こだわりおやじの独り言

東洋医学とオステオパシーが通じる事柄は、貴方の健康への道しるべです
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東医宝鑑を観る16

2017年04月06日 | 日記


医宝鑑 内景篇(内科
 胞 (4

血枯病の場合
黄帝が問うに「胸と肋骨が痛み、食欲がなく、発作をおこすと生ぐさ匂いがし、鼻水が出、唾血して四肢が冷たく、ときどき目まいがし、大小便に血がまざって出てくるのは何の病気で何故おきるのか?」岐伯が答えていうには「これは血枯というが、年少ののとき脱血し、酔ったとき房事に入り、気が渇き肝が傷ついたのでおきる症状で鳥賊骨丸を使う」と。
血枯には鳥賊骨丸・八物竭を使う。

鳥賊骨丸
     処方 鳥賊魚骨・蔄茹を等分に粉末にして、雀の卵で小豆大に丸め、毎一〇丸を鮎魚湯で、
     一日三回呑み下し、脾胃に合う食物を摂る。

血崩漏の治療法
血崩という症は月経が錯乱して、粘土のように流れる症で、そのままにしておくと眦眩して昏倒するうれいがあるので、まず五霊脂末一銭を温酒にまぜて飲む。
五霊脂末は行血・止血の性質を兼ねているので、服用したあとつずけて五積散に防風・荊芥を加えて醋を少し入れて一~二貼煎じて飲み、再び五霊脂散を使う、それでも効かないときは用薬の順序上、五灰・十灰・丸散を使う。
激しい悲しみのために崩漏になったときは、備金散・四製香附丸を使い、月経のあるとき房事を行って衝脈・任脈を損傷すると経血が暴下することがあるので、温経湯を使い。
湿と熱が下に圧迫して崩漏になったときは、その色は赤黒く、腐った臭いがするか、解毒四物湯・涼血地黄湯・固経丸などを使い。
憂鬱または幸せだった女が不幸になると、よく崩漏になるが、これには開鬱四物湯を使い、胃気が陥ちて経水が暴下する症には升陽調経湯・益胃升陽湯・升陽除湿湯・柴胡調経湯を使い、
血崩が急だと白芷湯に百草霜末をを使い。甚だしいと棕梠灰または狗頭骨灰または五霊脂を半分生で半分炒って粉末したものを合わせて酒にまぜて飲んだあと、四物湯に苓・連・蔘・芪香附・乾薑を加えて調合する。
婦人が四〇歳を超えて悲哀に陥ちる入いると崩漏することがあるが、この場合は黄連解毒湯を使い、次に三和湯で調合したものを使う。
処女が男を恋しがって崩漏になり、甚だしいと虚労になる症は難治に属するが、四物湯に柴胡・黄苓・または加味逍遙散を加えて使う。
崩漏に冷えがあるときは伏竜肝散・丁香艾湯を使い、熱のあるときは涼血地黄湯・解毒四物湯、普通には当帰芍薬湯・奇効四物湯・煮附丸などを使う。四物湯に荊芥・条苓を加えて使うと止血に効く。黒い薬に止血作用がある、五灰丸・如聖散・立効散などを使い、崩漏が多くめまいがして昏倒したときは生地苓連湯・全生活血湯を使う。

領金散    血崩のとまらない症状を治す。
    処方 香附子炒黒四両、当帰尾一両二銭、五霊脂炒一両、を甘末にして毎二銭を
       醋湯で空腹時に調服する。

解毒四物湯  崩漏で顔色く腹のいたいとき使う。
    処方 黄苓・黄連解毒湯と四物を合はせて調剤して使う。

涼血地黄湯  崩漏で腎水の陰が弱ったときに使う。
    処方 羌活・防風・柴胡各一銭、生地黄・当帰各五分、知母・黄柏・荊芥・細辛・
       蔓荊子・黄苓・川芎・藁本・黄連・升麻・甘草各三分、紅花一分を水で
       煎じて服用する。
固経丸    経水過多症を治す。
    処方 黄苓・白朮・亀板各一両、椿根白皮七銭、黄柏炒三銭、銭香附子を童便に
       つけて焙ったもの二銭半、を粉末にして、酒糊で梧子大に丸め白湯で五〇
       ~七〇丸呑み下す。

開鬱四物湯  崩漏はとかく気の作用からなり易い。富めるものが、急に貧したりしたときなど
       の往々にしておきる病である。
    処方 香附米炒・当帰身、白芍薬炒・熟地黄・白朮各一銭、川芎・黄芪・蒲黄炒・地楡
       ・人蔘各五分、升麻・三分を水で煎じて服用する。

升陽調経湯  内傷に依って血がとまらなくなったとき使う。
    処方 柴胡・羌活・蒼朮・黄各一銭、当帰・防風・升麻・藁本粉草各七分、蔓荊子五
       分、濁活三分を水で煎じて服用する。

益胃升陽湯  血塊がひっきりなしにあふれ出る症に使う。

升陽除湿湯  血崩が止まらない症状は脾胃が弱いところに血が崩漏したがためである。
    処方 黄芪・蒼朮・羌活各一銭、柴胡・升麻・防風・藁本・甘草灸各七分、蔓荊子五
       分、独活・当帰各三分を水で煎じて服用する。

柴胡調経湯  血崩が止まらない症状は脾胃が弱いところに血が崩漏したがためである。
    処方 蒼朮一銭半、柴胡一銭、羌活・独活・藁本・升麻各七分、葛根・当帰・甘草各五
       分、紅花二分を水で煎じて服用する。
       以上四つの処方は主に上に昇らせるものだが、まず益胃升陽湯を服用して、そ
       れでも治らなかったら升陽除湿湯・柴胡調経湯をつかうと良い。

伏竜肝散   衝・任経の弱いときと、腹痛を治す。
    処方 川芎・艾葉各一銭、伏竜肝一銭、赤石脂・麦門冬各七分、当帰・乾薑・熟
       地黄・肉桂・甘草各五分に棗二枚を入れて煎じて飲むか、粉末にして米飯で
       二銭づつ服用する。 

丁香膠艾湯  崩漏がとまらず、おりものが出て下腹が凍ったようになったときに使う。
    処方 当帰一銭半、阿膠珠七分、川芎・丁香各五分、熟地黄・白芍薬各四分、を水で
       煎じて服用する。

当帰芍薬湯  経漏が止まらず、気が弱く困憊した症状に使う。
    処方 蒼朮、・白朮当帰・白芍薬各一銭半、黄芪一銭、陳皮・熟地黄各五分、灸甘草・
       生地黄各三分、柴胡二分を水で煎じて服用する。

奇効四物湯  血崩に効く。
    処方 四物湯に阿膠珠・艾葉・黄苓各七銭を加え、薑五片を入れて水で煎じて服用
       する。

如聖散    血崩に効く。
    処方 棕櫚・鳥梅各一両、乾薑一両半、を焼いて粉末にし、毎二銭づつ鳥梅湯酒
       で空腹時に飲む。

立効散    血崩に効く。
    処方 当帰・連花芯・白綿子・紅花・茅花各一両を切って紙にくるみ、塩をかためて固
       く封をしたあと、焼いて粉末にし麝香を少し入れ毎二銭づつ温酒で空腹時に服用する。

全生活血湯  月のものがあまりひどくて意識不明になる症を治す。
    処方 白芍薬・升麻各一銭、防風・羌活・独活・柴胡・当帰身・葛根・甘草各七分
、        藁本・川芎各五分、生地黄・熟地黄各四分、蔓荊子・細辛各三分、紅花一分を
       水で煎じて服用する。

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