東証マザーズ上場第1号だった「インターネット総合研究所」が、50億円の損害賠償を東証に求める訴訟を東京地裁に起こしたという記事。同社の上場廃止は不当であると主張しています。
「訴状によると、ネット総研は05年に「アイ・エックス・アイ」(IXI、大阪市)を買収し、連結子会社とした。しかし、07年初めにIXIは粉飾決算が判明して破綻(はたん)。ネット総研はIXIの財務実態が不明だったため、同年3月の決算報告書では、保有するIXI株については約143億円の取得費をいったん特別損失に計上した。
しかし、この決算報告書について監査法人が「適正」との意見を付けなかったことから、東証は同年5月、「投資の判断となる重要情報が適正に開示されておらず、証券市場の信頼を損ねる」として、ネット総研のマザーズ上場の廃止を決めたという。」
同社はIXIを監査していた新日本監査法人とは和解し、解決金を受け取っています。ネット総研自体の監査はたしか別の大手監査法人がやっていたと思います。監査人としては、IXIを子会社として連結していた過去の決算をそのままにして、単に特別損失処理しただけの決算は認められないということになりますが、それでは、どういう処理を行えばよかったのかというと非常に難しい問題です。
あやしい会社を買収したのが悪いということになってしまいますが、上場廃止というのはペナルティとして重すぎるような気もします。
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