子は貞美の親友の妻。そのうえ、貞美の妻の自殺の原因が妙子との関係だったという事実。
　そういう過去があっても、ふたりの間の信頼が続いている。
　ありえな～い！　そう思う人もいるだろうね。ドラマだからだよって。
　所詮、夢の中で生きていきたいという甘い私なんだけど。でも、やっぱりあるだろうな、そういう関係。
　ありえない人間関係なんて、ないんだと思うもの。
　どんなに深く熱く結びついても結局はあっけなく終わってしまう二人がいるのと同じように、「信じられな～い」な関係でも、どちらかがこの世を去るまで続く思いもある。
　だから、生きるおもしろさがあるってもんだし、私は生きていける(笑)。

　緒形拳さんの温かく大きく、そしてチャーミングな姿を毎週見られたことに、心から感謝の思いを。
　寂しい思いは今も続いているけれど、やっぱり「ありがとうございました」と言わなくてはいけないんだろう。
　緒形拳という役者に出会えた幸せと、別れなければならなかった悔しさを、今もかみしめています。

　なお、ココでは、１２月３１日まで、在りし日の緒形さんを更新してくれるそうです。
　ステキな写真がいっぱいです。ぜひ、よかったら。