去る2月8日(土)に行なわれた岩国基地の強化に反対する「瀬戸内海の静かな環境を守る住民ネットワーク(瀬戸内ネット)」の第13回総会&設立12周年記念講演会で採択されたアピールです。
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2020年2月8日
アピール
私たち瀬戸内海の静かな環境を守る住民ネットワーク(瀬戸内ネット)は結成以来、厚木基地米空母艦載機部隊の移駐など岩国基地の強化に反対してきた。しかし2018年に空母艦載機部隊の移駐は完了してしまった。それから2年近くが経過し、岩国市での米軍機の爆音による苦情件数、そして爆音の回数は過去最多を更新している。
昨年11月には、岩国基地の海兵隊機のパイロットが飛行中に操縦桿の手放し、読書、ひげを整えながらの自撮りをするなど安全を無視した規則違反をしていたこと、薬物の乱用やアルコールの過剰摂取といった職業倫理にもとる実例があったこと、特に2018年12月に高知県沖で起きたKC-130空中給油機とFA-18Dホーネット戦闘攻撃機との空中衝突・墜落事故では、乗員2人の尿から睡眠導入剤の成分が検出され、飛行任務には不適格だった可能性のあることが米軍の第1海兵航空団の報告書に記されていることが報道された。このような状態で私たちの頭上を米軍機が飛行していることに恐怖と怒りを禁じえない。
危惧していた米兵・軍属による犯罪や事件・事故も起きている。昨年6月には岩国基地の米兵が、自動車を窃盗、酒酔い運転をし、事故を起こすという事件があった。私たち瀬戸内ネットも、これに抗議した。米兵は在宅で起訴されたが、これは珍しいことだとされている。多くの米兵・軍属による犯罪や事件・事故は起訴されないのである。そこには不公平な日米地位協定の問題がある。
地元住民をだまして建設された愛宕山米軍住宅についても、到底納得できるようなものではない。また愛宕山運動施設(愛宕スポーツコンプレックス)についても岩国市と米軍が締結した協定書が公開されていないという問題がある。同様の事例である日米共同使用の神奈川県逗子市の自然公園では、協定書は公開されているのである。情報公開の点で問題があると同時に、米軍優先で、市民が自由に使えるものではないという疑いをぬぐい去ることは出来ていないと言わざるをえない。
岩国基地による被害は岩国市だけのことではない。周防大島町でも岩国基地の米軍機による爆音の回数と、それに対する苦情件数は過去最多を記録している。また周防大島町、和木町、柳井市など山口県内の自治体のみならず県境を越えた広島県でも米軍機による爆音の件数は増加している。岩国基地の米軍機による被害は中国地方や四国地方にまで及んでいるのである。
沖縄では、決して少なくない人たちが名護市辺野古の基地建設に粘り強く反対し続け、国は進捗率7割としているが、埋め立てに必要な土砂の総量の1.1%しか投入されていないという指摘があるほどに工事を食い止めている。やはり私たちが拠って立つべきは、軍事力では平和をつくることは出来ないということ、どれだけ少数であろうと不正に対しては闘い続けることにある筈だ。
私たち瀬戸内ネットは、愛宕山米軍住宅や米軍機の爆音の問題に取り組む岩国の地元の人たち、米軍機の爆音などの被害に脅かされている中・四国地方の人たち、基地県である神奈川や沖縄の人たち、そして不正に抗し続ける人たちと地域を越えてつながり、力を合わせ、基地強化に反対し、不公平な日米地位協定の改定を求め続けて行くことをあらためて誓う。
瀬戸内ネット第13回総会&設立12周年記念講演会参加者一同
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2020年2月8日
アピール
私たち瀬戸内海の静かな環境を守る住民ネットワーク(瀬戸内ネット)は結成以来、厚木基地米空母艦載機部隊の移駐など岩国基地の強化に反対してきた。しかし2018年に空母艦載機部隊の移駐は完了してしまった。それから2年近くが経過し、岩国市での米軍機の爆音による苦情件数、そして爆音の回数は過去最多を更新している。
昨年11月には、岩国基地の海兵隊機のパイロットが飛行中に操縦桿の手放し、読書、ひげを整えながらの自撮りをするなど安全を無視した規則違反をしていたこと、薬物の乱用やアルコールの過剰摂取といった職業倫理にもとる実例があったこと、特に2018年12月に高知県沖で起きたKC-130空中給油機とFA-18Dホーネット戦闘攻撃機との空中衝突・墜落事故では、乗員2人の尿から睡眠導入剤の成分が検出され、飛行任務には不適格だった可能性のあることが米軍の第1海兵航空団の報告書に記されていることが報道された。このような状態で私たちの頭上を米軍機が飛行していることに恐怖と怒りを禁じえない。
危惧していた米兵・軍属による犯罪や事件・事故も起きている。昨年6月には岩国基地の米兵が、自動車を窃盗、酒酔い運転をし、事故を起こすという事件があった。私たち瀬戸内ネットも、これに抗議した。米兵は在宅で起訴されたが、これは珍しいことだとされている。多くの米兵・軍属による犯罪や事件・事故は起訴されないのである。そこには不公平な日米地位協定の問題がある。
地元住民をだまして建設された愛宕山米軍住宅についても、到底納得できるようなものではない。また愛宕山運動施設(愛宕スポーツコンプレックス)についても岩国市と米軍が締結した協定書が公開されていないという問題がある。同様の事例である日米共同使用の神奈川県逗子市の自然公園では、協定書は公開されているのである。情報公開の点で問題があると同時に、米軍優先で、市民が自由に使えるものではないという疑いをぬぐい去ることは出来ていないと言わざるをえない。
岩国基地による被害は岩国市だけのことではない。周防大島町でも岩国基地の米軍機による爆音の回数と、それに対する苦情件数は過去最多を記録している。また周防大島町、和木町、柳井市など山口県内の自治体のみならず県境を越えた広島県でも米軍機による爆音の件数は増加している。岩国基地の米軍機による被害は中国地方や四国地方にまで及んでいるのである。
沖縄では、決して少なくない人たちが名護市辺野古の基地建設に粘り強く反対し続け、国は進捗率7割としているが、埋め立てに必要な土砂の総量の1.1%しか投入されていないという指摘があるほどに工事を食い止めている。やはり私たちが拠って立つべきは、軍事力では平和をつくることは出来ないということ、どれだけ少数であろうと不正に対しては闘い続けることにある筈だ。
私たち瀬戸内ネットは、愛宕山米軍住宅や米軍機の爆音の問題に取り組む岩国の地元の人たち、米軍機の爆音などの被害に脅かされている中・四国地方の人たち、基地県である神奈川や沖縄の人たち、そして不正に抗し続ける人たちと地域を越えてつながり、力を合わせ、基地強化に反対し、不公平な日米地位協定の改定を求め続けて行くことをあらためて誓う。
瀬戸内ネット第13回総会&設立12周年記念講演会参加者一同