祝!国立西洋美術館の世界遺産登録決定
ということで、空想企画その2は、国立西洋美術館の所蔵作品による20世紀西洋美術の傑作展。
【基本】
1)1年・1作品・1作家。
かつ、欧米人か、欧米で制作したことのある作家の油彩画・彫刻作品とする。
2)対象期間は、1901年から1959年までとし、年代順に並べる。
1901年は20世紀の始まり、1959年は国立西洋美術館が開館した年である。
58作家の58作品による20世紀前半の西洋美術の59年間である。
【運用】
1)20世紀において重要な意味をもつ1945年には作品を展示しない。
2)国立西洋美術館の所蔵作品で埋まらない年は、他の国立美術館3館の所蔵作品で補完する。他の3館の所蔵作品には、☆を付す。
以下により、所蔵先を記す。
・国立西洋美術館(西洋美と記す)
・東京国立近代美術館(東近美と記す)
・京都国立近代美術館(京近美と記す)
・国立国際美術館(国際美と記す)
3)油彩画・彫刻ではない作品も、国立西洋美との縁の深い場合に限り選出(該当2点)。
4)それでも、埋まらない年が9年あったので、1年・1作品・1作家の原則を崩し、西洋美所蔵の9作品を特別出品とする。特別出品作品には、★を付す。
以下、出品作品。
1901年
ポール・シニャック
《サン=トロぺの港》西洋美
1902年
クロード・モネ
《ウォータールー橋、ロンドン》西洋美
1903年
☆モンドリアン
《ヘイン河畔の樹》京近美
1904年
ピエール=アルベール・マルケ
《ポルト=ヴェルサイユの雪景色》西洋美
1905年
モーリス・ドニ
《踊る女たち》西洋美
1906年
☆アンリ・ルソー
《第22回アンデパンダン展に参加するよう芸術家達を導く自由の女神》東近美
1907年
該当なし
1908年
シャルル・コッテ
《悲嘆、海の犠牲者》西洋美
1909年
エミール=アントワーヌ・ブールデル
《弓をひくヘラクレス》西洋美
1910年
ハンマースホイ
《ピアノを弾く妻イーダのいる室内》西洋美
★エドヴァルド・ムンク
《雪の中の労働者たち》西洋美(寄託)
1911年
ジョルジュ・ブラック
《静物》西洋美
1912年
アルベール・グレーズ
《収穫物の脱穀》西洋美
★ジョルジュ・デヴァリエール
《聖母の訪問》西洋美
1913年
☆デュシャン
《自転車の車輪》京近美
1914年
該当なし
1915年
該当なし
1916年
フランク・ブラングィン
《松方幸次郎氏の肖像》素描、西洋美
★クロード・モネ
《睡蓮》西洋美
1917年
アルベール・バールトソン
《ケンジントン公園》西洋美
1918年
アルベール・アンドレ
《カタロニア人たちの水浴》西洋美
1919年
アンリ=ジャン=ギヨーム・マルタン
《自画像》西洋美
1920年
スーティン
《心を病む女》西洋美
★エドゥアール・ヴュイヤール
《縫いものをするヴュイヤール夫人》西洋美
★モーリス・ド・ヴラマンク
《町役場》西洋美
1921年
ウジェーヌ=ルイ・ジロー
《パリ市庁舎における裕仁殿下のレセプション》西洋美
1922年
エドモン=フランソワ・アマン=ジャン
《日本婦人の肖像(黒木夫人)》西洋美
★キース・ヴァン・ドンゲン
《ターバンの女》西洋美
1923年
アンリ・ルバスク
《ハンモック》西洋美
★アンドレ・ドラン
《ジャン・ルノワール夫人(カトリーヌ・ヘスリング)》西洋美
1924年
☆パスキン
《バラ色の下着の少女(青いブレスレットの少女)》国際美
1925年
マイヨール
《イル・ド・フランス》西洋美
1926年
エミール・ボワイエ
《フジタ夫人の肖像》西洋美
1927年
マックス・エルンスト
《石化した森》西洋美
1928年
該当なし
1929年
藤田嗣治
《坐る女》西洋美
1930年
該当なし
1931年
該当なし
1932年
該当なし
1933年
ピエール・ボナール
《花》西洋美
1934年
該当なし
1935年
☆ドローネー
《リズム 螺旋》東近美
1936年
☆ハンナ・ヘッヒ
《Angst(不安)》京近美
1937年
☆マティス
《鏡の前の青いドレス》京近美
1938年
ジョルジュ・ルオー
《道化師》西洋美
1939年
☆パウル・クレー
《山への衝動》東近美
1940年
アンドレ・ボーシャン
《アルクマールの運河、オランダ》西洋美
1941年
☆ジャン(ハンス)・アルプ
《地中海群像》東近美
1942年
☆クルト・シュヴィッタース
《無題(羊毛玉のある絵画)》京近美
1943年
デュフィ
《モーツァルト》西洋美
1944年
☆フォートリエ
《人質の頭部》国際美
1945年
展示なし
1946年
該当なし
1947年
☆ヴォルス
《構成》国際美
1948年
ベルナール・ビュッフェ
《鰊のある静物》西洋美
1949年
☆ニコラ・ド・スタール
《コンポジション(湿った土)》東近美
1950年
サム・フランシス
《ホワイト・ペインティング》西洋美
★ジャン・デュビュッフェ
《ご婦人のからだ》西洋美
1951年
ジャクソン・ポロック
《ナンバー8, 1951 黒い流れ》西洋美
1952年
☆モランディ
《静物》国際美
1953年
フェルナン・レジェ
《赤い鶏と青い空》西洋美
★ジョアン・ミロ
《絵画》西洋美
1954年
ジャン・デュビュッフェ
《美しい尾の牝牛》西洋美
1955年
☆ピカソ
《ラ・ガループの海水浴場》東近美
1956年
ル・コルビュジエ
《国立西洋美術館およびその周囲の構想スケッチ》資料、西洋美
1957年
☆ザオ・ウーキー
《夜明け、夜でも昼でもなく》京近美
1958年
☆クリスト
《包まれた缶》国際美
1959年
☆ジョセフ・アルバース
《正方形讃歌》東近美
対象範囲を絵画・彫刻より拡げれば(版画、素描、写真など)、あるいは、松方コレクションを母体とする国立西洋美術館の所蔵品特性を踏まえた対象年代設定とすれば、本来の魅力がより発揮されるラインナップになるだろう。
国立西洋美術館、今後ともよろしくお願いします。