会計ニュース・コレクター(小石川経理研究所)

金融安定理事会によるG20への報告書等の公表について(金融庁)

金融安定理事会によるG20への報告書等の公表について

先月、米国ワシントンで開催されたG20財務大臣・中央銀行総裁会議に対して、金融安定理事会(FSB)(金融危機に対応するために各国金融当局などによって設けられた組織)が提出した金融安定強化策の進捗状況に関する報告書の概要が金融庁ホームページに掲載されています。

会計基準についてもふれています。

「ピッツバーグ・サミットにおいて、単一の質の高い世界的な会計基準の策定に向けた取組みの強化に合意。国際会計基準審議会(IASB)が策定する国際会計基準(IFRS)の適用が100 カ国以上で進展。IASB と米国会計基準審議会(FASB)は、2011 年6 月が期限のIFRS と米国会計基準の収れんに向け、協働。

FSB は、公正価値の利用を拡大しない方向での検討を支持。また、FSB は、IASB とFASBに対して、貸出の損失を早期に認識し、景気循環連動性を抑制するため、既存の引当要件よりも広範囲の信用情報を活用するよう慫慂。

金融商品会計について、IASB は、2009 年11 月に、IFRS 第9 号(金融商品の区分について、償却原価区分と公正価値測定区分の組み合わせを採用)を公表。FASB は、2010 年第2 四半期に、金融商品会計の改訂案を公表予定。

予想損失モデルに基づく引当について、IASB は、2009 年11 月に、償却原価区分の金融商品に関する予想損失モデルに基づく引当案を市中協議に付した。FASB は、2010 年第2 四半期公表予定の金融商品会計基準の改定案において、その信用損失アプローチについて説明する方針。IASB とFASB は、実務的な問題への対応を検討するため、共同で専門家助言パネルを設置。」

原文はこちら
Progress since the St Andrews meeting in Implementing the G20 Recommendations for Strengthening Financial Stability(PDFファイル)

金融商品会計については、IASBと米国FASBは、いまのところ基準の方向性が違うようです。FASBの方は、IFRS9号と違って、すべての金融商品を時価評価するアプローチです。ただし、公正価値の変動を損益に計上する区分と、その他の包括利益に計上する区分(満期まで保有する貸付金など)に分けられます。

The FASB is preliminarily moving toward proposing an approach that is based on fair value measurement for all financial instruments, which will include balance sheet categories for (i) financial instruments for which changes in fair value are recognised in net income and (ii) financial instruments (including loans held to maturity) for which fair value changes are recognised in “other comprehensive income”.
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