1993年6月20日 新装版印刷
1993年6月26日 新装版発行
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著者(1908年1月1日~1997年6月)は航空評論家、エッセイスト。東京大学工学部航空学科卒。日本楽器でプロペラの設計を行う。1941年技術導入の交渉のためドイツに渡るが第二次世界大戦開戦のため、1943年11月までドイツに滞在した。戦後、気象庁から東大、日大の教授を歴任。
読んでいて何か古臭さを感じる。1993年に発行された本であるからそんなに昔というわけでもないのだが・・・新装版印刷というのが気になった。もっと古い時期の本なのかもしれない。
この本の内容の一部はメカニックマガジンに連載された「マン・アンド・マシン」からの引用とある。いつ頃の連載なのかがよく分からない。文章の内容から推測できるものがないかと調べたらあった。フジカ・オート7QDという懐かしいカメラのことが書いてある。ドイツの今のカメラが日本のそれとどう劣るか、ドイツはどうしなければならないかということの比較対象としてミノックスと並べている箇所があった。当然日本側は最新式だろうから、このフジカ・オート7QDの発売時期を調べれば良いだろう。
http://www.asahi-net.or.jp/~RD2H-ARI/FU_AUTO7QD.htm レンズ: フジノン38mm F2、8(4群4枚) シャッター: プログラム電子(1/8~1/500),セルフタイマー シンクロ: ストロボ内蔵 ファインダー: アルバタ式ブライトフレーム 焦点調節: AF,フォーカスメモリー、ビームセンサー付き 露光調節: Cds使用完全EE フィルム送り: 自動巻き上げ、自動巻き戻し フィルター: 寸法: 137、5×79、5×60mm 重量: 390g 発売: 1984(昭和59)年3月 価格: 49800円 |
推測するに約20年ほど前のドイツについてが書かれていることになる。ならば書かれている内容が少々古臭さくても納得がいく。
P55にあの有名な、有名だったという方がいいかもしれないが、ドイツの鉄道車両のドアのことが書いてある。ドアを開けるとステップを覆っていた蓋が開くというメカニズムを一本の結合棒で実現しているというもの。
道具となっているのだが、実際はカメラ・ドア・インテリア・・・といったものの記事が続く。その巧みさ実直さ、不器用さからドイツ人の感性を思うのだ。
本の最後に「ドイツで発明発見された物は少ないが、ドイツで完成されなかった物もまた少ない」と書いてある箇所がある。物まねが得意だと揶揄されることが多い、そして自身もそう思っている日本人としては、ああドイツもそうなのだと何かホッとする。そういう生き方もあるんだと嬉しくなる。
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