伊達 純のヒロシマ日記

反戦・反核・反基地などの平和運動、反原発運動、反貧困運動、グローバリゼーションの問題などについてヒロシマから発信する

中山成彬国土交通相辞任

2008年09月28日 11時31分46秒 | 政治
 中山成彬は以下の記事で、「日教組を解体しないといかんと思っている。(日教組を)ぶっ壊す運動をしたい」「日教組は教育のがんだと思っている」と発言したとある。また25日に「日教組が強いところは学力が低い」と発言したことについては「撤回はしていない」と発言したということだ。

中山国交相「辞職する考えないが、しがみつくつもりもない」(読売新聞 - 09月27日 15:41)
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20080927-OYT1T00460.htm

 中山は、三里塚闘争「ごね得」、「日本人は単一民族」、そして「日教組が強いところは学力が低い」という3つの問題発言をしている。そのうち三里塚闘争「ごね得」については既に日記で書いているので、ここでは触れない。

中山成彬国土交通相の三里塚闘争「ごね得」発言糾弾!
http://blog.goo.ne.jp/jundandy_2007/e/8141ca07d4b4a3de1f715aaac1c91d54

「日本人=単一民族」発言については、アイヌの人々の民族としての誇りが尊重される社会の実現を目的とする「アイヌ文化振興法」が1997年に制定されたにもかかわらず、なされたものであることが問題である。

アイヌ文化の振興並びにアイヌの伝統等に関する知識の普及及び啓発に関する法律(アイヌ文化振興法)
http://law.e-gov.go.jp/htmldata/H09/H09HO052.html

 この法律でアイヌ民族は、日本国内の一少数民族であることが認められた。「日本人=単一民族」言説は否定されたのである。しかも「アイヌ文化振興法」は国土交通省に関わる法律である。中山は担当大臣としてあるまじき発言をしたと言ってよい。

 日本も批准している国際人権規約のB規約第27条には、「種族的、宗教的又は言語的少数民族が存在する国において、当該少数民族に属する者は、その集団の他の構成員とともに自己の文化を享有し、自己の宗教を信仰しかつ実践し又は自己の言語を使用する権利を否定されない」ということも書かれているのである。

市民的及び政治的権利に関する国際規約(B規約)
http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/kiyaku/2c_004.html

 もうひとつ。中山の日教組がらみの発言については、前回の日記には書かなかった。大分の教員汚職事件は、日教組が教育委員会と癒着しているが故に起きたことではないかと感じていたからだ。昨日ある人が、「日教組が日本が左傾化させたと言う人たちがいるが、日本は左傾化どころか右傾化しているではないか。そして日本を右傾化させたのが日教組ではないか」と言っていたが、まさしく同感である。

「成田反対ゴネ得」「日本は単一民族」 中山国交相「誤解招く」と撤回
(産経新聞 9月26日)

http://sankei.jp.msn.com/politics/situation/080926/stt0809261253015-n1.htm


 その上でしかし、中山の「日教組を解体しないといかんと思っている。(日教組を)ぶっ壊す運動をしたい」という発言は、やはり問題である。集会・結社の自由を定めた日本国憲法第21条、そして労働者の団結権を定めた同第28条に反しているからである。また、この点でも国務大臣、国会議員などの公務員の憲法遵守義務を定めた憲法第99条に反しており、中山は国務大臣の適格性に欠けることになる。

日本国憲法
http://www.houko.com/00/01/S21/000.HTM

↓以下の記事では、日教組の組織率が5割以上の秋田は小6の全科目が1位、中3もすべて上位3位、組織率が9割近くで全国トップの福井は中3の3科目が1位、逆に 小6、中3の全科目で最下位だった沖縄の組織率は4割弱、中3の全科目で下から2番目だった高知の組織率は1割未満であり、中山の「日教組の強いところは学力が低い」という説には相関関係があるとは言えないことが指摘されている。

「日教組強いと学力低い」中山説、調べてみれば相関なし(朝日新聞 2008年9月27日)
http://www.asahi.com/edu/news/TKY200809260383.html

 また、この記事では、中山の「日教組の強いところは学力が低い」という発言に対して中学校長や教育長が「短絡的だしピンぼけだ。だいいち日教組にそんな力はないのではないか」「日教組にどんな恨みがあるか知らないが、個人的な思いを国政に反映させるのはとんでもない」などと言っていることが書かれている。

 中山は「失言というか舌足らずというか、言葉狩りに遭わないように気をつけないといけない」と語ったとされているが、そういう問題ではないだろう。

 ともあれ中山は国土交通相を辞任した。当然のことである。しかしこのようなことは麻生内閣、そして自民党が、一般民衆の生活からかけ離れたところで政治を行なっていることから起きるものであり、これからも起きうることだと思う。引き続き自民党政治に“NO!”の声をあげて行かなければならない。

<中山国交相>28日辞任 就任から5日 問題発言責任取り(毎日新聞 - 09月27日)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080927-00000021-maip-pol


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