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東京でカラヴァッジョ 日記

美術館訪問や書籍など

「ボストン美術館展 西洋絵画の巨匠たち」感想

2010年04月24日 | 展覧会(西洋美術)
4月17日(土)から森アーツセンターギャラリーで始まった「ボストン美術館展 西洋絵画の巨匠たち」。

多彩な作品が揃えられていますが、メインは、
①レンブラントとその同時代のオランダ・スペイン・イタリア絵画
②11点のモネを筆頭とする印象派絵画
と勝手に整理しました。

レンブラントの全身肖像画がすばらしい。注文主も奮発して全身像にした分その出来にさぞ満足されたことでしょう。
夫のほうが生き生きと描かれているのは、このタイプの作品によく見られますが、なぜなのでしょうか。

エルグレコ(ドガが所有していたとのこと)、ベラスケス、ムリーリョ、スルバランもいい。

いいというより気になったのが、フランチェスコ・デル・カイロの「洗礼者聖ヨハネの首を持つヘロデヤ」。初めて知った画家。なぜヘロデヤに恍惚の表情が?イタリア・バロックの時代に法悦の主題が流行したそうですが、使う場面が違うだろう。こういうのも一般に受け入れられていたのか。ビアズリーの先取り?

印象派については、半円形の展示室一室に集められたモネの10点の風景画が壮観。ドガ、マネも充実。ロートレック、ゴッホも各1点。とここまではいいのですが、ルノワールが3点、セザンヌが1点にとどまり、ゴーギャンに至ってはゼロなのは寂しい。

ドガの「エドモンドとテレーズ・モルビッリ夫妻」は、ドガの妹夫妻の肖像画。どういうシチュエーションかはわかりませんが、二人の表情(特に目の大きな(驚いた?表情の)妹)が印象的。「田舎の競馬場にて」、「美術館訪問」も見ごたえがあって、横浜美術館での「ドガ展」が楽しみになってきます。

ゴッホ「オーヴェールの家々」は、最晩年のオーヴェールでの作。家々・空・道・木々等も、それらに使われるゴッホらしい多様な色彩も、平均的に描かれているところが、偏重型のゴッホが好みの私には少し物足りない感あり。風景という主題を借りて色彩のバランスを追求した作品ということかも。

上記①②の範疇外の作品では、特にレオン・ボナ「メアリー・シアーズ」が印象に残っています。パリにいるアメリカ人を主顧客とした肖像画家という商売分野が成り立ったのですね。同様の(かつレベルは?の)絵画がアメリカにたくさん眠っているのでしょうか。

本展では、出品作リストが用意されていなかったのが残念。そんな展覧会にはなかなかお目にかかれないのですが。


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