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A Running Stone Gather no moss

タイトル変えました。iSaonのブログです。

調理実習と、モダンな暮らし

2007-09-27 23:17:56 | 食べ物だもの
学校グルメといえば(ほら、もう食い物の話に戻っている)、給食と相場が決まってますが、学校で食べるものは、給食だけとは限りません。

そう、調理実習を忘れていませんかってんですよ(妙に気負っているぞ、オレ)。

好きだったなぁ、調理実習。だって、授業中に堂々とメシが食えるんだもん。あの前掛け、マスク、白帽子姿は、男子にとってはイタかったけどね。

小学校の調理実習で扱う料理は、基本的に一般家庭で食べられているようなもの、ということだったんだろうけど、実際、我々が家で食べているようなメニューに比べると、ちょっとだけ洋風が入っているというか、妙に、『こしゃまっくれた』ものが多かったような気がする。

たとえば、ドレッシングなんて作ったの初めてだったもん。買ってくるもんだと思ってなかった?ドレッシングなんてさ。

サラダ油と酢と塩、胡椒だけ。サラダ自体もキュウリとキャベツだけのシンプルなものだったけど、なぜかこれがうまい。サラダなんて、小学生男子が旨いと思うようなもんじゃないはずなのに。

ホウレンソウだって、お浸しなんかにはしない。バターソテーだぜぃ!しかも、ゆで卵の輪切りをこう、皿の縁に並べてさ、シャレてるだろ。

タマゴはもちろん半熟。『ゆで卵』っていうのはこういうのを言うんだよね。普段、うちや、遠足で食べてるのは『うで卵』だ、うで。

ジャガイモだって、煮っ転がしたりしない。『粉ふきイモ』だ。そういうものがある、っていうのは噂には聞いたことがあるけど、あまりお目にかかったことはなかったような気がする。

あれは、文部省の方針だったんだろうか。これからの日本の家庭料理とはかくあるべき、みたいな考えがあったんだろうか。けっ。

子供は、そんなこと知らないから、あー、よそんちでは、こういうものを食ってんだ、うちは下卑な家なんだ、うちが一ヶ月で空にするキッコーマンの瓶入り卓上醤油なんか、きっと一年くらいもつんだろうな。なんて、自分の親を呪ったりしたもんです。

調理実習で覚えた料理は、よく家で作って、家族にふるまったりしたけど、オヤジなんか、人が手間隙かけた、ホウレンソウのバターソテーを

「うん、うめー」

といいながら、ドボドボ醤油かけやがってよー、家出してやろうかと思ったよ。

♪じゅーにのよぉーるぅ~

当時、僕は男子だったから(今もそうだけど)、調理実習は小学校までで、中学校からは家庭科の代わりに『技術』になる。これが寂しかった。転校しようかと真剣に悩んだ(ウソ)。


『給食当番』なんて、給食メニューを専門に食べさせる店もあるんだから、『調理実習』専門店があってもいいような気がする。

西麻布で豚肉を

2007-09-20 19:47:03 | 食べ物だもの
昨夜は、業界のお友達との久しぶりに会って、ご飯を食べました。

場所は、西麻布。六本木ヒルズの近くにある、豚料理の専門店でした。

『とことんとん』
http://www.tontokoton.jp/

この店、上州豚にこだわり、わざわざ安中市の契約畜産農家から、直で、豚肉を仕入れていること。お友達が見つけて、予約を入れてくれたのです。

まずは、お通し代わりのメンチカツ。チーズが入っていて、上品な味なんだけど、豚肉だから、しっかり、肉屋さんのメンチの味がする。デミグラソースよりも、中濃ソースが似合う。

お次は、串焼き。僕は、ハラミとレバーを注文。

よく、何人かで串焼きを頼むと、串から中身をはずして皿の上におく人がいるけど、あれは勘弁してほしい。

全員に行き渡るように、いろいろな種類が楽しめるようにっていう配慮は嬉しいけど、串からはずした焼き鳥は、もはや焼き鳥ではなく。焼き鳥の残骸でしかない。

ハラミは、強めの塩が振ってあって、シミジミうまい。でも、驚いたのはレバー。豚なので、鶏や牛のようにトローリとレアーというわけにはいかないので、しっかりと火が通してある。

しかし、この火を通したレバーが旨い。噛み締めるとジュワッと肉汁があふれ、口中を奔流する。塩気と、コク味と微かな酸味。

やはり、肉の醍醐味は、噛み締めてほとばしる肉汁にある。お口でとろける、お箸で切れちゃうお肉もいいけど、やっぱ、ある程度の噛み応えがないと、つまらない。
まじめに働いていた、内臓の味がする。

お次は、本日のメイン、しゃぶしゃぶ。

誰がなんと言おうと、しゃぶしゃぶは豚に限る。コラーゲンボールなる脂の塊が溶けたところで、まずはロースの薄切りをしゃぶしゃぶ。

紅葉おろしのポン酢に浸すと、縮んでビロビロになった、脂身に、ポン酢が絡んで、いい感じ。

あー、うまい!

酒は、生ビールから、吉乃宝山のロックに。豚肉と芋焼酎ってなんでこんなに相性がいいんだろう。口の中の脂は、キリリと冷えた宝山が洗い流し、ライチのような後口が、次の肉を誘う。ダメだ、とまらん。

二枚目は、三枚肉という名の二枚肉。脂が多い。

甘い。肉の中では、豚肉の脂身が一番甘い。この甘さは、人間をダメにする。悪い男に貢ぐ、女の気持ちがわかったような気がする。

3杯目の宝山の底が見えるころになると、そろそろ帰りの時間が気になり始める。

よし、〆は、冷麺だ。

誰だ、罰あたりなことを言い出すヤツは、オレだ。

盛岡風の冷麺到着。ハサミで麺をジョキジョキ、ジョキ。こうしておかないと、麺が飲みこみきれなくて、悲惨な目にあう、冷麺がビビン麺になってしまったら、シャレになんない。

ウメー!!! 殺せー。さー殺せ。

麺も旨いが、スープが凄い。なんなんだ、この旨味は。
キムチを入れて、赤く染まった冷たいスープが、焼酎と大声で疲弊した喉に沁みこむ。

そういえば、今、イスラム教徒はラマダン(断食)の真っ最中。
そうじゃなくても、彼らにとって、豚肉はご法度中のご法度。

オレは、死んでも、イスラム教徒にはならないぞ。


『くちびる』、その苦悩と恍惚について

2007-09-18 12:56:40 | 食べ物だもの
先日、ラーメンを食べているときに、重大なことを発見してしまった。

麺類を食べるときには、ほとんどの場合、『くちびる』を使っている。

なんじゃ、それ、って思うかもしれないけど、他の食べ物で唇を使うものってある?ないでしょ。

ご飯にしても、パンにしても、唇とは無関係に採取できる。スープは、若干、使っている気もするけど、なきゃあないで、なんとかなる。スプーンですくって流し込めばいい。

しかし、ひも状になっている食べ物を、すすりこむときには、唇がないと、どうしようもない。ウソだと思ったら、やってごらんなさい。熱いラーメンなら、きっと火傷するはず。

そう、熱いラーメンを考えると、麺食における唇の貢献度がよくわかる。

まず、目の前にラーメンが到着する。何ラーメンでもいいんだけど、とりあえず、鶏がらスープの醤油ラーメンとしよう。

割り箸を割り、レンゲを手に取り、スープをすくう。

次に何する?え、いきなり啜る?ばっかもーん、口ん中火傷して死んじゃいなさい。

吹くでしょ、フーフーするでしょ、スープを。
このとき、唇がなかったらどうだ。『フー』じゃなくて『ハー』。アルコール検査してんじゃねーぞ。もちろん、スープは冷めない、まわりの人間が冷める。

レンゲに顔を近づける。レンゲを顔に近づけるという方法もあるが、せめて一口目は、お出迎えにいきたい。

ここで、再度、くちびる様のお出ましだ。スープの流入量を調節するには、くちびるの存在が重要になる。

考えてみれば、ここまで唇は、口中をヤケドから守る、という一点に、まさに粉骨砕身の努力を払っている。元来、舌は、熱に強い。手では触れないような熱いものでも、案外平気に飲み込めたりする。

しかし、口の部位のなかで、最初に熱いスープに触れるのは、か弱い、くちびるなのだ、くちびるで触れられるなら、舌も大丈夫、という理屈なのだろうが、自らを捨石にして、舌を守ろうとする、この、くちびるの心意気。熱いものがこみ上げてくる(フーフーして欲しい)。

しかし、くちびるの下積み時代は、これで終わりだ。
これから、官能と恍惚の時間がやってくる。

麺を勢い良くすする。上下のくちびるは、麺の侵略を拒むでもなく、許すでもなく、絶妙な加減で、緊張と弛緩を繰り返す。

小さくすぼめば、麺との接触面積が増え、擦過感は増大するが、汁を取り去ってしまうので、舌が文句を言う。また、摂取量も少なくなるので、胃袋方面も黙っていない。

くちびるとしては、できるだけ、その身をすぼめて、麺が通りすぎるその摩擦感を楽しみたいのだが、ままならぬ人生である。

うどんは、滑らかで、吸い付くような感触を、ラーメンは、縮れた部分がリズミカルなアクセントを生み出し、絶え間なく下唇を刺激する。

蕎麦のざらついたテクスチャーは、無骨にして一途。

トコロテンにいたっては、その清涼な擦過感に加え、くちびるに切断の裁量まで与えてくれる。

「いつも、啜りこむだけじゃ、退屈でしょう」と、ほんの僅かな、力で、はらりと崩れるようにできている。さりげない、気遣い、なかなかできるもんじゃない。

思えば、こういう楽しみができるのも、箸というツールがあればこそだ。箸はつまんだり、切断したり、運搬したりするのは得意だが、長いものを巻き取ったりするのは苦手だ。

そのため、他の食材では、箸が担っていたいた機能を、『くち』が、くち代わり、じゃない「肩代わり」をしなくてはならない、これを逆口じゃない、「逆手」にとって、新たな楽しみを見出す。これぞ東洋人の神秘、叡智、心意気。

これに比べると、フォーク、ナイフ、スプーンなんて道具がひどく野蛮なものに思えてならない。

土木工事じゃねーんだぞ、と叫びたくなる。

タマゴ紛争

2007-09-10 15:15:42 | 食べ物だもの
タマゴは、『こだわり』の温床を提供している、という鋭い分析を披露したのは誰だったろう。私だ。

そう、タマゴは、人の無用なこだわりを増長している。目玉焼きひとつをとっても、焼き加減、タマゴはひとつか二つか、片面焼きか、ターンオーバーか、油はサラダ油か、バターか、フタはするのか、しないのか。調味料に至る以前で、無数の選択肢が存在する。

選択肢あるところ、こだわりは、生まれる。こだわりあるところに争いが生まれる。真に世界平和を希求するなら、まず、人類がタマゴのこだわりを捨て去ることから始めなくてはいけない、しかし、それは決して簡単なことではない。

タマゴ料理にこだわりのない人間は存在しない。

生涯を風のように生きたと言われる、あの宮沢賢治でさえ、「生タマゴの白いところは、きれいに、とてちて、けんじゃ」と記していた(ような気がする)。

そう、なんびとも、タマゴのこだわりから逃れることはできないのである。

タマゴは、生の状態では、ほとんど液体で、火を通すと凝固する。白身と黄身には、それぞれ異なった触感と味わいがあり、また、両者を混ぜ合わせても、まったく違った素材になる。

単品でも、十分主役がはれるし、お菓子や麺類のつなぎとしても使われる。

変幻自在にして、融通無碍。こんな食材、他にあるだろうか、いや、ない。

しかし、この特性が、人を『こだわり地獄』へと導いてしまうのだから、世の中、何が災いするか、わかったもんじゃない。

もちろん、人の『こだわり』は、タマゴ以外にも、あらゆるところに存在する。ラーメンは、醤油味に限る、とか。ビートルズ以外の音楽は認めないとか、まさに、人は、こだわりとともに生きている。

しかし、これらの『こだわり』は、その本人が自覚している『こだわり』であり、まだ救いがある。

タマゴのこだわりは、こだわる本人に、その自覚がほとんどない。

目玉焼きを塩コショウで食べる人は、自分こそが王道だと思っている。醤油と七味は野暮ったいし、ソースをかける人間にいたっては、同じ民族だと思っていない。

しかし、ご飯のおかずとして考えた場合、目玉焼きに醤油という選択は、ごくごく自然だし、もしも、目玉焼きがキャベツの千切りとともに供された場合、そこにウスターソースを回しがけする行為を、誰が非難することができようか。

私の知り合いから聞いた話なのだが、新婚旅行から帰ってきた、次の日の朝食に、奥さんが目玉焼きを作ってくれた。しかし、黄身が半熟だった。

知り合いの家では、目玉焼きは黄身までしっかり火を通すうちだったので、半熟の目玉焼きは、単なる手抜きだと思ったらしい。

「おいおい、目玉焼きくらい、ちゃんとつくってよ」

何気なく発せられた、彼のこの一言が、奥さんを激怒させ、彼女は荷物をまとめて実家へ帰ってしまった。結婚生活がターンオーバーだ。

タマゴ料理に対するこだわりは、かように深く、罪深い。

生卵が嫌いだ、という人もいるだろう。『ハナ喰ってるみたいだ』というのは、渡哲也氏の名言である。

逆に、タマゴかけご飯が大好き!という人の中でも、全卵派と黄身だけ派の二大潮流が存在する。さらに、『味の素』を入れるのが、許される行為かどうかについても、いまだに定まった見解があるわけではない。

卵焼きに関しては、以前から、砂糖の投入をめぐって、激しい論戦が続いているし、大根おろしは、なくてもいいんじゃないか、と主張する一派の存在も無視できない。

味付けについては、完全に『塩』で、まとまっていると見られていた、ゆで卵界でさえ、最近、マヨネーズの採用を主張する改革派が登場し、混沌の様相を呈している。

食の魔境、名古屋周辺では、以前から、八町味噌の塗布をたくらむ不穏分子が存在するし、アンコをまぶして『タマゴおはぎ』もいけるんじゃないか、などと物騒なことを言い出す輩もでてくる始末。なにせ『小倉トースト』を生み出した土地柄だ。安心はできない。

タマゴ、この罪深き、食べ物よ。

どーん、どーん、『どんステーキ』

2007-09-06 17:23:59 | 食べ物だもの
『どんステーキ』が好きだ。病的に好きだ。

僕の中では、これまで生きてきた中で、旨かったものベストテンに間違いなく入る。今日はちょっとアレだけど、体調の良い日であれば、ベスト5位も夢ではない(体調によって変わるのか)。

自慢じゃないけど(自慢だ)、僕だって、それなりにいろいろなところでステーキを食べた。六本木の『瀬里奈』や、銀座の『金田中』。サンフランシスコでは、あのスティーブジョブスが行きつけだという、ステーキハウスにも行った。ジョブスは菜食主義者だったような気もするけど、細かい事は気にしない。

どれも、とてもおいしかった。しかし、僕の中でのステーキNo.1は揺るがない。今、目の前に、瀬里奈のヒレステーキと、『どんステーキ』を置かれたら、間違いなく、『どんステーキ』選ぶ。値段で言えば、数十倍の開きがあるにもかかわらず。

以前、上尾市に住んでいたときには、わざわざ北本市まで車を飛ばして食べにいっていた。

『どん』との最初の出会いは、小学校5年生のとき。家の近くに、ステーキ専門店ができたというので、家族で出かけた。高前バイパス、警察学校に横にあった店で、考えてみれば、これが『ステーキのどん』1号店だったと思う。

当時から、この店のフラグシップメニュー、『どんステーキ』は980円だった。30年以上も値段が変わっていない。

前にも書いたけど、昔のG県では、牛肉は貴重品だった。というかほとんど流通していなかった。

すき焼きだって、大抵は豚肉だった。しかも、すき焼きといいながら、焼いてなんていない。今から思えば、なんという欺瞞のかたまり。

そんな時代に、980円でステーキが、しかも牛肉のステーキが食べられるなんて、夢のようだだった。

店内には、ドンキホーテと思しき木彫りの人形が置かれていた。ドンキホーテは、肉好きだったのだろうか、それとも『アラビヤン焼きそば』的な、単なるイメージだったんだろうか。

先を急ごう。

『どんステーキ』の何が感動的って、あーた、その暑さ。ゆうに5cmはあった。肉の柱が立っている感じ。

しかし、実はこれ、肉の断片を寄せ集めて、ベーコンで巻いてあるから立っているだけで、ヒレステーキのように、切り出してあるわけではない。

だから、ナイフを入れたときに、すーっと肉が切れるように見えるが、別に肉が柔らかいわけはなく、ただ単に、つなぎ合わせていた肉同士がはがれただけ。それが証拠に、各片の肉を切ろうとすると、これが一筋縄ではいかない。当時の肉は硬かった。

鉄の皿には、温野菜のつけ合わせに、バジル風味のスパゲティ。それに『ペレット』と呼ばれる、熱した鉄の塊が乗っていた。これに肉片を押し付けて、温めて食べる。

親切と言えば親切だが、皿の隙間ふさぎ的な効果もあるんじゃねーの?、あーはーん?

先を急ごう。

ソースは、醤油ベースでニンニクと玉葱が効いている。いまは、この醤油ソースとオニオンソースから選ぶ形になっているが、当時は、醤油しかなかったと思う。

このソースを肉にたっぷし、かけると、ジュワーッという音とともに、瞬く間に肉に吸い込まれる。

ソースは、つなぎ合わせの肉のスキマに入り込むだけでなく、付け合せの玉葱の炒めたのに吸い込まれる。このソースをみっちし吸い込んだ玉葱がしょっぱい。しょっぱいけど旨い。この玉葱だけで、ライス2杯はいける。

しかし、ソースは、たっぷりとは出してくれない。小さめの器に3分の1程度しか入っておらず、とても不安な気持ちになる。

もっと、ソースを!ゲーテの気持ちもかくありなん。あー我に、ソースをお代わりする勇気があったなら。とか、言いながら、毎回案外残ったりする。

いよいよ肉だ。まず感じるのは、塩気と酸味と油っけ。この、ちょっぴり鉄臭い酸味、これは血の味だ。友達と喧嘩して、口の中を切ったときと同じ味がする。そうか、血の滴るステーキとはこういうことなのか。

ギュウッと噛みしめると、ソースと肉汁が渾然一体となって、口中を駆け巡る。恍惚と昂ぶり。

やばい、このままでは、肉食獣にもどってしまう。ご飯だ、ご飯、ニッポン人に戻ろう。

『どんステーキ』は、ハラミ肉の寄せ集めである。今でこそ、ハラミは、焼肉の定番メニューだが、本来これは、内臓肉に分類されるもので、ヒレやロースに比べると、原価は安い。

だから、厳密に言えば、正当な『ステーキ』ではないのかもしれないが、僕の中のステーキはこれが正調。

牛肉の輸入が自由化される以前、注目度の低かったハラミ肉で格安のステーキを作るなんて、なんと素晴らしい発想ではないか。

しかし、その『どんステーキ』も、例の狂牛病のあおりをうけ、アメリカ産牛の輸入がストップしたため、一時、メニューから姿を消した。

このときのショックは筆舌に尽くしがたい。僕は、店から帰るなり、株式会社どんにメールを出した。筆舌に尽くしがたいといいながら、筆舌に尽くしてしまったことになるが、いい、気にしないでくれたまえ。

この期間はつらかった。しかし、ようやく去年から、めでたく復活!中断前と若干味が変わっているな気もするけど、もう慣れた。

僕のお気に入りは、ステーキ二倍の『どんどんステーキ』360g。なんだったら『どんどん、どんステーキ』だって『どんどこ、どんどん、どーんステーキ』だっていけるぞ。

先を急ごう。

それと、この店は意外に、グリーンサラダが旨い。ハウスドレッシングでぜひどうぞ。

あー、ハラ減ったー!。