隠れ家-かけらの世界-

今日感じたこと、出会った人のこと、好きなこと、忘れたくないこと…。気ままに残していけたらいい。

たまには初心に帰って~『ちょっとマニアックにTYK イギリス編』

2020年11月10日 20時51分07秒 | スピッツ

2020.11.01
「草野マサムネのロック大陸漫遊記」
  FM TOKYO


 スタジオではない「都内某所」で録音するようになって、「何か月くらいたつんだろう」。
 机の上には、パソコン2台とタブレットが1台置かれているそうです。

 今日のテーマは「TYKイギリス編第2弾で漫遊記」
 TYKは、「当初(T)、やりたかった(Y)感じ(K)」の略。
 この番組の開始当初は、「古いロックを淡々とかける番組」にしようと思っていたそうで、「たまには初心に帰って」。
 TYKの特集は今回で3回目。
 第1回のTYKはイギリス編で「番組の1周年」に放送(ココ)、第2回はアメリカ編で今年の2月に放送(コチラ)。


 オンエア曲
 01 楓(スピッツ)
 02 Father’s Name Is Dad(Fire)
 03 Magic In The Air(The Attack)
 04 Sleeping In The Kitchen(Mogul Thrash)
 05 City Kids(Pink Fairies)
 06 Nightjar(Necromandus)
 07 Delirious(Heavy Metal Kids)
 08 今さら I Love You(種ともこ)


 漫遊前の一曲は、スピッツの「」(1998年、8thアルバム『フェイクファー』)。
 草野「秋もかなり深まってきたので、今回は素直にこれかな?と」
 いつ聴いても心にしみるけれど、たしかにこの季節には・・・ね。
 CDで聴くと、ライブでよりずっと若くてシンプルで、声だけで勝負している感があって、よけいにせつなくなる。

 最初の曲は、1966年、ロンドンで結成のスリーピースバンドFireで「Father’s Name Is Dad」(1968年、デビューシングル)。
 このデビューシングルには「ポール・マッカートニーさんも関わっていた」。
 草野「今日紹介する中では、マニアックなほうかな、と思います」
 草野くんが学生のころに購入した「ブリティッシュサイケ」のオムニバスに収録されていたそうで、「その後のハードロックやメタルにつながるような直線的な8ビートが印象的なナンバー」と。
 その後活躍したプログレのStrawbs(現在の活動を続けているんだな)のメンバーが在籍していたとか。
 草野「ポール・マッカートニーさんが気に入って、アレンジとかされていたみたいですね」
 (素人の耳には、ビートルズの初期のころの感じに似ている?)
 サビの歌詞の「Father’s name is Dad, mother’s name is Mom」にどんなメッセージが込められているのか、翻訳アプリの直訳ではわからないから、「ネイティブの人に尋ねたい」と。

 続いて、The Attackの「Magic In The Air」(解散22年後にリリースされた、未発表曲も含まれたベスト盤的なアルバム『Magic In The Air』より。サウンド自体は60年代の録音のまま)。
 The Attackはフリークロックと呼ばれ、60年代のイギリスでわらわらと出てきた、サイケデリックムーブメントにいたバンドの1つ。
 そこに在籍していた、ジョン・デュ・カンというギタリストは、「それほど有名ではないけれど、アンドロメダ、アトミック・ルースター、ハード・スタッフなどのバンドを渡り歩き、一時はシン・リジーでもギターを弾いていて、オレは、ブリティッシュロックの歴史上、非常に重要な人物だと思っている。たいへんよい仕事をされているが、不当に評価が低い」と。
 残念ながらすでに他界されているそうで、「マニアックだけれど、いつか特集したいギタリスト」。
 この曲は、「60年代にして、バリバリひずんだハードロックで、のちのラモーンズやクラッシュなどのパンクロックのサウンドを先取りしたかのようなイカしたナンバーです」。
 (懐かしささえ感じる楽曲です)

 次は、Mogul Thrashの「Sleeping In The Kitchen」(1970年、唯一のシングル作品)。
 Mogul Thrashは、シンガーでありベーシストでもあるジョン・ウェットンが若いころに在籍していたバンド。
 ジョン・ウェットンといえば、「キング・クリムゾン、ユーライア・ヒープ、そして、何より80年代にエイジアで大ブレークしている!」。
 Mogul Thrashは「管楽器を大胆に導入しているところが独自な感じ」。
 草野「でもアメリカのシカゴやチェイスのようにブラスロックにはなっていなくて、いかにもイギリスやなあ、というところがステキです」
 (個人的には、バンドの名前はおぼろげで、ジョン・ウェットンが世に出たときのバンド、というくくりで記憶にあるなあ。マニアックだなあ・・・)

 次は、Pink Fairiesの「City Kids」(1973年、3rdアルバム『Kings of Oblivion』)。
 Pink Fairiesは、「イギリス版The Stoogesともいわれ、パンクロックのサウンドのルーツみたいなバンド」。
 草野「ラフな演奏と投げやりな歌唱スタイルが、早すぎたUKパンクという感じ。この曲のリリースが1973年で、Sex Pistolsのデビューが1977年なんで、4年くらい早いですね」
 ギターのラリー・ウォリスはモーター・ヘッドの初代ギタリスト、またバンドに一時期在籍したトゥインクはアングラロックの帝王のような存在で、「イギリスのロックの歴史を語るときに、このバンドははずせない」と。そして、
草野「ピンクのブタが空を飛んでいるジャケットがステキです」
 
 (不気味で、きゃわいい~~)


 メッセージコーナー。
 新宿のトルコ料理のお店にいたウェイターさん。目のあたりが﨑ちゃんにそっくりでかっこよくて、「忘れられない」とリスナーさん。
 「忘れられない顔の人っていますか?」
 草野「トルコの人だと、﨑ちゃんっぽい人って多そうだよね。この『かっこいい』っていうのがミソだよね(笑)」
 草野くんの場合は、昔バイト帰りにいつも電車が一緒になった人(男性か女性かは、ちょっと不明。男性かな?)。違うバイト先だけれど、いつも終わる時間が同じだったんでしょう。
 数年後、街ですれ違ったときに、お互いに「あ、久しぶり。またね」と挨拶をして別れたんだけれど、あとで「あれ、誰だっけ?」となって、思い出した、ということ。「たぶん、向こうもそうだったんじゃないかな」
 草野「この話、よくするんだけど。(ここで)前にもしたっけ?」
 これからも同じ話をすること、あるかも、って。
 (いや、それは許します。こっちはそんなことばっかりですから)
 草野「その人の顔はいまだに思い出せるもんね」

 20代のころのように「ほしいもの」はあまりなくなったけれど、「行ってみたい」「やってみたい」という気持ちが強くなってきたというリスナーさん。
 草野氏は今年トルコの音楽に興味を持ったので、「トルコに行ってみたい」と。トルコ料理はもともと好きだし・・・。
 20代のころは、本や音楽、映画・・・つまり情報を欲していたけれど、「あのころに比べたら情報自体の単価が安くなった。その分、『体験』にお金をかける人が増えているのかな」と。


 そして次は、Necromandusの「Nightjar」(録音は1973年/リリースは1999年。デビューアルバムにして唯一の作品『Orexis of Death』)。
 このバンドは、1972年にブラック・サバスのトニー・アイオミが気に入ってプロデュースをしたけれど、デビュー前に分裂して、作品はお蔵入り。それが「なんと四半世紀の時をへてリリースされた」そうだ。
 サウンドは、「80年代のサタニックなメタルに近いというか、先駆けてやっていた感じ」と言って演奏してくれたリフは、「エンジェル・ウィッチや人間椅子の曲に出てきそう」。
 また間奏に出てくるフレーズは「後ろの正面、だ~れだ」(笑)と聞こえる感じでおもしろいから、「注意して聴いてください」と。
 (サタニックな感じはよくわかる)

 最後は、Heavy Metal Kidsの「Delirious」(1977年、8thシングル)。
 このバンドは、「ヘビーメタルというより、UKパンクにつながるバンド」。バンド名は、バロウズの小説が由来(『Nova Express』の中のストリートギャングの名前だとか)となっていて、「実はメタルっぽさはあまりないです」。
 まだヘビーメタルというジャンルが確立される前だったので、「誤解されることもあったのかな? むしろ、のちのちのパンクシーンへの影響を示している資料もあります」。
 草野くんがライブパフォーマンスについて語ります、「フラカンっぽいところもあるかな。ボーカルは初期のAC/DCにも近いかな。動画で見るとゲイリー・ホールトンさんのパフォーマンスが演劇っぽくて、そのあたりはSex Pistolsのジョニー・ロットンさんを先駆けているところもあるのかな」
 ジョニー・ロットンは、シェークスピアの戯曲からの影響が強いと、自身で発言しているそうだ。
 (個人的には、デビューアルバム『Heavy Metal Kids』に収録されている「We Gotta Go」が好きだったな)

Heavy Metal Kids - We Gotta Go


 特集の最後に。
 草野「番組を今日みたいな選曲でずっとやってたら、リスナーの層って変わるんでしょうかね? 一部のマニアの人だけが聴いてくれる番組になるのかなあ。スピッツを聴いててくれる人とはかぶらなそうですよね。それでもマニアな音楽番組への憧れはあるので、たまにこのテーマもやっていきたい。古いロックに興味のない人も、興味があるフリをして聴いてください」(笑)


 最後は「ちょっぴりタイムマシン」のコーナー。
 曲は、種ともこさんの「今さら I Love You」(1993年、15thシングル「スナオになりたいね」のカップリング)。
 スピッツとも古いお付き合い。デビュー当初のライブにゲスト出演してくれたり、彼女のラジオ番組にスピッツがゲストで出たり。
 1993年にこの彼女の曲にコーラスで参加した草野マサムネ。「これがスピッツ以外の音源への初めての参加」
 当時からすでに自宅でレコーディングしていた種さん。この曲も、「種さんのキッチンで録音した」そうです。
 「今さら I love you」のコーラス、すてきですよね。
 草野「短いので、耳かっぽじって聴いてください」(笑)


 来週は、ワンアーティスト特集。「Kansas」を取り上げます!
 カナダのフィギュアスケートのパトリック・チャンがKansasの「Dust in the Wind」を採用して話題になったそうです。
 (これは名曲!)
 70年代から活動し、今年ニューアルバムをリリースした「バリバリの現役バンド」。
 楽しみです。

 え、「草野さん。キノコよりタケノコより、すぎのこが好きでした~」って、すぎのこ村のこと?



                              


 「猫ちぐらの夕べ」のグッズが発表されました!
 https://spitz-web.com/concert2020/goods/


 佐藤二朗さんのツイッターの文章がなんとなく好きでフォローしているんですけど、こんなニュース!
 『はるヲうるひと』で最優秀脚本賞受賞。
 https://twitter.com/actor_satojiro/status/1325622394627657730



 久しぶりに、人を招いて遅めのランチと積もり積もった会話を楽しむ。
 貴重な大人の時間が過ごせた。
 力を得て、また明日から・・・。
 
 朝の快晴の空。午後には雲が空を隠してしまったけれど、あの上には「青」があるんだよ。
 道端で幼子に教えた日々をちょっと思い出す。


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