初めて一堂に会した、第一期大阪A・Bクラス。こうして見ると。。。。濃い!
城ノ石ゆかり先生のコーピング思考基礎講座は、現在、東京・福岡・大阪で同時開催されており、大阪にはA・B二つのクラスがあります。
私の入っているBクラスは前回第二回で凄く深い話になって講座が他のクラスに出た課題のところまで行かず、第三回のAクラスとの合同授業の前に補講が入りました。
つまり、昨日は午後5時から2時間の補講と、午後7時からの第三回合同授業がぶっつづけであって、ゆかり先生の安否が気遣われるところですw
さて、今回はその補講の話。
前回まで、出来事(A)があって、それをBelief(信条 人がものを見るときのフィルター)を通して捉えたときに起こる感情(C)があるという、1955年にアルバート・エリスと言う人が唱えたABC理論を勉強してきました。
そこでは、Cの感情が起こるのは、Aの出来事が起こすのだと思いがちだが、実はBのBelief次第でいろいろな受け止め方があり得るのだということを勉強してきたわけです。
この物の見方・捉え方であるBeliefは幼い時に形成されており、自分ではなかなか気づくことができないため、人は同じような出来事があると同じ感情と行動を無意識に繰り返してしまっています。
だから、感情から逆算して自分のB=Beliefに気づき、それをそのままにするでも変更するでもどちらでもいいから、自分の人生にとって真の意味で良いBeliefを選択することが、人としての成熟だと習ってきたわけです。
コーピング思考基礎講座(1) 人の感情や行動は起こった出来事よりもBelief(ビリーフ 信条)が決める。
コーピング思考基礎講座(2) 自分に「自分はこういう人間だ」と説明するselfのB(信条)が行動を決める。
コーピング思考基礎講座(3) 一見自分にはネガティブに映る「感情」・「Belief」(信条)に許可を出す
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アルバート・エリス(Amazonの著者紹介より)
コロンビア大学の臨床心理学の修士号及び博士号を取得。現代の認知行動療法のさきがけの形である、理性感情行動療法(REBT)の創始者。ニューヨークで REBT研究所を主宰する。個人及び集団精神療法、サイコセラピストのスーパーヴァイズや育成を実践する。また、研究所や世界各国で、多くの講演、ワーク ショップを行なう。精神療法、夫婦及び家族療法、セックス・セラピーに関する700以上の論文、60冊以上の著作物を執筆・出版する
ところが、今回はなんと、ABCは第一次感情であり、人には第二次感情のDEの分野があると習ったのです。
はっきり言ってまだFGH・・・と第三次感情があったらもう大惨事でお手上げだ!と思ったのはわたくしだけだったでしょう。
さて、この第二次感情は第一次感情に対するジャッジ(裁き 判断)だと言います。
A:Activating event(出来事)
B:Belief(信念、固定観念)
C:Consequence(結果)
D:Dispute(反論)
E:Effect(効果)
となりますが、ゆかり先生によるとDは日本語でわかりやすくいうとむしろアドバイス、提案だそうです。
そして、一次感情は、鈴木博さんにならったTA(交流分析)で言うように、自動的に起こる反応なのでなかなか変えることができません。アルバート・エリスのDEまで含めた理論が本当にありがたいと思ったのは、二次感情は自分の理性でコントロールできるということなのです。
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さて、ABCDEを私の例で説明するとこんな感じです。
A(出来事) 仕事に失敗した(しょっちゅうあります)
B(Belief) 俺はダメな人間だ(引きこもりたくなったり、死にたくなることさえしょっちゅうですw)
C(感情・行動) 仕事に行きたくない
ここから、DEの分野ですが、Eは自分が望む結果です。こうなったらいいなと思う状況ですから、わたくしの場合当然、
E(望む結果) ちゃんと仕事に行く
です。
で、Dは一次感情に対する反論です。むしろ、アドバイスです。
一次感情の分野で起きた、仕事に失敗した→俺はダメ人間だ→仕事に行きたくない、というほぼ毎回自動的に起こる反応に対して、ちゃんと仕事に行くという結果を手に入れるための、有効なアドバイスがDです。
しかし、これは自分が自分に向けて提案しようとするとうまくいかないのだとゆかり先生は言います。
そこで、自分の親友にABCが起きていたら、彼・彼女の望む結果Eを得られるように、最適なアドバイスを考えるというのです。
わたくしの場合、もし、俺は失敗したからダメ人間だから仕事に行きたくないといっているヘタレた親友がいれば
D(アドバイス) うまくいったこともたくさんあるじゃん。今日、仕事に行けばうまくいくかもしれないよ。どんな失敗でも「やり直すことはできないけど取り返しはつくよ」(これ、わたくしが創った座右の銘)。
とアドバイスすると思うんですね。
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しみじみ、ええ題や。
実は、この自分が親友に対してならするアドバイスを、自分に対してはできないことを
「二重価値」
というのだそうです。英語で言うとダブスタですかね。ダブルスタンダード。二重の基準。憲法学でも出てきます。
他者へのアドバイスと自分へのアドバイスが違う。この二重価値にこそ、実は隠してしまっているBeliefがあるのだということです。ここが気づきのチャンスだということですね。
わたくしの場合、親友に対してならうまくいったこともあるやん、失敗は誰にでもあるもの、取り返しはつくで、と言えるわけですが、自分に対しては
「お前、今まで何回失敗したぁ、思とんねん?」
「また、チャレンジして人に迷惑かけるんか?」
「失敗しても取り返しはつくって、なに、いい気になってんねん??」
とかなんとかかんとか、自分自身から物凄い説得力のある再反論が来てしまうんですよ。
(しかもこの再反論を強硬に言い募るのは、自分の中に見える、今は亡き父親そっくりの妹だったりする 涙)
ゆかり先生によると、今受けている基礎講座の後のマスター講座では、この再反論に対してさらに口に出して反論していくという、大変なワークがあるらしいんですが、ほんと、ちゃんと反論していかないと袋小路でどうしようもないです。
ゆかり先生は言いました。
「他者へのアドバイスと自分へのアドバイス。相反する価値基準を統合していくのが成熟である」
と。
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この、親友に対する真摯なアドバイス、というDがあるというゆかり先生の話は、わたくしにとっては天啓でした。
なぜなら、わたくしは仕事でこればかりやってきたからです。
弁護士としては、夫婦関係にしても人間関係にしても
「こんなふうに俺もできたらいいんだけどな」
というようなアドバイスを依頼者にしてきたわけです。もう、めちゃ考えて。最善と思える考え方や行動を。
大学教授や司法試験予備校の先生としてもそうです。
「俺にはできないけど、お前はやってくれ」
・・・・これではあかんか!?
ま、とにかく、相手の方が得たい結果を得るために最善の方法を考えて差し上げる、というのがわたくしの人生そのものなわけです。
しかし、そのベクトルを自分に向けたことがなかった。
自分に対しては責める言葉しか出てこなかったんですよね。どうしても。
いったん、自分のことではなくて、親友のことだと思って最善の捉え方を提案するという発想は、今までの自分には全くなくて、目から鱗がこぼれ落ちまくりました。
ゆかり先生にそのことを言ったら、上司と言うのは自分ができるできないは脇に置いておいて、部下に必要なことを言わなければいけないから辛いんだよね、と言っていました。
そうですよねえ。でも、それが良い上司であり、たぶん良い弁護士、良い先生、良いファシリテーターでしょう。
とにかく、そのアドバイスの方向を自分に向けて、親友に伝えるように、生徒に話すように自分に提案していこう、その訓練をしていこうと思ったのでした。
うお、補講の話さえ一回に収まりきらんかった!次回、急いでアップします!!
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