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2001年のアメリカ映画。「羊たちの沈黙」の続編。監督はリドリー・スコット。ブレード・ランナーと同じ監督。出演はアンソニー・ホプキンス、ジュリアン・ムーア。
この映画で食事の場面はというのもはばかられるが、一番お気に入りの場面は最後の飛行機の中。手首を自ら切り落としたアンソニー・ホプキンスは持ち込んだランチボックスを開く。ディーン&デルーカのランチボックス(原作ではフォション製。登場する場面も異なる)。彼にとって機内食など食事の内に入っていない。自前で持ち込む。
この場面で話題になるのは横の席の子供に持参したランチボックスの何を食べさせていたのかだが、私はデザートの薄緑色の葡萄の小さな房と無花果が気に入っている。片手で紙でできたランチボックスの蓋を開くとデザートとして薄緑色の葡萄の小さな房と無花果が見える。子供の時に母が作ってくれた弁当を思い出す。この二つが入っていたことがあったから。あのころは妙なものを入れるなとしか思っていなかったけど、この映画を観て母はしゃれていて良いものを食べさせてくれていたんだなと思ったりする。このランチボックスが忘れてしまっていたその時の記憶をよみがえらせてくれた。この映画に感謝。
母親に当時の弁当の中身の件を話しても忘れていて、そんなものを入れていたかと恐縮するだけ。たまたま自家製(実家は兼業農家)のものがあっただけということで、しゃれているわけでもなかった。
映画の話しに戻す。「無花果と葡萄」の組み合わせは意味深で、一説によると『イチジクは葡萄とともに酒神ディオニソスの持物であり男根の神プリアポスの持物であったためエロティックな連想と結びつきやすかった。中世の解釈では「罪を犯す」を意味するラテン語peccareは「イチジク」を意味するヘブライ語のpagと語源的に関連があるとみなされていた(http://www.karakusamon.com/egypt/itijiku.html)』とのこと。「無花果と葡萄」の組み合わせから性と罪を想像するのは私の勘ぐりすぎだろうか。
(2014年7月)
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