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*** june typhoon tokyo ***

JAMOSA 『One』

Jamosa_one10歳でマイケル・ジャクソン来日公演に際し、キッズ・コーラスとして参加した経験も持つ、日本人の父、台湾人の母とのハーフの1stアルバム。

Def Tech、m-flo、TERIYAKI BOYZ、SPHERE of INFLUENCE、Miss Mondayなどとの客演で、またミニ・アルバム『REMINISCING』『Standing Strong』によってクラブ・シーンなどではそのクオリティの高さは知られるところとなっていたが、ついに表舞台へメッセージを投げかけることとなった。

メジャー・デビュー・シングル「DREAM」、2nd「SO ADDICTED 247365」の楽曲を中心に、新録曲を含む全10曲。10曲というと、現在においてそれほど多い曲数という印象がないかもしれないが、彼女の人生の新たな旅立ちともいえる楽曲には、巷で言われる“捨て曲”などあるはずもない、まさに身を削って創り上げた渾身の10曲であるといえる。

デビュー・シングル「DREAM」は、軽快なヒップホップ・ソウル調ミッドに、AIのライヴでも知られるDJ HIRAKATSUのスクラッチがスムースに流し込まれるキャッチーなサウンドだが、対照的に詞はシリアス。
「学校ではませた東洋人のガキ」「私を傷つけた言葉『お前が血を流しても俺はお前を救わない』」といった衝撃的な告白のヘヴィなリリックが続くが、それでも自分の力で夢をつかむんだと高らかに歌い上げている。

ノリのよいビート・カットに乗る伸びやかなヴォーカルを披露する2ndシングル「SO ADDICTED 247365」では、「世界中が反対しても2人のためなら戦い続ける」という強固な意志を示している。

ボロボロなMY LIFEを一緒に組み立ててくれたあなただから一緒にいたいと、不器用で不完全な自身を受け止めてくれる寛大な恋人へのスロー・ラブ・ソング「BE WITH U」、母から貰った命を大切に諦めず生きようと歌う、ブルージーな雰囲気も漂うミディアム・スロー「U&ME」など、スローな楽曲においても、彼女の強いメッセージ性は変わらない。

ともすれば、自身をひけらかしてリアルを歌うという行為は、聴き手の第三者からすれば、共感を得られることもあると同時に、いわゆる“痛い”存在としてレッテルを貼られる危険性がある。
本人がいくらリアルだと言えども、それが振る舞いであると見られてしまうのだ。狂信的なリスナーを生むと同時に、マニアックであると揶揄される。

だが、彼女にはその実体験を糧にして生きてきた強さと同時に、支えられて生きてきたという弱さをしっかりと理解してきたことが伝わってくる。
それは、背伸びをしない等身大のリリックと抜群に説得力のある歌唱力によるところが大きい。

メッセンジャーとシンガーという側面をバランスよく渡り歩くフットワークの軽さが、説得力の強さに繋がっているともいえよう。

CORN HEADをフィーチャーした秘めた恋心のうちを綴ったレゲエ調ポップ「言えないよ」、DABO客演の畳み掛けるビート・トラックのループが印象的な「手紙」、JAY'EDの沁み込むような甘いヴォーカルが一層切なさに輪をかけるメロウな「FLY AWAY」。ゲストに臆することなく自身のポリシーを貫き通す姿勢と対応力は、単に若さや勢い、素質などだけではない、ごまかしのない懐の深さと重みが備わっている。

「One」というタイトルは、自身が語るように「この世界で1人しかいない特別な存在と言う事を知ってもらいたい」という彼女の思いが込められている。
その言葉に偽りない、オンリー“One”で、これから珠玉の楽曲を産み落とす最初のステップ“the one step”となりえる名盤だといえよう。

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