投錨備忘録 - 暇つぶしに借りた本のメモを残すブログ

ビブリア古書堂の事件手帖 - 三上延(メディアワークス文庫)

 
2011年3月25日 初版発行
2018年10月5日 第39版発行

 単に前から気になっていたということで購入。私の読書友達も気にはなっていたそうですが、なんせ表紙の絵がね若々しすぎてオッサン・オバサンが手にするには躊躇ってた。件の読書友達にも貸しましたが好評でした。


 著者は1971年横浜市生まれ。武蔵大学人文学部卒業。大学卒業後は藤沢市の中古レコード店、古本屋でアルバイトをしながら小説を新人賞に投稿し、2002年「ダークバイオレッツ」でデビュー。「ビブリア古書堂の事件手帖」は2011年に発表した作品。


 著者が大学を卒業するのは1992年、1993年あたりか。1992年は就職氷河期元年。大学卒業後、著者がアルバイトを続けていたのはこういう社会情勢もあったのだろうか。でもその経験でこういう著作をものにできたのだから拍手を送りたい。


 ストーリーは大きな本流と支流に分かれる。支流は一話限りで完結するお話で、それが絡み合いながら結末を迎える。大変わかりやすい企画ものだと思う。


 私は幸いなことに目が見える。だからというわけではないが小説を読むときにもヴィジュアルなイメージが付きまとう。特に設定。


 ビブリア古書堂は神奈川県鎌倉市北鎌倉にあることになっている。ホーム隣の路地を挟んで建っている古い木造の建物。関西でいえば阪急神戸線の岡本駅あたりの雰囲気か。なんでこのあたりを私が選んだかというと、神奈川県の湘南に住んでいた社員が転勤してきて、阪急神戸線の岡本駅あたりは鎌倉と似ていると私に言ったことがあったという、ただそれだけの理由で私の頭の中でビブリア古書堂の立地イメージが出来上がる。


 私は古書店で本を買っていたことが長く続いていた。だから古書店で買う本に色んなものが挟み込んだままだったり、書き込みがあったりというということを知っている。これはコーヒーの染みか、この本を持っていた人は気になる個所はページの端を折る癖があるとか、時には文字の校正痕があったり、意見が書き込んであったり。版数の違いと内容の微妙な違いとか。


 そんなことを思い描きながら読み始めると、おぉ!そうじゃないのね。ごめんなさいい。なめてました。どちらかというと骨董を扱った作品に近い。面白く読みました。


 もちろん1ページ目から読み終えるまで私の頭の中では神戸岡本駅近辺の風景で話が進んだのです。


 ということでシリーズを読み続けています。いやいやなかなか面白い推理小説。

(2019年2月 私物)

コメント一覧

k-74
おとぼけの父上 様
コメントありがとうございます。
>年間120冊とか150冊読むことを目標
すごい数ですね。私も2週間で10冊を目標にしていましたが、最近体力が落ちてしまい3冊程度になってしまいました。
>「みつばの郵便屋さん」シリーズ
ご紹介ありがとうございます。チャレンジしてみます。今後ともよろしくお願いいたします。
おとぼけの父上
おはようございます。
突然のコメントでご無礼致します。
ビブリア古書堂の事件手帖やスープ屋しずくの謎解き朝ごはん、
どちらも素敵な読後感だった本が取り上げられていらっしゃったので、思わずコメントさせていただいています。
私も年間120冊とか150冊読むことを目標に、日々読書に勤しんでおります。
この二つのシリーズが、もし気に入っていらっしゃるのなら、
ひょっとすると「みつばの郵便屋さん」シリーズも気に入っていただけるかもしれません。
あくまでも「かも?」ですが。
作者は小野寺 史宜です。
無理されることはありませんが、もし次何を読もうかと悩む様であれば、騙されたと思って読んでみてください。
だまされた!と思われるかもしれませんが。
また訪問させていただきます。
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