会計ニュース・コレクター(小石川経理研究所)

オリンパスへの第二公開質問状(FACTAより)

オリンパスへの第二公開質問状

雑誌FACTAが、オリンパスにおける企業買収取引を調べているようです。会計処理も対象になっています。

FACTAからオリンパスに送付された質問状によると、旧ジェイ・ブリッジ関連のファンドを相手に取引を行ったことと、英ジャイラスを買収した翌期(2009年3月期)に計上した多額の特別損失(155億円)を、問題にしています。

後者に関しての質問状の内容は以下のとおりです。

「貴社が英ジャイラスを買収した翌期(2009年3月期)に計上した特別損失について、有価証券報告書には「前期損益修正損15,516百万円は、前連結会計年度に資本参加したGyrus Group Limited等の投資について、手数料の支出額が最終的に決定し取得原価の配分が完了したため、暫定的な会計処理を確定させ、費用処理すべき金額をすでに計上したのれんの修正額として連結損益計算書に計上したものです」と説明書きがあります。この件についてもお尋ねいたします。

質問 編集部の取材では、この会計処理を巡って「過大な手数料をのれん代に計上することは認められないとするあずさ監査法人と意見の対立が生じた」「最終的にはオリンパスがあずさの意見を容れて特別損失を計上したが、この意見対立のために翌期からは新日本監査法人に変更した」などと指摘する声が聞かれました。監査法人との意見対立とそれを理由とした交代は事実でしょうか。新日本監査法人にその経緯を説明しましたか。

質問 ジャイラス買収時にFA(ファイナンシャル・アドバイザー)に支払った手数料は、上記の15,516百万円を含めて総額250億円余りになると聞きます。これは事実でしょうか。

質問 この手数料額が事実なら、通常に比べて割高というよりは法外ではないかと思いますが、どのような事情によるものでしょうか。

2010年3月期の有報(PDFファイル)で、2009年3月期の財務諸表を見てみると、たしかにこのような特別損失が計上されています。これに関する意見対立が監査人交代の原因なのかはわかりませんが、それだけではないかもしれないという情報も有報には記載されていました。

それは監査人の報酬の開示であり、2009年3月期は233百万円(あずさ監査法人)、2010年3月期は91百万円(新日本監査法人)となっています(提出会社の監査報酬)。

監査報酬水準の妥当性については、外部からは判断がつきませんが、これだけ差がつくと、監査人を替えてみようというインセンティブにはなるでしょう。
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