goo blog サービス終了のお知らせ 

A Running Stone Gather no moss

タイトル変えました。iSaonのブログです。

幻の空腹感

2010-03-11 19:19:56 | 食べ物だもの
本日は、会社の健康診断に行ってきました。

太っていた頃は、5年に一度くらいしか受けていなかったのに、痩せはじめてからは、毎年律儀に検診してます。現金だよね、ま、会社がうるさくなった、というのもあるんだけど。

昨夜は、仕事が長引いてしまい、布団に入ったのは3時過ぎ。それなのに、いつもよりも1時間以上も早く起きなくてはいけなかったので、実質睡眠は、3時間を切っていると思う。なんか、朦朧としてます。

しかし、起きて、まず最初にやらなくてはいけないのが、そう、検便。僕は、これが大嫌い(好きな人なんているか?いや、いるか...)。検便のことを考えるだけで、ここ数日、憂鬱でした。

しかも、昨夜、なにげに『検便の手引き』なるものを見て初めて知ったのですが、どうやら、ベンは、検診日から五日以内に二日に分けて、採取しなくてはいけないらしい。

再提出?冗談じゃない。急きょ自分の中で、幹部会議を招集し、2つ分採取して、違う日付を記すことに決定。わかりゃしないって、異論なし。

とにかく大急ぎで、採取をすませ、家を出る。が、埼京線、川越線の車両事故で遅延。この路線は、とにかく脆弱。3日に一回はかならずヘタってる。しかも、こういう時間厳守でなくてはいけない日に限って、ヘタれる。

検診施設は溜池山王なので、渋谷経由で行こうかと思っていたけど、急きょ、王子経由の南北線に変更。

自分のベンを抱えたまま、電車が立ち往生しているのって、精神的によくない。

とにもかくにも、ギリギリ間に合いました(30分以上も余裕をみていてヨカッタ)。

ここは、うちの健康保険組合の専用施設。ビルまるごと、組合が借りていて、検診施設とレストランが入っている。ソフトウェアって、産業的に若いから、健保は裕福。ま、あと10年もすれば、どうなってるかわからんが。

ブルーの検診着に着替えて、順次、検診を行う。

当然、検診と検診の間には、待ち時間が断続的に発生するので、待合室には、様々な雑誌が置いてある。

普段、自分では絶対に買わないであろう雑誌を、こういうところで見るとはなしに、パラパラとめくるのは実に楽しい。

わけても『散歩の達人(浦和・大宮特集)』は、面白かった。僕の知らない、美味しそうな店がたくさん載っていて、結構引き込まれる。

しかし、この検診に備えて、昨夜は8時以降は、飲食禁止、今朝にいたっては、水すらも飲んではいけない、ということで、すでに今朝起きた時点で空腹の極み。

そこにもってきて、こういう体中の全ての消化分泌腺を、だだびらきにしてしまうような記事を読んでいると、もう、悶絶するしかないっしょ。

検診後には、下の和食レストランで、懐石弁当が出されるのだけど、もうなんか、そういう穏便な喰い物では、俺の胃袋が納得してくれそうにない。

ここはひとつ、背油ギトギトラーメンとか、和光のさくさくロースかつ定食(キャベツ3杯お替わり)とかじゃないと、オレの体内の世論を抑えることはできまい。

悶絶のまま、身長(伸びてた!)、体重、視力などなどを測り、暗い密室で女医さんとのめくるめくゼリープレイ(超音波測定ね)を堪能したのち、本日のメインイベント、消化器系の投影検査、バリウムプレイのお時間です。

女医さんに、発砲剤を渡される。

以前、『ゲップを我慢してくださいね』と言われ、はい、と答えるつもりが、

『は、ゲッポッーぃ』と盛大にやらかしてしまった経験があるので、今回は、女医さんの目を見て、無言で小刻みにうなずく。

5分ほど、上下左右、いいようにクルクル回されて、ようやく終了。

よっしゃ!ギトギト、サクサクに突入だ!

おや!さっきまであれほど暴れ狂っていた俺様の消化器官達が、今は、去勢された猫みたいにおとなしくなってる。

さっきまで、鳴門のうず潮のように暴れ、切なく狂おしく、PHのメートルを上げていた俺様の胃液はどうした?

そうか、バリウムか、あんなもの飲まされたら、胃液なんてひとたまりもないよな。

発砲剤もまだ、十分に良い仕事をしていて、空虚な満腹感は募るばかり。

そう言えば、これも毎年、お決まりのパターンだったっけ。

あー、今となっては、あの空腹感が懐かしい。この飽食の世の中では、ちゃんとした空腹感って、結構貴重かも。

なんか、損した気分。

それにしても、これだけ科学が進化しているのに、バリウムを飲まずに、検査ができないものなのだろうか

ていうか『バリウムダイエット』って効きそうじゃない?

疾風の宇都宮餃子

2010-03-02 16:53:45 | 食べ物だもの
日曜日は、電車に乗って、宇都宮まで行ってきました。

第一の目的は、ブレッド&バターの弟さん、岩沢二弓さんのソロアクトが、なぜか宇都宮(しかも2days)であったので、それを観に。

また、せっかく宇都宮に行くなら、ねぇ、あれでしょ、ってことで餃子も堪能してまいりました。

餃子はね、大好きだったんだけど、ここんとこ、どこで食べてもうまくない。行った店が悪いのか、自分の記憶が美化され過ぎているのかわからないけど、餃子の本場と言われる宇都宮で食べて、ダメなら、諦めもつくでしょう。

昼飯を抜いて、2時半ごろに宇都宮に到着。

一応、ネットで、地図を仕込んでおいたので、まずは、一番の有名店『みんみん』と『正嗣』などがある宮島町エリアへ向かいました。

昼飯を抜いてあるので、店までの道のりがやけに長く感じられます。

で、店についてみると、どちらも、長蛇の列。覚悟はしていたんだけど、この空腹でこの行列はつらい。ということで、もうちょっと、人気のなさそうなところで腹ごしらえをしてから再度、挑戦しようと思い、別の店を探しました。

しかし、時間が中途半端なため、すでに昼の部を終えてしまっている店も多く、結局30分ほど歩きまわったあげく、もとのところに戻りました。

何やってんだか、俺。

それでも『みんみん』よりは、行列の短い『シンフー』という店に狙いをつけて、並びました。

しかし、待ち人数が、わずか5人程度なのにもかかわらず、一向に順番が回ってこない。20分以上は待ったと思う。

ようやく、店の中に入れてもらえると、なるほど、ホールには中国系の中年女性がひとりいるだけで、この人が注文から運搬、支払い、後片付けを一手にやっています。

そのため、席は空いていても、片付けが間に合わなかったりして、なかなか人が捌けない様子。

人手不足なのか、単なるケチなのか知らないけど、いずれにせよ、早急になんとかしないと、このおばちゃんが壊れるか、客が愛想を尽かすか、もしくはその両方で、この店はダメになるような気がする。

それでも、さらに10分程で、着席できました。

僕は、一人だったので、当然の相席なのですが、同じテーブルに座ったのは、20代半ばごろのお兄ちゃん二人組。

この二人、見かけはチャラいのだけど、人はとても良さそうで『相席させてもらってすみません』と何度も僕に謝る。

相席させてるのは、店の人なんだから、謝られても困るんだけど。とりあえず、スマイル。

それから『俺たち、うるさくってすみません』とも謝る。うん、そうだね、ちょっとうるさいよ君たち。パチンコの話とか、携帯の話とか、バリバリの栃木訛りで大声でしゃべられると、気が散って、本が読めない。

ところが、そのうち、片方の男の子が、突然、

『あぁー、今日、六本木までぇ帰れるかなぁ?』(語尾を上げて読んでください)

と、聞えよがしに呟く。すると、もう一人が、

『タカシさぁん、新宿までは送ってくださいよぉ』(語尾を上げて読んでください)

と突っ込みをいれる。

それまでの二人の会話は、全部わかっているけど、この会話はいかにも唐突。もしかして、この二人、東京の人の振りをしてるの?(見栄?)

そのあと最初の方が

『おめ、六本木だったらぁ、銀座の方がちけぇんじゃねぇの』(語尾を上げて読んでください)

と、ひそひそ声でダメ出しをする。間違いない、僕に対して、見栄を張りたいらしい。

思わず噴き出しそうになったけど、必至にこらえる。ようやく生ビール(紙コップ)と焼餃子、水餃子が到着。

餃子は、焼きが弱いのか、焦げ目が白い。でも、キャベツとニラを中心した具は、ジューシーで、甘く、熱い。

水餃子にするには、皮が薄いので、食べるのには苦労するけど、味そのものは悪くない。
ただ、30分近くも待ってまで食べたいものではありません。

そのうち、相席の二人にも餃子が届く、ものすごい量が運ばれてくるけど、これには当人たちも面食らったようで、どっちが多く注文したとか、はやくも責任のなすりあいが始まる。

しかも、今度は明らかに餃子が焼き過ぎ。真っ黒です。

『コゲタ、ゴメン、ネ』

中国人の店員さんが、さして、すまなくなさそうに呟いて、逃げ去ります。どうも、焼きにも問題がある店らしいです。

しばらくすると、後輩らしい方が、携帯画面を相手に見せて、

『オレっすね、今日、10km、走ったんすよ、キロ4分半っすよ、すげぇっしょ』(くどいようですが、語尾を上げて読んでください)

『えっ?オメ、なぁに、考えてんだ、バカじゃねーの』(同上)

『いやぁ、オレ、4月の「かすみがうらマラソン」でっから』(上げてね)

驚いた。『かすみがうら』は、僕も登録している大会。ホント、マラソンブームは、こんなところまで押し寄せているんだね。

ふと気がつくと、3時半を回っている。ライブの開場は4:30なので、もう一軒回れるかどうか。

(自称)六本木在住の栃木訛りの青年よ、霞ヶ浦で会おう、と心で呟き、次の店へ急いだ私なのであった(つづく、きっと)


追憶の白菜漬け

2010-02-24 20:19:03 | 食べ物だもの
正月、実家に帰ったら、義母が白菜の漬物をくれた。
こういうとき、年寄りは容赦がないから、びっくりするくらいの量を持たせようとする。

実に小さなバケツ一杯くらいの白菜漬けをもらってしまった。

我が家は、あまり漬物を食べない。嫌いなのではなくて、食べる習慣がないのだ。たまにスーパーでキュウリや、野沢菜のつけものを購入しても、ほとんどの場合、食べきれずに捨ててしまう。

そんなところに、バケツ一杯の白菜漬け。貰ったその場で、捨てる手間を想像してしまった。

しかし、何日か経って、酒のつまみに、何の気なしに食べてみると、これがうまい。

外側の葉脈の部分はしっとりしてきているが、中心部の若葉の部分はシャキシャキしていて、驚くほどに甘い。

冬が寒かったからか、今年の白菜は、例外なく甘い。

慌てて、白いご飯を用意する。醤油をちょびっとつけて、葉脈のない葉の部分をご飯に巻いて食べてみる。

冷たい白菜と、あったかいご飯が混じり合う。シャキシャキの葉っぱと、粘り気のあるご飯のテクスチャの対比がたまらない。

塩気と甘みと、微かな酸味。鼻から抜ける炊きたてのコメの芳香。うーん、うまい。

そう言えば、子供の頃から、この白菜で巻いたご飯が大好きだったっけ。

『ほーら、お寿司だよ』とか、言ってさ。

でも白菜漬けなんて、あまりに身近過ぎて、好きだとか、嫌いだとか意識したこともない。

何が食べたい?ときかれて、ハンバーグ、ラーメン、と答えることはあっても、白菜漬け、とは言わないもん、すっかり忘れていた、この味。

そう言えば、年末になると、両親が何株かまとめて買ってきて、白菜漬け、つくってたな。

台所に新聞紙を広げて塩を振って、あれは父親の仕事だったような気がする。

正月の間だけ、柚子の皮を刻んでのせてたりしてね。

そうそう、味の素を振ったりしたな。化学調味料を直喰いするなんて、馬鹿にする人もいるかもしれないけど、これがミもフタもなくうまかった。

白菜に、グルタミンソーダに負けないだけの力強さがあったからこそのうまみなのだよ。胸をはっていい。

それからというものの、夕食はもちろん、弁当にも、酒のつまみにも白菜漬けが欠かせないようになりました。

お弁当には、おかず箱の半分くらい、ぎっしり入れて。どっちが主食だからわからないくらい、ザクザク食べた。

ざくりと切った白菜には厚くて固い葉脈の部分から、中心部の白くて柔らかい若葉の部分まで、味と歯触りのグラデーションが楽しめる。

昔は、中心の若い葉のところが大好きで、そこばかり選んで食べていたけど、いやいやどうして、一面真っ白の葉脈の部分も、歯応えがあってよろしい。

バケツ一杯の白菜は、みるみるうちになくなって、それでも、どうにも食い足りない。

しかし、スーパーの白菜漬けはうまくない。なんで、市販の白菜漬けは、進歩しないんだろうね、それほどの高度なノウハウが必要とも思えないんだけど。

やはり、買って食うもんじゃないのかな。

ということで、自分で漬けてみました。

ねじ式で重りを変えられる小さい漬物器を買って、一株の8分の1くらいの白菜に塩を振って、冷蔵庫で漬け込んでみました。

想像以上に水が出て、気がついたら、野菜室が水浸しになってしまったけど、何とか漬けあがりました。

しかし、まずくはないけど、なんか、コクがないというか、奥行きのない味。

何が足りないのだろう?と考えてみたら、そうだ、家で白菜を漬けていたときには、漬け込む前に、白菜を干していたんだ。

ああ、だから白菜が新聞紙の上に並べられていたんだね。


ネギの品格

2009-01-19 19:23:06 | 食べ物だもの
ある日、神様が枕元に降り立って、

「今後、一切の野菜をこの世からなくしてしまおうと思う。だが、仮に、一つだけ残せるとしたら、お前なら何を選ぶ?」

だれもが一度は、こんな夢を見たことがあるはずだ(あるよね?あるもん、うん)。

僕だったら、迷わず『ネギ、ネギでごぜえますだ』と即答するね。

それくらい、ネギは僕の生活にはなくてはならない。袋入りの即席ラーメンは言うに及ばず、僕は、カップラーメンを食べるときにも、かならずネギを刻んで入れる。どんなに時間がないときもだ。

ていうか、ネギを入れる時間もないくらいなら、カップラーメンなんか、食べるな、と言いたい。

万能ネギを細かく刻んで、醤油と削り節を混ぜて、熱々のご飯にまぶし、ガツガツとかっこむ至福の一瞬は、なにものにも代えがたい。

最近ハマっているのが、長ネギを短冊に切って、ゴマ油で炒めて、醤油をたらした一品。ビールに合い、日本酒、芋焼酎に合い、何よりも、白いご飯に合う。たっぷりの七味唐辛子を忘れずに。

同じく長ネギを3センチ程度にぶつ切りして、竹串を通して、塩コショー。これをオーブントースターでこんがりするまで炙る。要するに、焼き鳥のネギ間の『間なし』なんだけど、これを食べると、いったい、これまで自分が食べてきた焼き鳥はなんだったんだろうと、愕然とする。

鶏なしで、十分甘く、コクがある。いったい、あの鶏肉は、なんの役にたっていたというのか、仕事してないじゃん!

親も奥さんも友達も、いつかはこの世を去る日が来る。それは仕方がない。でも、ネギだけは、たとえ僕が夜空の星になっても、この世にありつづけて欲しいと思う。

最近の立ち食いそば屋は、とても洗練されていて、茹でたて、揚げたては、当たり前で、出汁もちゃんととってあって、昔のような、醤油の味しかしない、というところは少なくなっている。

特に『小諸そば』なんて、その辺の、座り食いの蕎麦屋なんか、裸足で逃げ出すくらい本格的な香り高いそばを、驚異的な値段(ざるそば、210円!)で提供してくれる。

しかし、その小諸をもってしても、いかんともしがたいことがある。

薬味のネギが厚い。

もちろんそれでも、その辺の志の低い立ち食いから比べると、薄いが、普通の座り食いの蕎麦屋に比べると、やはり、その分厚さが目立つ。

蕎麦の薬味ネギは、糸のように薄く、シャキシャキであって欲しい。蕎麦屋に入って、とりあえず、ネギが薄いと、それだけで大抵のことは許せるような気がする。

蕎麦屋の品格は、ネギの薄さにでるようだ。

麻生総理とアーモンドチョコ

2008-12-09 20:12:43 | 食べ物だもの
麻生総理の支持率が大変なことになっているらしい。

失言とか、漢字の読み間違えとか、いろいろと失点はあるんだろうけど、そもそも、彼のつまずきの始まりは、連夜のホテルのバー通いに対する非難からだ。

別に、ホテルのバーくらい、誰だって行くし、赤坂の料亭のほうがずっと、世間離れしてると思うけど、庶民はそれを許さなかった。

しかし、彼の本当の失策はこの後のフォローにある。庶民派をアピールしようと、学生と居酒屋へ、これ見よがしに繰り出し、『ホッケの煮付け』を食べた、とのたまった一件だ。

ホッケは塩焼きだろうが、と突っ込まれ、あげくの果てに、一緒にいた学生が実は、自民党のサクラだっということもバレ、目を覆いたくなるくらいのグズグズの展開となった。

残念である。自民党には世耕弘成という、優秀な広報の専門家がいるのにかかわらず、なんたる失態。

なぜ、一言私に相談をしてくれなかったのだろう。

私だったら、麻生さんを居酒屋なんかに行かせたりしない。

そもそも『居酒屋=庶民派』という発想が下衆、イメージが貧困、頭髪が薄い、足が臭い。

麻生さんは、ホテルのバーでいいんです。葉巻をくゆらせ、シングルモルトを満喫して結構なんです。

ただし、ここで、彼にあるものを食べさせる。それは、チョコレート。それもアーモンドチョコレートでなくてはいけない。

麻生さんが、アーモンドチョコレートのチョコレートの部分を丁寧に口の中でこそげ落とし、アーモンドだけの状態になったところで口から取り出し、にんまりとしながら、アーモンドの渋皮のひだまで、丁寧に観察した後、おもむろに口中へ放り込み、ゆっくりと咀嚼する。

『これが、うめえんだよな』

と破顔一笑。これだ。

これで彼の好感度は赤丸急上昇、直ちに、総選挙を敢行すれば、公明党の力を借りるまでもなく、自民党は絶対安定多数を手に入れること間違いない。

逆に、昔のCMのように、包み紙を開けるや、そのまま、カリッと音を立て、

『カリッと青春』

などど三浦友和なことをやったら、世間は許さない。国会は空転、追い込まれて内閣総辞職、総選挙にも大敗し、自民党は下野を余儀なくされるだろう。

アーモンドチョコをチョコとアーモンドで二度楽しむ。これが庶民の知恵だ、密やかな楽しみだなのだ。

できれば、明治のアーモンドチョコのように粒タイプのものより、グリコの板チョコタイプのほうが望ましい。

まず、周囲の板状の部分を細かく食いちぎる。このときのドキドキ感が楽しい。粒タイプにはない愉悦。それに、粒タイプは、アーモンドとチョコのバランスが悪い。

だったら、チョコレートとアーモンドを別個で買ったらいいじゃん、などどと言うやつがいたら、表へ出ろ。そういう奴は、枝豆も食うな!

アーモンドチョコのチョコは、単なるチョコレートにあらず。さっきまで、アーモンドと同棲していたチョコだ。

しっかりと抱き合っていた二人を無理やりに引き離し、相手の男(アーモンド)の目の前で、ちびちびと舐めるように、口の中で溶かしてやるのだ、ヒッヒッヒー(どうした俺?)。

さらに市販のアーモンドは、ほとんどが塩味なのに対して、アーモンドチョコのアーモンドは、香ばしくローストしてある上に、甘いコーティングが施されている。

この甘いアーモンドが愛おしい(やばい、こいつ男だったっけ)。

エロティックで、サディスティックで、なおかつ安価。ホテルのバーのVIPルームで、一国の首相がこんなことをしていたら、カワイイと思うでしょう。思うよね。うん、思うよ、思うって、よーし、素直でよい子だ。

私は『アーモンドチョコレートのアーモンド剥いちゃいました』なんて商品は、断じて許さない(ないけど)。