*** june typhoon tokyo ***

横浜FC×松本@西が丘

 松本山雅が横浜FCに2発快勝。勝ちなし9月からの切り替えに成功。

 9月に勝利を挙げることが出来なかった松本山雅がひたひたと近づいてきた磐田を尻目に勝ち点3を積み重ね、勝負の残り8節に幸先いいスタートを切った。

 ゲームはいきなり動いた。2分、コーナーキックからのボールを山本がフリックして反らしたボールが犬飼の足下に落ちると、すかさず犬飼が脚を振り抜き一閃。シュートは相手DFに当たってそのままゴールネットを揺らし、アウェイの地で早々に先制点を挙げた。

 その後も左サイドからの崩しで何度も横浜FCゴールに迫るが、なかなかその壁を崩せないでいるなか、30分過ぎにエリア外やや右の位置でFKをゲット。ボールの傍に3人が立ち、サインプレーから1人、2人とボールを跨いだ後、最後の3人目でボールに駆け寄った岩上が右から巻くような中弾道のキックを放つと、これがワンバウンドしてゴール右へと吸い込まれて2対0とした。

 後半も2度ほどバーやクロスに当ててしまう惜しいシュートなど決定的なチャンスを作るが、ダメ押しとまでには至らず。逆にやや横浜FCの時間帯も作られてしまうが、失点寸前で弾き出した犬飼のクリアなど最後までゴールラインを割らせず、そのまま2対0で松本が快勝。10月からのラストスパートに勢いをつける複数得点でのクリーンシートで、貴重な勝ち点3を積み上げた。

 自動昇格圏内の2位をキープし(さらに自称昇格圏を争う磐田が敗れたことで)安堵する向きも多いかもしれないが、それはまだ早いと言わせてもらいたい。なぜならば、今日は横浜FCの出来があまりにも悪すぎたからだ。特に最終ラインの守備がスカスカで、松本に何度も右エリアから攻め込まれていた。この日の横浜FCは前節とは異なり、3-4-2-1のような3バックの布陣で挑んできたのだが、これが不発。それに焦ったのか、前線のパク・ソンホへ長いボールを蹴るという戦術をとってしまい、いわば松本のペースに自ら入り込んでしまったようで、かなりストレスを感じながらプレーしていたように思えた。

 そこで横浜FCは、後半15分過ぎに渡辺匠に代えてFWの黒津を投入すると、最終ラインを4枚に。そのあたりから持ち味である繋ぐサッカーを体現しはじめる。ドウグラスから前半は前目にいてボールがあまりもらえなかった松下年宏にボールが集まるようになると、野上、中島、小池らとのパス&ゴーなどが決まりだし、松本エリア内へ攻め込む回数も増えてきた。松本の山本、船山に疲労が見え始めると、松本の攻撃も淡白なものが増加。残り10分頃に山本に代えてサビアをピッチへ送り出すも、それほど効果的なアクセントにはならず。だが、横浜FCも攻撃のアイディアをあまり持てず、疲労も蓄積されたところで、続けての攻勢をかけられず、そのままタイムアップとなった。

 松本にしてみれば、結果としては勝ち点3という願ってもない勝利。だが、内容は今後を考えると決して点数の差ほど油断出来るものではなかった。今日の横浜FCに対してはターンして相手を交わしてボールを前線へ運ぶなど、思い通りに出来た部分があるかもしれないが、先を見据えた場合、それがそのまま上位やさらにはJ1で体現出来るかというと、それははなはだ疑問ではある。目先の相手に勝つことが至上命題である今はまだ考えるのは早いかもしれないが、現状での満足は要らない。さらに上のスキルを求める、そういう意識を持って戦っていけるならば、自動昇格で終えられるシーズンに一歩近づいたとはいえるだろう。


◇◇◇ 


≪J2 第35節≫

【日時】2014/10/06 13:03
【会場】味の素フィールド西が丘
【観衆】5,335人
【天候】曇
【気温】26.0度
【湿度】37%
【審判】(主審)山本雄大(副審)蒲澤淳一、高橋佳久

【結果】
横浜FC 0(0-2、0-0)2 松本

【得点】
(横):
(松):犬飼(2分)、岩上(31分)


【松本メンバー】

GK 21 村山智彦
DF 13 犬飼智也
DF 02 大久保裕樹
DF 04 飯田真輝
DF 03 田中隼磨
MF 06 岩沼俊介 → MF 27 飯尾竜太朗(90+4分)
MF 15 岩間雄大
MF 08 岩上祐三
MF 11 喜山康平
FW 10 船山貴之 → DF 16 鐡戸裕史(90+1分)
FW 20 山本大貴 → FW 09 サビア(83分)

GK 25 白井裕人
DF 23 多々良敦斗
MF 17 ユン・ソンヨル
MF 34 椎名伸志

監督 反町康治


◇◇◇

















































◇◇◇


 横浜FCの#24、松下年宏。通称“ワンちゃん”。彼はかつて2010年にFC東京で活躍。大熊政権下でなかなか出場機会が得られず、その後期限付き移籍を経て仙台へと移籍。当時フリーキックなどセットプレーのキッカー不足だった東京で、ボランチにサイドハーフ、時にはサイドバックにと頑張ってくれた選手だった。
 今日もその精度の高いパスを随所に見せ、東京の選手としては思うようにいかなかったものの、こうして活躍しているのを見られて、感慨深いものが。

 それと、松本の選手。岩沼、岩間、岩上と“岩”多過ぎ。村山、喜山、船山、山本と“山”多過ぎ。飯田、田中と“田”もある。で、そういう岩、山、田が集まって反“町”っていう町を構成しているのかな、と。(笑)


◇◇◇







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 ちなみに、西が丘での松本山雅の試合は、2010年3月、JFL昇格後初勝利となった横河武蔵野戦(その時の記事はこちら)以来。引き分けかと思われたアディショナルタイム4分、途中出場の地元選手、今井昌太がゴールして勝った試合だった。あれから数年でJ1昇格を狙える位置にいるとは、誰が考えただろうか。

















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