東京でカラヴァッジョ 日記

美術館訪問や書籍など

奈良・秋篠寺で《伎芸天像》を観る

2018年08月30日 | 寺社・城郭めぐり
   個人史上初めて、2カ月連続の関西プチ美術旅行を敢行する。
 
 
   東京から新幹線、京都駅下車。近鉄京都線急行に乗り換え、大和西大寺駅下車。駅北口から押熊行きの奈良交通バスに乗り、3つ目の停留所で下車。
   
 
   乗車したバスは、地元の方々で混雑している。同じ停留所で降りた方も地元の方。日中は1時間に3本だが、朝晩の通勤時間帯はプラスがある。停留所近辺の道は狭く、監視員を置いて無線で運転手と状況のやりとりをしている。停留所からバス進行方向すぐ、右に曲がると目の前に大きな県営競輪場。左に曲がってほんの少し歩くと、目的地「秋篠寺」に到着する。
 
 
 
秋篠寺の東門。バス停最寄りの門。
 
 
   受付開始まで少し時間がある。もう一つの門に行く。
 
 
秋篠寺の南門。
 
 
秋篠寺の南門から撮る境内。
 
 
   9:30受付開始。大人500円。
 
 
「大元堂」
   推定鎌倉時代の木彫立像、重文《大元帥明王》が安置されているが、秘仏であり、毎年6月6日のみの開扉。その日はたいへんな行列となるらしい。普段は小さな写真パネルを拝むこととなる。
 
 
「本堂」
   鎌倉時代の建築だが、奈良時代の様式を持つ「本堂」は国宝。
   お目当ての仏像、「東洋のミューズ」と称される重文《伎芸天像》は、本堂内に安置されている。
 
 
   堂内の須弥壇には、本尊である重文《薬師如来像》を中心に20体ほどの仏像が並ぶ。《伎芸天像》は、その一番左端、入口寄りにそっと立っている。
 
 
   《伎芸天像》は、頭部が天平時代の乾漆造で、体部が鎌倉時代の補作(寄木造)だという、極彩色の像高205cm超の立像。「現在では他に全くその遺例を見ず我国唯一の伎芸天像」。
 
 
   秋篠寺には、頭部が天平時代の乾漆造で体部が鎌倉時代の補作(寄木造)の仏像が、「伎芸天像」以外にも3体あり、うち「帝釈天」は同じ本堂に安置、「梵天像」と「救脱菩薩像」は奈良博に寄託、とのこと。
 
 
   須弥壇には逢瀬の邪魔をする柵などはなく、仏像のすぐそばまで近づいて、間近で鑑賞することができる。さらに 「伎芸天像」は左端に立っているので、横顔も無理なく鑑賞可能。
 
   
   「伎芸天像」のお顔。かなり高い位置にあり、下から見上げる形になる。角度や距離を変えながら、時に本堂の壁に掲示している「伎芸天像」絵葉書4枚セット見本を参照しつつ、「伏し目がち」「首を少し左に傾けて」「微笑みを湛えた唇」を見つめる。絵葉書だと気になるかもしれない「禿げてしまった部分」も、薄めの化粧に見えてくる。


   外は猛暑、厳しい日射し。中はひんやりとした空気に、蚊取り線香の匂いが漂う。入口脇の売店兼監視部屋では、係員の女子高(中?)生が何冊もの書物を持ち込んで勉学に励んでいる。
 


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