*** june typhoon tokyo ***

近況注意報 0905 音楽篇

 今年、ブラック・ミュージック好きが食指を動かされるアーティストの来日公演が多いと思いませんか。もちろんどれも行きたいのは山々なんですけれど、さまざま事情が重なって(えー、経済的事情が99%を占めますが)止む無く公演を花王パイプスルー、ドライブスルー、既読スルーしちゃってばかりの野球狂。ですどうも。

 ですから、買いたいCDアルバムだって山ほどあるのに、こちらもCDショップやCDストアサイト等を訪れる度にグググッと歯を食いしばりながら、がまん(ポケモンの技ではありません)している訳です。次々と出てくる良質なCDリリースの“こうげき”に耐えて、うけた“ダメージ”を倍にしてかえすというポケモン風の技を覚えられたらいいのですが(そもそも、ポケモン知らないので悪しからず)、そんなことは無理、無理、ムリキなので、そのうち僅か少しでも楽しめたらなぁと最近聴いた&ゲットした音源のなかから一部をご紹介。

 と言ってるラーメン? うどん? いや違った、そばから気になるリリース情報が舞い込んできて頭がパニクルーになりそうな今日この頃稲垣吾郎メンバーですが、そこは気にせずにいきたいと思いマスカット。

 ということで、どんと見据えて!(Don' miss it!)

◇◇◇





















Gordon Chambers/Surrender
Incognito/In Search Of Better Days
Jamie Woon/Making Time
Jeff Bernat/In The Meantime
Jesse Boykins III/Bartholomew(Download/Mixtape)
Kandace Springs/Soul Eyes
Maxwell/black SUMMER'S night
SouLutions/Destiny
Tristan/Lifestyle
Yuna/Chapters

◇◇◇

■Gordon Chambers/Surrender

 ホイットニー・ヒューストンをはじめ、アッシャー、ブランディ、ビヨンセ、アンジー・ストーン、タミアなどR&Bシーンのトップランナーたちに良曲を提供し、近年はNao Yoshiokaへの楽曲提供でも知られてきたグラミー・ソングライター、ゴードン・チェンバースのソロ4作目。レイラ・ハサウェイ、エリック・ロバーソンが客演参加というだけでR&B~ネオソウル好きとしては食指が動くが、ブランディ―『ネヴァー・セイ・ネヴァー』収録の「ワン・ヴォイス」をアレンジを変えた新ヴァージョンもプラス。90年代ミディアムR&Bリスナーはじっくりと浸って聴きたい美メロ・アルバム。

Gordon Chambers - The Diamond Inside



■Incognito/In Search Of Better Days

 親日家のモーリシャス出身仏系英国人、ジャン・ポール・“ブルーイ”・モーニック率いるUKアシッド・ジャズ・バンドの通算17作目のアルバム。一聴してそれと判る安定性に長けたサウンドは金太郎飴的とも捉えられそうだが、勧善懲悪モノにも似た痛快な爽快感は何にも代え難し。“ヴォイス・オブ・インコグニート”ことメイサをはじめ、最近オリジナル・アルバムをリリースしたトニー・モムレル、ヴァネッサ・ヘインズら来日公演でもお馴染みの面子がヴォーカルを彩る。さらにジャミロクワイの元ベーシストのステュアート・ゼンダーや布袋寅泰(!)ら辣腕ミュージシャンも参加。

INCOGNITO - 『In Search Of Better Days』


Incognito Feat. Vula Malinga – Better Days



■Jamie Woon/Making Time

 スコットランドのシンガーのメイ・マッケンナを母に持つジェイミー・ウーンは英のシンガー・ソングライターで、ディスクロージャーやラナ・デル・レイ、バンクスへの作品参加で知られ、英新世代エレクトロニック・ソウルのパイオニアとも評される。2011年の『ミラー・ライティング』から約4年ぶりの2作目では、ダブステップ・シーンの代表格ブリアルことウィリアム・ビヴァンが制作参加。ディアンジェロなどからインスパイアされたらしく、打ち込みからバンド・サウンドへと重心を寄せている。スムースで洗練されたたおやかなソウル・グルーヴで包み込む。

Jamie Woon - Sharpness (Live from Konk Studios)



■Jeff Bernat/In The Meantime

 1989年生まれ、米ネヴァダ州出身のフィリピン系アメリカ人、ジェフ・バーナット。スティーヴィ・ワンダー、ブライアン・マクナイト、ジョーなどをカヴァーした動画や無料配信EPで話題となったネット発のシンガー・ソングライターで、2012年に『ザ・ジェントルマン・アプローチ』でデビュー。テンダーな歌唱によるメロウな楽曲が特徴だが、3作目となる本作『イン・ザ・ミーンタイム』ではエレクトロニック・ソウル的なアプローチにもトライ。韓国では人気のようだが、日本での評価ももっと高くていい。

Jeff Bernat-What'cha Need



■Jesse Boykins III/Bartholomew

 セオフィラス・ロンドンやフォンテ(ザ・フォーリン・エクスチェンジ)が参加した4作目となる傑作『ラヴ・アパラタス』に続くのは、この配信アルバム。ジャズ・エレクトロニック・ソウルのテイストは継承され、濃密なメロウネスで甘美なムードを構築していく。ビラル、ロバート・グラスパーとニューヨークのスクールで出会い、ネオソウル・シーンからデビューしたという経歴にピンとくるリスナーや、ジ・インターネット(実際にシドらが参加)、ミゲルあたりの音色が肌に合う人は必聴。

Jesse Boykins III - Earth Girls


■Kandace Springs/Soul Eyes

 ビリー・ホリデイ、エラ・フィッツジェラルド、ニーナ・シモン、ロバータ・フラック、ノラ・ジョーンズなどに影響を受けた、米テネシー州ナッシュヴィル出身のシンガー・ソングライター/ピアニスト。早速ノラ・ジョーンズ直系やらのキャッチがつけられてブルーノートからのデビュー・アルバム。プリンスから“雪をも解かす(ほどの温かい)歌声”と称賛されたとの逸話も加わり、注目度は抜群。2014年のセルフ・タイトルEPでは多少“やらされた感”もあったが、本作では得意の弾き語りを軸とした落ち着いた作りに。とはいえ、ハートウォームというよりも生命力溢れるエネルギーを内包した感じか。

Kandace Springs - Thought It Would Be Easier


■Maxwell/black SUMMER'S night

 前作『“ブラック”サマーズ・ナイト』から約7年の月日を経てリリースされた『ブラック・サマーズ・ナイト』三部作の第2弾。盟友ホッド・デヴィッドのほか、スチュアート・マシューマン(シャーデー)、ロバート・グラスパー、マーク・コレンバーグらの敏腕が参加し、漆黒のなかに跳ねるようなアクセントを埋め込んだセクシーなグルーヴを全編に漂わせている。マイケル・ジャクソン「レディ・イン・マイ・ライフ」を想起させる「1990x」など、麗しいメロディはもちろん健在。

Maxwell - 1990x



■SouLutions/Destiny

 英北東部タイン・アンド・ウィア州ニューカッスル・アポン・タイン出身のソウル・バンド、ソウリューションズのデビュー作。キャンディ・ステイトン(共演あり)やグラディス・ナイトに影響を受けたルイーズ・メーハン、オージェイズやフィリー・ソウルを特に好むリーダーのスティーヴ・リーを中心に2014年に結成。UKらしいスタイリッシュなソウル・フィーリングはスウィング・アウト・シスターやシャーデーあたりも包含し、気品あるアシッド・ジャズ/ジャズ・ファンク~UKソウル・サウンドといった風。インスト「ペリドット」やタイトル曲「デスティニー」にはAOR的なアプローチも感じられ、避暑アイテムとしても有用なアーバン・ムード・ソウル集。個人的にはフィリー賛歌の「フィリー・ライン」が好み。

SouLutions - Listen (Drizabone Remix)



■Tristan/Lifestyle

 インコグニートのブルーイが絶賛するオランダのソウル・ジャズ・フュージョン・バンド。オランダ版インコグニートと言ってしまえばそれまでだが、ハモンドオルガン、フェンダー・ローズを含む鍵盤陣と流麗なリズム隊によるモダンなファンキー・グルーヴを衒いなく奏でていく姿は清々しいほど。なめらかなイヴリン・カランシーを軸に、ソウルフルなカスパー、スウィートなヘストン、軽妙なフランシスコ・コットンと多彩なヴォーカルで上品でカラフルに彩っている。

Tristan - Admiration



■Yuna/Chapters

 1986年生まれ、マレーシア・クアラルンプール出身の女性シンガー。2010年にマレーシア版グラミーと呼ばれる〈Anugerah Industri Muzik〉で最優秀新人賞や最優秀楽曲賞ほか4部門を受賞し、国内では知られた存在。動画投稿が注目され、2012年にファレル・プロデュースで全米デビュー。その海外デビュー作『ユナ』以来となる海外2作目『チャプターズ』では、「プレイシズ・トゥ・ゴー」にDJプレミア、「クラッシュ」にアッシャー、「ユースト・トゥ・ラヴ・ユー」にジェネイ・アイコをフィーチャーするなど、USコンテンポラリーR&Bを意識した作風にまとめている。

Yuna - Places To Go


◇◇◇














 以上です、キャップ。










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コメント一覧

野球狂。
ありがとうございます!
http://blog.goo.ne.jp/jt_tokyo
たくさんのプレイリストありがとうございました!

周囲に嗜好の合う人があまりいないので、結構好みがかぶってるのがなんだか変な感じもします(笑)。ライヴを観に行ったことのあるアーティストも多いです。

自分も昔よりはだいぶ新譜を追えなくなってきているので、もう少し耳を傾けていかなければなぁと感じました。
Hide Groove
ガラ悪スキンヘッド2号!
野球狂。さん、こんばんは!返信しようと思いながら時間が経ってしまいすみません。ここのところ新譜をあまり購入していないので、移動中によく聴いているプレイリストになりますが…

Too Easy - KYLIE AULDIST
Morning Sun - ROBIN THICE
Deja Vu - EN VOGUE
Set Me Free - LEELA JAMES
BODY - THE FOREIGN EXCHANGE
Excite - AVANT
Strong As Glass - GOAPELE
Set It Off - DAWN ROBINSON
Afraid - AMEL LARRIEUX
Baby Luv - JADE
My Favorrite Thing - RONALD ISLEY ft. KEM
Your Love - OLE BORUD
So In Love - JILL SCOTT ft. ANTHONY HAMILTON
Tonight - JOE
Life - THE EMOTIONS ft. Snoop dogg
Never Really Ever - MAYSA
I've Been Waiting - Incognite
The Greatest - KING
Nobody - Kem
There'll Never Be - SWV

数年前のトラックが多数😓
最近の好みがこんな感じになります!
自分のブログかのように、長々とすみません😁
野球狂。
UKのブラック系は好きですね!
http://blog.goo.ne.jp/jt_tokyo
Hide Grooveさん、お褒めの言葉、恐縮です。

最近は以前に比べてだいぶチェックする時間も少なくなってきてますが、「昔の曲はよかった」だけではなく、今の楽曲にも耳を傾けていきたいという思いはありますね。
分かりやすいキャッチーなのも好きなのですが、今はおっしゃるようにジャジィやらスムースやらメロウやらグルーヴィやら、そういった楽曲を好む傾向にあるみたいです。ですので、ロックは全く聴かなくなりました(これまでもそんなに聴いてきてはいませんが)。あと嗜好の上で重視してるのは、ヴォーカルの声やムードでしょうか。
Hide Grooveさんの最近の一押しなどありましたら、是非教えてください~!
Hide Groove
ガラ悪スキンヘッド2号!
野球狂。さん、こんばんは!
今回のセレクトの中だと、自分は二枚しか聴いてないのですが、張り付けて頂いたトラックを聴いて、今の野球狂。さんの音の方向性らしきものが伝わりますね。
ジャジーでスムース、UK発信のアシッドジャズにも通じる哀愁漂う素敵なトラックが並んでますね👍
野球狂。さんのライナーはアーティストの個性をしっかり捉え、何よりハートが感じられるので信頼感を持って、読むことが出来ますよ!
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