そもそも国別対抗のスポーツで自国である日本の代表チームを応援することをよしとしない人間である上に、岡田監督の指揮するサッカー日本代表チームが親善試合であまりにも弱かったので、全くと言っていいくらい期待していなかった。それがカメルーンに勝ってしまったのだから面白い。
本田の取った1点は、派手さこそない、当たり前に普通に決めたものではあったが、それだけに凄いと思った。
また松井の上げたセンタリングに対してカメルーンのディフェンス陣がボールウォッチャーになってしまったことに加え、大久保がデコイ(おとり)となっていたため、相手ディフェンス陣の裏にポジショニングした本田が完全にノーマークになっていた。
カメルーンのディフェンス陣がボールウォッチャーになってしまいがちであるという指摘は試合前から何度かされていて、私も知ってはいたけれども、それを突いた岡田監督の指揮する日本代表チームの作戦勝ちであり、忠実に実行した本田、松井、大久保といった選手たちの勝利だと思う。まさにGIANT KILLINGと言っていい。
1996年のアトランタ・オリンピックでも日本は1-0でブラジルを破るというGIANT KILLINGを起こしている。この試合、左サイドから路木龍次がゴールキーパーとディフェンスラインの間を目がけてセンタリングを上げた。それに対しブラジルのセンターバックのアウダイールとゴールキーパーのジーダが交錯してしまい、こぼれ球を伊東輝悦がゴールに押し込んであげた1点が決勝点となった。
この試合は「マイアミの奇跡」と言われる(ブラジルにとっては「マイアミの屈辱」)。しかし実際には、後にサンフレッチェ広島の監督となった小野剛が徹底的にブラジル代表チームを分析し、発見した弱点を突いた結果の勝利だったとも言われている。その弱点とは、ゴールキーパーのジーダとセンターバックのアウダイールの連携が悪いことに加え、もうひとりのセンターバックのロナウドは右サイド(相手チームにとっては左サイド)からのセンタリングに対してボールウォッチャーになるという癖があることだった。だから左サイドの路木にゴールキーパーと2人のセンターバックの間の三角形を目がけてセンタリングを上げさせたのだ。
サッカーで“GIANT KILLING”が起こりやすい原因として、足でボールを扱う競技という特性から点が入りにくいということもあるのだろうが、縦105m×横68mという広いフィールドで、11人対11人で行なう競技だということもあるように思う。例えば攻撃の人数を増やして前がかりにする、中盤(ミッドフィールド)に5~6人を配して厚くする、逆に中盤を省略してディフェンダーからフォワードへロングボールを放り込む等、広いフィールドのどこにどう人数を配置するか、どういうコンセプトのサッカーをするか、言い換えるとどう特化するかがそのチームのつよさになるのがサッカーという球技のような気がする。
2002年の日韓ワールドカップの際にトルシエ監督の指揮した日本代表チームは、サッカーのコンセプトがはっきりしている、特化しているが故のつよさがあったように思う(もちろん日韓ワールドカップには、開催国である日本は自動的に予選を通過出来たということもあったのかもしれないが)。
しかし逆に、サッカーのコンセプトをはっきりする、特化するということは、弱さにもなる。例えばディフェンスラインを高く上げ、数的優位をつくり出すというゾーンプレスは、高いディフェンスラインの裏に広大なスペースが出来てしまうという弱点を持つ。つまりディフェンダーが中盤を省略して、ロングボールをフォワードへ放り込むというサッカーには弱い。こういったところもサッカーにGIANT KILLINGが起こりやすい原因となっているのではないか。
また勝つため、成功するためには方針、コンセプトをはっきりし、特化すること、つよさがそのまま弱さにもなるということは、別にサッカーに限ったことではないということも言えると思う。
さて、ワールドカップ南アフリカ大会の予選、次のオランダとの試合でも日本代表チームはGIANT KILLINGを起こせるか?
本田の取った1点は、派手さこそない、当たり前に普通に決めたものではあったが、それだけに凄いと思った。
また松井の上げたセンタリングに対してカメルーンのディフェンス陣がボールウォッチャーになってしまったことに加え、大久保がデコイ(おとり)となっていたため、相手ディフェンス陣の裏にポジショニングした本田が完全にノーマークになっていた。
カメルーンのディフェンス陣がボールウォッチャーになってしまいがちであるという指摘は試合前から何度かされていて、私も知ってはいたけれども、それを突いた岡田監督の指揮する日本代表チームの作戦勝ちであり、忠実に実行した本田、松井、大久保といった選手たちの勝利だと思う。まさにGIANT KILLINGと言っていい。
1996年のアトランタ・オリンピックでも日本は1-0でブラジルを破るというGIANT KILLINGを起こしている。この試合、左サイドから路木龍次がゴールキーパーとディフェンスラインの間を目がけてセンタリングを上げた。それに対しブラジルのセンターバックのアウダイールとゴールキーパーのジーダが交錯してしまい、こぼれ球を伊東輝悦がゴールに押し込んであげた1点が決勝点となった。
この試合は「マイアミの奇跡」と言われる(ブラジルにとっては「マイアミの屈辱」)。しかし実際には、後にサンフレッチェ広島の監督となった小野剛が徹底的にブラジル代表チームを分析し、発見した弱点を突いた結果の勝利だったとも言われている。その弱点とは、ゴールキーパーのジーダとセンターバックのアウダイールの連携が悪いことに加え、もうひとりのセンターバックのロナウドは右サイド(相手チームにとっては左サイド)からのセンタリングに対してボールウォッチャーになるという癖があることだった。だから左サイドの路木にゴールキーパーと2人のセンターバックの間の三角形を目がけてセンタリングを上げさせたのだ。
サッカーで“GIANT KILLING”が起こりやすい原因として、足でボールを扱う競技という特性から点が入りにくいということもあるのだろうが、縦105m×横68mという広いフィールドで、11人対11人で行なう競技だということもあるように思う。例えば攻撃の人数を増やして前がかりにする、中盤(ミッドフィールド)に5~6人を配して厚くする、逆に中盤を省略してディフェンダーからフォワードへロングボールを放り込む等、広いフィールドのどこにどう人数を配置するか、どういうコンセプトのサッカーをするか、言い換えるとどう特化するかがそのチームのつよさになるのがサッカーという球技のような気がする。
2002年の日韓ワールドカップの際にトルシエ監督の指揮した日本代表チームは、サッカーのコンセプトがはっきりしている、特化しているが故のつよさがあったように思う(もちろん日韓ワールドカップには、開催国である日本は自動的に予選を通過出来たということもあったのかもしれないが)。
しかし逆に、サッカーのコンセプトをはっきりする、特化するということは、弱さにもなる。例えばディフェンスラインを高く上げ、数的優位をつくり出すというゾーンプレスは、高いディフェンスラインの裏に広大なスペースが出来てしまうという弱点を持つ。つまりディフェンダーが中盤を省略して、ロングボールをフォワードへ放り込むというサッカーには弱い。こういったところもサッカーにGIANT KILLINGが起こりやすい原因となっているのではないか。
また勝つため、成功するためには方針、コンセプトをはっきりし、特化すること、つよさがそのまま弱さにもなるということは、別にサッカーに限ったことではないということも言えると思う。
さて、ワールドカップ南アフリカ大会の予選、次のオランダとの試合でも日本代表チームはGIANT KILLINGを起こせるか?