カブトン日記Ⅱ

2005年11月から2012年10月までのムシムシランドの情報がご覧いただけます

幼虫の放射性物質検査結果について。

2012-04-23 17:56:02 | カブトムシ

今年は原発事故の影響で幼虫のエサになる腐葉土に

放射性物質が多く含まれている傾向があることから

田村市内からの幼虫の買入を中止しました

また皆様に心配をお掛けしないために幼虫セットの販売も中止しております

しかしながらカブトムシ自然観察園の再開に向け成虫になるまで飼育するため

大型ハウスでキノコの栽培と販売をしている農家の方にご協力いただき

堆肥として使用して良い基準値400ベクレル未満の廃菌床に生息していた幼虫を購入

(キノコ栽培に使用している菌床は50Bq/kg未満です)

ようやく目標にしていた2万匹の幼虫が集まりました

そこでこれらの幼虫の体内に含まれる放射性物質検査を

「㈱加速器分析研究所」に依頼しその結果が本日報告されました

測定は高性能なゲルマニウム半導体検出器型放射能測定装置:SEG-EMSを使用し

2kg(約80~90匹)の幼虫を利用して検査を行ないました

(詳細は後日HPにてご報告いたします)

結果は

放射性ヨウ素131=不検出

放射性セシウム合計26Bq/kgでした

(放射性セシウム134=11Bq/kg  放射性セシウム137=15Bq/kg)

思っていた以上に幼虫への移行が少なく、国が定めた食品の新基準値100Bq/kg以下の4分の1程度であり、仮に食べてしまっても健康に問題のない数値であることが分かりました

更にムシムシランドでは購入した幼虫をさらに安心して飼育できるよう

市販されているクヌギマットに移し飼育をしています

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↓集まった幼虫の保管

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↓今年の幼虫たち

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今後はこの幼虫を屋外で飼育し成虫になるまで管理します

その際のエサとなる廃ホダ木はこちらを使用します

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このホダ木に含まれる放射性セシウムの合計は256Bq/kgとの検査結果でした

この数値は畑や田んぼの肥料として使用して良い基準値をクリアしています

次に幼虫への放射性物質の移行を調べるため合わせて行なった結果ですが

原発事故時に屋外に積んであったホダ木の粉砕木に含まれていた放射性セシウムの合計は現時点でも2987Bq/kgあり、

そこに自然発生していた幼虫の体内からは577Bq/kgの放射性セシウムが検出されました

今回の測定結果では約2割が体内に取り込まれた可能性があることになります

もちろんこれらの幼虫については養殖などには利用せず今後も隔離したまま、このままの状態で観察を続ける予定です

以上のように現在購入し成虫にするために飼育している幼虫は食べても安全な数値となっておりますし、今後の飼育過程でもなるべく幼虫への移行を最小限にしていく努力をしてまいります

この幼虫が元気なカブトムシになり、自然観察園に放せるようになりましたら、どうか会いに来てくださいね


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