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東京でカラヴァッジョ 日記

美術館訪問や書籍など

日本とデンマーク-文書でたどる交流の歴史(国立公文書館)

2017年10月17日 | 展覧会(その他)
日本・デンマーク外交関係樹立150周年記念
日本とデンマーク-文書でたどる交流の歴史
2017年10月7日~11月5日
国立公文書館
 
 
 
   日本・デンマーク外交関係樹立150周年記念企画。
 
   といえば、2017年2-5月に国立西洋美術館開催の「スケーエン」-デンマーク最北端の地スケーエンで展開されたスケーエン派の画家たちの展覧会-があり、楽しく観た。
 
   本展は、両国の国立公文書館所蔵品などにより、日本とデンマークの交流を振り返る企画。入場無料。会期中無休、木・金は夜間開館あり。展示室内撮影不可。
 
 
 2017年は、1867年に日本とデンマークの間に修好通商航海条約が締結されてから、150周年の記念の年にあたります。本展では、両国の交流の起点となった条約の原本をはじめ、日本及びデンマークの国立公文書館、デンマーク国立博物館、日本の外務省外交史料館等が所蔵する約80点の資料をもとに、150年にわたる日本とデンマークの友好の歴史を、7部構成でたどります。
 
 
第1部   日本とデンマーク  出会いから条約締結へ
第2部   大北電信会社の海底ケーブル事業
第3部   アンデルセン-いつも日本人の傍らに
第4部   デンマーク酪農への情熱
第5部   交流のさまざまな広がり
第6部   皇室とデンマーク王室の交流
第7部   現在身近にあるデンマーク
 
 
以下、展示資料から3点を記載する。
 
 
《アンデルセン直筆書簡》
1834年
デンマーク国立公文書館
 
   アンデルセンは奨学金を得て、1833年から34年にかけてイタリアを旅行する。各地でスケッチを描き、北欧とは違って明るい風景を記録して、それを手紙に綴ってデンマークに送っている。
   実物出品の書簡のイラストは、ローマのボルゲーゼ公園にある「時計の館」。1833年のクリスマスを、ローマに滞在していた北欧の友人たちとともに「時計の館」で愉快に過ごした模様を書いている。字がびっしり細かく紙の表裏に書かれている。
   「時計の館」は旅行を終えた翌年発表した作品「即興詩人」にも登場するとのこと。
   「時計の館」は現存するようだが、何の建物なのかは情報見つけられず。
   写真パネルで紹介される書簡のイラストは、ナポリの食料品店の店前である。
   日本で初めて出版されたアンデルセンの書籍『諷世奇談  王様の新衣装』(1888年、仏語からの重訳)や、森鴎外訳の『即興詩人』(1902年)の展示もある。
 
 
 
《日本・デンマーク修好通商航海条約批准書》
1867年
デンマーク国立公文書館
 
   日本が開国すると、デンマークは条約締結交渉を在日オランダ総領事に委任して進め、1867年1月に江戸で日本・デンマーク修好通商航海条約が調印され、同年10月に批准書の交換が同じく江戸で行われる。これは徳川幕府が諸外国と結んだ11番目の、そして最後の条約となる。
   デンマーク国立公文書館には条約書、批准書、批准書交換証書等の文書と、錦織の袋が保存されている。
   一方、日本側の原本は、関東大震災で焼失し現存しない。
   今般、外交関係樹立150周年を記念して精巧な複製が製作され、デンマークから日本に贈呈されたとのことである。
 
 
 
重文《国書委任状》
1872年
国立公文書館
 
   岩倉使節団は、アメリカとの条約改正交渉に際し、条約改正を行う権限がある国書委任状を持参していなかったため、大久保利通と伊藤博文を一時帰国させ、国書委任状の下付を受ける。しかしアメリカでの条約改正交渉が難航したため、その後訪問したヨーロッパ諸国においては具体的な交渉を行うには至らず。クリスチャン9世に宛てた国書委任状も、デンマーク側に渡されることなく、日本に持ち帰られたとのことである。
 
 
 
 


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