昔々、あるところに暇で暇で毎日テレビばかり見ている一人の青年がいました。
彼はある時こんなニュースを見ました。
それは北朝鮮のナショナルチームが、タイに国際試合をしに行ったという内容でした。
その中でリポーターが帰国間際の選手にこんな質問をしていました。
リ 「試合お疲れ様でスムニダ。ところでタイの料理はどうでしたイムニか?」
選 「美味しくなかったイムニダ」
リ 「そうなんですイムニか?なんで美味しくなかったのですイムニか?」
選 「辛くないからラゴハムニダ。辛いのサランヘヨ」
それを見た青年はこう思いました。
「へー、美味しいか美味しくないかの基準は辛さなんだ~。理解できねーな。」
それから時は過ぎ、青年は加齢臭漂わせる寸前のおっさんになっていました。
おっさんは中国来ること十数回、東北料理、客家料理、広東料理、四川料理、湖南料理、上海料理などなど、数多くの料理を食べ歩き、今では自分で鳥の手やアヒルの喉の骨を買って部屋でムシャムシャ食べるようになりました。
中でも一番のお気に入りは湖南料理。
日本では馴染みが浅い料理ですが、中国では四川料理と並び、辛い料理の代表の料理です。
そんな彼は、今日広東料理を食べていてこう思いました。
「この料理辛くなくて美味しくねーや」