チェックインを済ませた後、日本語を勉強中のマーシーと言う、チョー怪しいイエメン人がイエメン近郊ツアーに行かないかと誘ってきた。
まぁ、安宿ではよくあることで、安宿それ自体では大して儲けにはならないので、ツアーやアクティビティスポーツなどの代理店も兼ねていることが多い。
一般的に決まって値段は高くて、内容はあまりよくない。
値段は100ドルで高いしけど、今回は時間もないし、効率的に色々見てみたいので、参加することにした。
日程は明日の朝6時から夕方6時まで。
メンバーはドライバーとマーシーと僕一人。
おっさん3人の12時間のドライブ。
や、やっぱり辞めようかな。。。
イエメンという国は危険なのか、それとも政府が権力をアピールしたいのか不明だけど、ある一定のポイントに検問があり、外国人が違う街に移動するにはパーミッションという許可証がないと、通行許可が下りない。
ツアーに参加してもそれは必要。
僕は100ドルも払っているので、当然マーシーが代行してくれると思っていたのに、代行すると3日かかるし、簡単だから自分で行った方が早いよって言ってくる。
まぁ、ウソだと思うけど、パーミッションを発行してくれるツーリストポリスの場所だけ聞いて、散歩がてらに自分で行くことにした。
外を歩いてみると、イエメン建築ってスッゲーカッコいい!
中東はヨルダン、シリア、UAEにしか行ったことがないけど、他の国と全然違う。
建物も高いし、窓枠を白で縁取ってあったりして、センスいい!
途中、少し旧市街を通ったけど、狭い道に高い住宅が立ち並んでて、いかにも摩天楼って感じがする。
外の気温は25度。
日差しが強いからTシャツ1枚でも、少し歩くとかなりの暑さを感じる。
でも、旧市街の通路は高い建物に囲まれているので、日陰になっていてかなり涼しいオアシスだ。
その通路を歩いていると、摩天楼を作った理由は賊から守る為もあるだろうけど、日陰のオアシスを作る為でもあったんじゃないかなっと思えてくる。
そのオアシスを近所のガキが遊んでいたり、オヤジ達が座って話をしていたり、眼だけをだして、あとは全身真っ黒な服を着たイスラムの女性が、井戸端会議をしていたりする。
何でもない光景だけど、外国人の僕には何かしら感じるものがある。
イエメンに来て改めて思った事だけど、イスラム教徒は旅行者にはすごく親切。
シリアのように道を歩いていただけで、知らない人に「今から家に来ませんか?シャイをご馳走します」って事はなかったけど、「どこから来たの?日本?ようこそイエメンへ」っとか、「アリガトウ!」とか言ってくれる。
まぁ、5回に一回は「ニーハオ!」って言われるけど、そんなときにでも、普通に「ニーハオ」って自然に返したくなる。
ツーリストポリスに着いて、書類とパスポートを出して椅子に座って発行してくれるのを待っていると、担当の人がなんか聞いてきた。
全然聞き取れなかったので、「この人訛りひどいなぁ」っと思ってよく聞いてみると完全なアラビア語だった。
マジっすか!
ここツーリストポリスなのに・・・
僕の知っているアラビア語は「シュクラン(ありがとう)」と「マルハバ(こんにちは)」、「アッラー(神)」、「ジハード(聖戦)」の4つだけだぞ。
これだけで文章作れって言われても「こんにちは神。ありがとう聖戦」っていう変な文章にしかならねーぞ。
つーか、ヘタしたら捕まるかもしれないし。
僕が「う~ん」、とか「あ~」とか言って考えている間もずっとアラビア語でなんか言ってきている。
もうマジ何にもわかんなくて、どうしようもなかったからイエメン地図広げて、指を刺しながら日本語で「オレ アシタ ココ ココ ココ イク OK?」って聞くと「OK!」。
え?わかったの?まじで?
まぁ、わかってなくてもOKならいいや。
ラッキーと思うのもつかの間、彼はさらにまたなんか聞いてきた。
そんなことを繰り返していると、だんだんマーシーに腹が立ってきた。
これだと3日どころか、一生無理じゃねぇかよ!マーシー!
そんな無理な空気を察したのか、彼はどこかに電話をした。
もしかして、英語が話せる人なのか?っと期待を持ちつつ待っていると、電話を渡された。
僕は待ってましたとばかりに勢いよく「ハロー!」って出ると相手はいきなり「タクシー?」。
え?
びっくりして黙っていると、もう一度「タクシー?」って聞いてきたので、とりあえず「イ、イエス」って答えると、「OK」って・・・
彼に電話を返すと彼は少し話をして、電話を切った後、何かを書き始めて、書類が完成してしまった。
なんかよくわからないけど、出来ちゃった。
こんなんでいいのかな???
まぁ、確かに3日はかからなかったよ。マーシー。

上の写真のオヤジいいキャラしているでしょ?
眼鏡のズレ方といい、笑い方といい。
僕のこの保存しているファイルのタイトルは魔法使いです。
この魔法使いは、PCを立ち上げるだびに、この「グー」をしてくれています。

この子達はスラムの子供達。
左と真ん中の子は女の子なんだけど、真ん中の子はなぜか坊主。
こちらはi podの壁紙にしています。