Nanの備忘録

大学時代の先輩のBLOGを見て始めました。内容は備忘録と日記ですな。

脳はなにかと言い訳する

2007年10月23日 18時19分03秒 | 読書
面白かった本の紹介です。

  脳はなにかと言い訳する 池谷裕二

最新の脳科学を分かりやすく解説した本です。衝撃的な実験が書かれていたので2つ紹介します。


■実験No.1
意志が生まれて実際に行動を起こすまでを調べた実験です。実験は簡単で、好きなときにボタンを押すだけです。このときの脳波をモニターして脳の活動を調べる実験になります。

事前の予想では次のような順番になるだろうと考えられていました。
  (1)ボタンを押す意志が生まれる
  (2)手を動かす脳部位(運動前野)が活動する
  (3)ボタンを押す

ところが実験の結果は違いました。
  (1)手を動かす脳部位(運動前野)が活動する
  (2)ボタンを押す意志が生まれる
  (3)ボタンを押す

なんとボタンを押すと思うよりも前に運動前野が活動を始めているのです!
早いときは1秒も前に運動前野が準備を始めているそうです。

自分の意志でボタンを押したつもりになっているだけで実は違うようです。科学的な見地として、人間に自由意思はおそらくないだろうと書かれてました。


■実験No.2
ヒルを使って意志決定のメカニズムを調べた実験です。

シャーレの底にいるヒルの体を棒でつつくと、つつき方が同じなのに逃げ方が「泳いで逃げる」と「シャーレの底を這って逃げる」の2通りあるそうです。で、その逃げ方の意思決定をどうやっているのか神経細胞をしらみつぶしに調べたそうです。

結果、208番という神経細胞が決定していました。そして分かった事は、その神経細胞の細胞膜に電気がたくさん溜まっている時につつかれると「泳いで逃げる」。逆に電気があまり溜まっていない時につつかれると「シャーレの底を這って逃げた」のです。

つまり刺激がきた時に、たまたま神経細胞がどんな状態だったかによって行動が決まっていたのです!


■自由否定
我々には自由意志がなく、色々な意志や感情が自然に沸いてきます。それだと色々と困ったことが起きるのですが、そうならない仕組みもあります。それが自由否定です。

例えば彼女や奥さんの手料理がマズイと思ったとします。それは自然に脳が発してくるので止めようがありません。それをそのまま口に出せば、相手を傷つけてしまったり、もう手料理を作ってくれなくなったり、相手によってはグーで殴られることもあります。

ですので我々は常識や社会通念などに照らし合わせて、それをすぐに口には出しません。自然に生まれた意志を行動に移さないのです。つまり、自由意志はないけれど、自由否定はできるわけです。

我々は自由否定ができるのでグーで殴られることがないのです。安心してくださいw


■あわせて読みたい(Amazon風にw
  ・進化しすぎた脳 池谷裕二
  ・記憶力を強くする 池谷裕二

私の文章は端折って書いているので読みにくいですが、池谷さんの本は読みやすいです。予備知識なしでも読めるので、上記の話に興味がある方は読んでみてください。

今回紹介した本は3冊全てOGA先輩から贈ってもらったものです。OGA先輩に感謝!



■参考リンク:
  ・池谷裕二のホームページ

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1 コメント

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おもしろそう (BOGNOX)
2007-10-23 23:08:11
面白そうですね^^

「MIND HACKS」という本も
簡単な実験の仕方や確かめ方が載っているのでお奨めですよ。
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