徳元の劇的弾で、内容の乏しい試合から勝ち点3を獲得。
データがすべてではないが、シュート数は湘南の20本に対してFC東京は6本。CK数も湘南の10本に対してFC東京は3本のみ。2分の山田のシュートを野澤大志ブランドンが弾いたのをきっかけに、終始湘南のペースで試合は進行。荒木のFK、カウンターから仲川のシュートなど惜しい場面はあったが、すべて単発で終わる。湘南はアディショナルタイムにルキアンが鈴木雄斗のクロスに合わせてネットを揺らすも、VARが介入し、オンフィールドレビューの結果、福田のハンドで得点は取り消しに。
後半も湘南の好機が続く。49分に左サイドの小野瀬のファーサイドへのクロスを鈴木雄斗が頭で折り返したところ、山田が合わせるが、これはオフサイド。その後も、鈴木雄斗、山田をはじめ、枠内にシュートを打たれ続けるが、FC東京・GK野澤大志ブランドンが好セーヴを連発。松木のオーヴァーヘッドのクリアなどで防戦一方ながらもなんとか持ちこたえる。
この試合、FC東京の唯一のチャンスメイクはカウンター。湘南のハイラインの背後に仲川が抜け出し、ビッグチャンスを迎えるが、自らではなく左サイドから駆け上がった荒木へのパスを選択。これが大きくずれて、ものに出来ない。
このままでは湘南の得点は時間の問題と思われた展開。試合を観ながら、おそらく打開策としては、ディエゴ・オリヴェイラを投入し、まずは落ち着かないボールを一度収める起点を作ること以外はないと思っていたところ、ディエゴ・オリヴェイラと安斎をピッチに投入。それでも試合は落ち着かず、湘南もボールを支配するものの、最後のディテールで精彩を欠き、どっちつかずの消耗戦に。
FC東京は78分に高を原川に、俵積田を徳元にスイッチ。すると、安斎とパスを繋げた中村のペナルティエリア手前中央へのマイナス気味のパスに反応した徳元が、左脚一閃。グラウンダーのミドルシュートがゴール右下へ吸い込まれるように決まり、FC東京が先制。そのまま湘南の反撃を抑えて、FC東京がアウェイで勝ち点3を捥ぎ取った。
戦術や選手起用などさまざま言及する部分はあまりあるだろうが、技術的な面で一つ言うなら、雨が降りスリッピーなピッチであったとはいえ、誰もがきっちり足元でトラップを受けられてないことが、ペースを掴めずに進んだ大きな要因の一つだったのだと思う。大きく跳ねてトラップする間に湘南の選手のプレスを受けて、パスコースを失くして横か後ろへ逃げざるを得ない、あるいはブロックされ、ボールロストする。その繰り返しではリズムも何も生まれない。動き出しも少ないが、動き出したとしても、トラップでロスした僅かな時間でズレが生じるから、イーブンなボールやセカンドボールも、湘南の選手の方へこぼれてしまう。ただ、それで奪ったボールをパスミスでロスしてしまう湘南のクオリティに大いに助けられていたのも事実だ。
内容は、湘南の試合運びやテクニックが抜群に良かったという訳ではないが、まったくの湘南の勝ちゲーム。それでも勝ち点3を引き寄せたのは幸運でしかないが、今後修正をして結果を積み上げられた時に、幸運な勝利だが、チームの転換や勢いに繋がったという後日談にしなければならない。この勝利に浮かれることはないだろうが、なぜこのような試合展開となったのかは、深く突き詰めなければ明日はない。幸運を重ねたことに、相手が残留争いにある湘南だったからこそ。これが上位との相手なら、惨敗もありえた。
まったくシチュエーションは異なるが、徳元がミドルシュートを決めた瞬間、2006年の味スタでの多摩川クラシコの今野の劇的逆転弾を思い出してしまった。後半早々まで、谷口、我那覇、ジュニーニョ、マギヌンに得点を奪われ、ケチョンケチョンにやられていたものの、2点目を返した後に川崎に退場者が出て、一気に流れが変わったあの試合だ。試合終了間際に今野がペナルティエリア外から放ったグラウンダーのシュートがネットに吸い込まれるように決まって、お祭り騒ぎとなったが、後で試合中継を見返した際に、解説の前田治が「だからシュートは打たないとダメなんだ」と発していたが、シュートは打たないと得点は生まれないということを、再認識させられた徳元のスーパーゴラッソだった。そういえば、その時もピッチには雨が降っていた。
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明治安田J1リーグ 第19節
2024年6月22日（土）19:03KO
レモンガススタジアム平塚
入場者数： 11,533人
天候：曇のち雨 ／ 気温：26℃ ／ 湿度：50%
主審：木村博之
副審：西橋 勲、植田文平
第4の審判員：塚越由貴
VAR：御厨貴文
AVAR：中井敏博
湘 南 0（0-0 / 0-1）1 FC東京
（湘）：
（東）：徳元悠平（79分）
〈試合経過〉
68分 交代 東京 仲川輝人 → 安斎颯馬 ／ 荒木遼太郎 → ディエゴ・オリヴェイラ
73分 交代 湘南 山田直輝 → 畑 大雅 ／ 池田昌生 → 鈴木章斗
78分 交代 東京 高 宇洋 → 原川 力 ／ 俵積田晃太 → 徳元悠平
79分 得点 東京 徳元悠平
86分 交代 湘南 小野瀬康介 → 石井久継 ／ 舘 幸希 → 岡本拓也
90+2分 交代 東京 松木玖生 → 白井康介
90+6分 警告 東京 原川 力
【FC東京メンバー】
〈スターティングメンバー〉
ＧＫ 41 野澤大志ブランドン
ＤＦ 02 中村帆高
ＤＦ 03 森重真人
ＤＦ 30 岡 哲平
ＤＦ 05 長友佑都
ＭＦ 07 松木玖生
ＭＦ 08 高 宇洋
ＭＦ 37 小泉 慶
ＦＷ 33 俵積田晃太
ＦＷ 39 仲川輝人
ＦＷ 71 荒木遼太郎
〈控えメンバー〉
ＧＫ 13 波多野豪
ＤＦ 43 徳元悠平
ＤＦ 99 白井康介
ＭＦ 40 原川 力
ＦＷ 38 安斎颯馬
ＦＷ 70 ジャジャ・シルバ
ＦＷ 09 ディエゴ・オリヴェイラ
〈監督〉
ピーター・クラモフスキー
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【明治安田J1リーグ 2024シーズン FC東京試合日程】
第01節 02月24日(土)15:00△FC東京 2-2 Ｃ大阪（Ａ・ヨドコウ）
第02節 03月02日(土)15:00△FC東京 1-1 広 島（Ｈ・味スタ）
第03節 03月09日(土)16:00✕FC東京 1-2 神 戸（Ｈ・味スタ）
第04節 03月16日(土)13:00〇FC東京 3-1 福 岡（Ａ・ベススタ）
第05節 03月30日(土)15:00✕FC東京 0-3 川 崎（Ａ・Ｕ等々力）
第06節 04月03日(水)19:30〇FC東京 2-1 浦 和（Ｈ・国 立）
第07節 04月07日(日)17:00〇FC東京 2-0 鹿 島（Ｈ・国 立）
第08節 04月13日(土)16:00△FC東京 2-2 東京Ｖ（Ａ・味スタ）
第09節 04月21日(日)15:00✕FC東京 1-2 町 田（Ｈ・味スタ）
第10節 04月27日(土)14:00〇FC東京 3-1 新 潟（Ａ・デンカＳ）
第11節 05月03日(金)15:00〇FC東京 2-1 京 都（Ｈ・味スタ）
第12節 05月06日(月)14:00〇FC東京 2-1 札 幌（Ａ・札幌ド）
第13節 05月11日(土)17:00△FC東京 3-3 柏 （Ｈ・味スタ）
第14節 05月15日(水)19:00✕FC東京 1-3 名古屋（Ａ・豊田ス）
第15節 05月19日(日)15:00△FC東京 1-1 横浜FM（Ｈ・味スタ）
第16節 05月26日(日)15:00✕FC東京 0-1 Ｇ大阪（Ｈ・味スタ）
第17節 05月31日(金)19:00〇FC東京 1-0 鳥 栖（Ａ・駅スタ）
第18節 06月16日(日)18:00△FC東京 1-1 磐 田（Ｈ・味スタ）
第19節 06月22日(土)19:00〇FC東京 1-0 湘 南（Ａ・レモンＳ）
第20節 06月26日(水)19:00 FC東京 ✕ 札 幌（Ｈ・味スタ）
第21節 06月30日(日)18:30 FC東京 ✕ 福 岡（Ｈ・味スタ）
第22節 07月06日(土)19:00 FC東京 ✕ 柏 （Ａ・三協Ｆ柏）
第23節 07月13日(土)19:00 FC東京 ✕ 新 潟（Ｈ・国 立）
第24節 07月20日(土)18:00 FC東京 ✕ 鹿 島（Ａ・カシマ）
第25節 08月07日(水)19:00 FC東京 ✕ Ｇ大阪（Ａ・パナスタ）
第26節 08月11日(日)19:00 FC東京 ✕ 川 崎（Ｈ・味スタ）
第27節 08月17日(土)19:00 FC東京 ✕ 東京Ｖ（Ｈ・味スタ）
第28節 08月24日(土)19:00 FC東京 ✕ 京 都（Ａ・サンガＳ）
第29節 08月31日(土)18:30 FC東京 ✕ 広 島（Ａ・Ｅピース）
第30節 09月14日(土)or15日(日) FC東京 ✕ 名古屋（Ｈ・国 立）
第31節 09月21日(土)or22日(日) FC東京 ✕ 浦 和（Ａ・埼 玉）
第32節 09月28日(土)or29日(日) FC東京 ✕ 横浜FM（Ａ・日産ス）
第33節 10月05日(土)or06日(日) FC東京 ✕ 鳥 栖（Ｈ・味スタ）
第34節 10月19日(土)or20日(日) FC東京 ✕ 神 戸（Ａ・ノエスタ）
第35節 11月03日(日) FC東京 ✕ 湘 南（Ｈ・味スタ）
第36節 11月09日(土) FC東京 ✕ 町 田（Ａ・国 立）
第37節 11月30日(土) FC東京 ✕ 磐 田（Ａ・ヤマハ）
第38節 12月08日(日) FC東京 ✕ Ｃ大阪（Ｈ・味スタ）
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