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SDGS 持続可能な社会づくりの為の自転車の役割

2018年01月13日 10時10分05秒 | 気がついた事
持続可能(サステナブル)な社会づくりの為の自転車の役割

第二次世界大戦が終結した1945年当時は25億人だった世界人口。現在は3倍の76億人まで増加した。さらに50年後には100億人を突破すると言われている。もし、地球温暖化が原因で異常気象が発生し農作物に被害が出れば、食糧の需要と供給の世界的なバランスが崩れる。物価が高騰するだけでなく食糧危機が必ず発生する。一方、日本の将来人口の推移予想をみると高齢化と少子化傾向が継続しており15歳以上65歳未満の生産人口は右肩下がりで減少していく。地方では過疎化の動きもとまらず、車の普及で郊外化が広がり、市街地の空白化が進んでいる。市街地より郊外人口が増加するドーナツ化現象が進み、道路、上下水道など整備や維持に膨大なコストの発生で財政負担が大きくなっている。いずれは税収不足による赤字財政に耐えられず、消失する地方都市も出てくるのは明白だ。
これら地方都市の財政負担軽減化策として、国はある程度の人口がまとまって居住する集約型の都市構造(コンパクトシティ)の概念を急速に普及させようと計画している。市街地のスケールを小さく保ち、歩いてゆける範囲を生活圏と捉え、コミュニティの再生や住みやすいまちづくりを目指している。交通体系では自動車よりバスや電車等の公共交通の利用促進、従来の交通政策では無視に近い状態だった自転車にスポットを当てているのが特徴である。地方自治体がコンパクトシティを進めるのには、減収する地方税の増収の狙いもある。自転車を活用したまちづくりの再構築に挑戦している町が増えることを期待したい。
従来、自転車利用促進に関するメリットとして、地球環境への負荷低減や、公害防止など、どちらかと言えば公共側が受容するメリットが主流だった。しかし、今後、自転車利用の促進活動において国民的な支持を求めるなら、利用者である個人のメリットをまとめて施設整備や交通施策に反映させることが重要だ。特に、自転車利用者が享受する長所として、健康増進効果、自動車から自転車に代替することによる経済的な効果、あるいは自転車利用による時間節約のメリットもある。
自転車利用促進を計画する上で、自転車を都市交通の主要な1つとしてクローズアップするのか、単なる補助的交通手段として捉えるのかという位置づけが日本では全く不透明だ。欧米における自転車の位置付けは日本より高く、自転車が一つの交通手段として明確に位置付けられている。未だに解決されていない基本的な事項として自転車の走行空間が車道なのか歩道なのか曖昧な点はまさに行政の怠慢と言われても仕方のない現実だ。近年、大気汚染と地球温暖化等の環境問題がクローズアップされている。持続可能な社会づくりの為の環境政策として、海外ではガソリン車やディーゼル車の廃止を国の政策として打ち出している。オランダは2025年までに廃止。ノールウェイやインドなどは2030年まで。2040年を目標としているのは欧州のイギリスやフランス。多くの自動車はガソリン、軽油などを燃焼させ、走行中に大量のガスを排出する。そのガスの中に人や生活環境等に悪い影響を及ぼす様々な物質が含まれているが健康被害を起こす正確な数値を一般国民が知る機会はほとんどない。具体的数値は公表もされていないのが現状だ。特に、最近は、車の排気ガスに含まれる窒素酸化物や粒子状物質(PM)による大気汚染も問題となっている。これら目に見えない大気汚染物質が人体に与える影響と言えば、粘膜や呼吸器系(鼻や喉)に刺激を与え、気管支炎、肺水腫などを引き起こす原因になると言われている。
最近は日本でもシェアサイクル関連のニュースが増えてきた。画期的で便利な仕組みのような紹介記事が多いが、本当にそうだろうか。従来からあるレンタサイクルは、自転車を借りた場所に自転車を返却するという単純な仕組みで管理経費も多くは掛からない。しかし、シェアサイクルはスマホを利用して最寄りの空き自転車を探し申し込み、遠隔操作でタイヤのロックをはずし、利用する。返却する場合も最寄りのシェアサイクルステーションに戻せば良いとなっているので、利便性は高く見えるが、レンタサイクルでは発生しない経費と手間が増加する。どんな経費が発生するかと言えば、借りた自転車を他のステーションに返却すると、ステーション間の配置台数に偏りが出てくる。利用したくでも自転車が無いステーションが発生する。一定間隔で配置台数のバランスをとる為の再配置が必要になる。まとまった台数の自転車をトラックで再配置させる横持ち費用や各ステーションに配置された自転車の整備(ブルーキ性能やチェーンの緩み、タイヤの空気圧チェック、電動アシストならバッテリーの充電も必要)に時間と手間が掛かる。利用範囲が広範囲になればなるほど、管理効率が悪化し、安全性確保が難しくなり整備不良の自転車が出てくる可能性が高くなる。やはり、鉄道駅を中心としたレンタサイクルが望ましいのではないかと思われる。

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