
国宝「土偶」は、現在5点。
うち2点を所蔵する茅野市尖石縄文考古館(長野県茅野市)を初訪問。
国宝「土偶」については、東京国立博物館などの展覧会にて何度か見ているが、所蔵館でも見たいという希望を初めて実行。
私的には、2018年の東京国立博物館「縄文-1万年の美の鼓動」以来、6年ぶりの国宝「土偶」の造形美との対面。
✳︎2021年の江戸東京博物館「縄文2021 - 東京に生きた縄文人」でも1点見ている。
茅野市尖石縄文考古館の最寄駅は、JR中央本線・茅野駅。
駅から考古館前へ行く「メルヘン街道バス」は1日3往復で、約20分の所要時間。次のバスで駅に戻るとすると、滞在時間は1時間弱。
考古館内には5つの展示室や学習コーナーなど、館のまわりには尖石史跡公園、といろいろと楽しめるようになっているが、滞在時間の大半を、国宝「土偶」2点が展示される「常設展示室B」の鑑賞に投入する。
「常設展示室B」展示風景

「国宝指定書」


国宝《縄文のビーナス》は、昭和61年に茅野市米沢の棚畑遺跡から出土。平成7年に国宝指定(縄文時代の国宝第1号)。

国宝《仮面の女神》は、平成12年に茅野市湖東の中ツ原遺跡から出土。平成26年に国宝指定。土器8点も国宝附として指定。
出土状況

国宝《縄文のビーナス》は、遺跡の中央の小さな穴の中に、ほぼ完全な形で、横たわるように埋まっていたという。

国宝《仮面の女神》は、遺跡のほぼ中央にある、お墓と考えられる穴が密集する場所で、穴の中に横たわるように埋められた状態で出土したという。右足が壊れて胴体から外れていたが、これは人為的に取り外したことが明らかになっているとのこと。

再現展示も。
国宝《縄文のビーナス》をぐるっと。







黒雲母を含んだ粘土で作られているため、胸の部分で金色に輝いている。
国宝《仮面の女神》をぐるっと。





体の無数の文様は、衣服なのか、刺青なのか、あるいは単なるそのときどきの土器と共通する文様を入れただけなのか。

国宝附の土器8点も同じ展示室に展示。
体験展示室で、国宝「土偶」のレプリカを手に持つ。想像していなかったほどの重さ。国宝《縄文のビーナス》は2.14kg、国宝《仮面の女神》は2.7kg。
国宝「土偶」の造形美を楽しむ1時間弱。
年に一度は味わいたい、国宝「土偶」の造形美。
