大英博物館古代エジプト展
2012年7月7日~9月17日
森アーツセンターギャラリー
8月の最終日曜日の18時頃の訪問だったのですが、結構観客がいて、それも家族連れや中高校生のグループなど若い層が中心で、さすが夏休みだなあと感心。
本展の目玉は、世界最長37メートルの死者の書「グリーンフィールド・パピルス」の一挙公開。
作品保全のため、96葉に分割され、それぞれ額装されています。
公式HPに画像が掲載されている
1 冥界の王オシリスを礼拝
2 ミイラとなって墓に運ばれる
3 口開けの儀式
4 行く手を邪魔するワニやヘビを撃退
5 審判
6 イアルの野
7 天と地のはじまり
を代表として、これは非常に見応えがあるものです。すごいです(特に「天と地のはじまり」はお気に入り)。
古代エジプトでは、人は死後に冥界の旅を経て来世で復活すると考えられていたそうです。
ただ、その冥界の旅では、待ちうける様々な試練を乗り越え、さらに、冥界の王オシリス神による審判にて身の潔白を証明するという過程を経なければなりません。
「死者の書」(19世紀の命名で、実際は「日のもとに出現すること(の呪文)」と呼ばれていた)は、無事復活できるよう守護の力を与える呪文集として、死者に捧げられたものなのだそうです。
このため、「死者の書」には、冥界の旅における様々な場面、特に試練の場面が、図像と文字(呪文)で描かれることとなります。
展示は、入場口での「審判の否定告白42カ条」の紹介から始まります。
今まで馴染みのない世界なので、キャプションも丁寧に読みながら進んでいきます。
そして、目玉の「グリーンフィールド・パピルス」が登場。
これで終わりかと思うと、あと1章の展示が続く。これは軽く見るだけにしました(そして目玉作品を再鑑賞)。
キャプションも丁寧に読んだつもりだったのですが、覚えているのは、人間の魂は「バー」と「カー」の2つからなることくらい。
発掘された装飾品や小物等が中心の展覧会と異なります(これだと私は途中で飽きてしまう)。
ミイラや像もありますが、目玉の「グリーンフィールド・パピルス」のほか、パピルスの展示が中心。
パピルスを軸に、古代エジプト人の死生観を紹介しようとしており、エジプトらしい図像が満載。
個人的にはこんなにパピルスをまとめて見たのは初めてのこと。
たいへん楽しく鑑賞しました。