先月末に、石垣島へ行ってきました(微妙に時間が経っています)。
今回もまたマラソン、第11回石垣島マラソンです。昨年、クラブの何人かが参加して楽しかったというので、今年はのこのこついていくことにしました。
南の島の大会では、何といっても12月の那覇マラソンが有名だけど、これは、つくばマラソンの翌週なのでパス。石垣島も、東京マラソンを考えると、ちょっと苦しいところですが、幸い今年も東京マラソンには落選したので、なんの憂いもなく、石垣島へ参戦できました。
石垣島は初めてです。宿泊先は、仲間のS女史が定宿にしている民宿。素泊まり一泊3,000円という(本土では)破格の金額で3泊ほどさせていただくことになりました。
しかし、この民宿が濃ゆかった。着いたその日からきつい洗礼を浴びることになりました。
その民宿はサンゴ礁で有名な白保海岸の近くにあり、一階が食堂と商店で、二階が民宿になっています。
鉄製の階段を上って、ベランダのようなところから家に入ると、そこはかなり広めの居間です。炬燵があって、食堂テーブルがあって、食堂テーブルの上には、お徳用のアース蚊取り線香の缶が無造作におかれ、テレビの横には、裸電球が煌々とともる水槽の中に、4羽のひよ子(!)が無邪気にえさをついばんでいます。
そしてその横には、鎌首をもたげたハブ!(えっ!!)と思ったら、なんだ、ハブを模した紙細工じゃん。
「びっくりしました、ハブかと思いました」
と、炬燵に寝転がっている先客らしき男性に言うと。
「あー、それね、それはオモチャですよ。本物は、ほら、あっち」
と部屋のすみを指差すではありませんか。
再びギョっとしてそちらに目をやると(忙しい)、あ、いました。ガラス瓶の中でとぐろを巻いているハブ君が。なるほどハブ酒だったのね。
ここでようやく気を取り直し、お互いに軽く挨拶(ハブとではなく)。そして再度、居間を見渡してみます。
うーん、なんなんでしょう、ここは。どう好意的にみても自分の親戚の家か、もしくは誰かの親戚の家にしか見えません。
特に散らかっていたり、極端に不衛生ではないのだけれど、そこには、その家の住人以外の人間を迎え入れるという(商業宿泊施設としては不可欠の)発想というか、配慮のようなものが致命的に欠落しているのです。
誰かに良く見られたいという気持ちはおろか、誰もが持っているであろう、自分の気持ちをアゲるためのちょっとした工夫みたいなものも皆無です。
とりあえず荷物を自分の部屋へ運び、午前中からシュノーケルの予定を入れていたので、一階に下りていきました。すると、レジにいた無駄に人懐っこそうなオジサンが、
「あ、サンダル持ってます?」
と尋ねるので、いいえ、と答えると、
「じゃ、今用意しますね」
と言って、いきなり自分が履いていた(かなりくたびれた)サンダルを脱いで、僕に差し出してくれました。
脱ぎ捨てられたサンダルと、オジサンの顔を一秒ずつ交互に眺めた結果、ようやく僕が理解できたのは、これは、ウケを狙った冗談などではなく、素朴で荒削りな彼の好意(らしい)ということでした。
未開の部族に酒をすすめられた新米の探検家のような気分で、僕はサンダルに素足を滑り込ませました。そのレジにいたオジサンは、実は店の従業員ではなく、僕らと同じ宿泊客だった、という事実を知るのはもう少し後の話です。
到着してからまだ30分も経ってません。とりあえず、海へ行ってきます(つづく、たぶん)。
今回もまたマラソン、第11回石垣島マラソンです。昨年、クラブの何人かが参加して楽しかったというので、今年はのこのこついていくことにしました。
南の島の大会では、何といっても12月の那覇マラソンが有名だけど、これは、つくばマラソンの翌週なのでパス。石垣島も、東京マラソンを考えると、ちょっと苦しいところですが、幸い今年も東京マラソンには落選したので、なんの憂いもなく、石垣島へ参戦できました。
石垣島は初めてです。宿泊先は、仲間のS女史が定宿にしている民宿。素泊まり一泊3,000円という(本土では)破格の金額で3泊ほどさせていただくことになりました。
しかし、この民宿が濃ゆかった。着いたその日からきつい洗礼を浴びることになりました。
その民宿はサンゴ礁で有名な白保海岸の近くにあり、一階が食堂と商店で、二階が民宿になっています。
鉄製の階段を上って、ベランダのようなところから家に入ると、そこはかなり広めの居間です。炬燵があって、食堂テーブルがあって、食堂テーブルの上には、お徳用のアース蚊取り線香の缶が無造作におかれ、テレビの横には、裸電球が煌々とともる水槽の中に、4羽のひよ子(!)が無邪気にえさをついばんでいます。
そしてその横には、鎌首をもたげたハブ!(えっ!!)と思ったら、なんだ、ハブを模した紙細工じゃん。
「びっくりしました、ハブかと思いました」
と、炬燵に寝転がっている先客らしき男性に言うと。
「あー、それね、それはオモチャですよ。本物は、ほら、あっち」
と部屋のすみを指差すではありませんか。
再びギョっとしてそちらに目をやると(忙しい)、あ、いました。ガラス瓶の中でとぐろを巻いているハブ君が。なるほどハブ酒だったのね。
ここでようやく気を取り直し、お互いに軽く挨拶(ハブとではなく)。そして再度、居間を見渡してみます。
うーん、なんなんでしょう、ここは。どう好意的にみても自分の親戚の家か、もしくは誰かの親戚の家にしか見えません。
特に散らかっていたり、極端に不衛生ではないのだけれど、そこには、その家の住人以外の人間を迎え入れるという(商業宿泊施設としては不可欠の)発想というか、配慮のようなものが致命的に欠落しているのです。
誰かに良く見られたいという気持ちはおろか、誰もが持っているであろう、自分の気持ちをアゲるためのちょっとした工夫みたいなものも皆無です。
とりあえず荷物を自分の部屋へ運び、午前中からシュノーケルの予定を入れていたので、一階に下りていきました。すると、レジにいた無駄に人懐っこそうなオジサンが、
「あ、サンダル持ってます?」
と尋ねるので、いいえ、と答えると、
「じゃ、今用意しますね」
と言って、いきなり自分が履いていた(かなりくたびれた)サンダルを脱いで、僕に差し出してくれました。
脱ぎ捨てられたサンダルと、オジサンの顔を一秒ずつ交互に眺めた結果、ようやく僕が理解できたのは、これは、ウケを狙った冗談などではなく、素朴で荒削りな彼の好意(らしい)ということでした。
未開の部族に酒をすすめられた新米の探検家のような気分で、僕はサンダルに素足を滑り込ませました。そのレジにいたオジサンは、実は店の従業員ではなく、僕らと同じ宿泊客だった、という事実を知るのはもう少し後の話です。
到着してからまだ30分も経ってません。とりあえず、海へ行ってきます(つづく、たぶん)。