シネマティックかふぇ

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アビエイター

2005年03月16日 | 映画レビュー
「すべての夢をつかんだ時、いったい何が見えるのだろう。」

本年度アカデミー賞で最多5部門を受賞したマーティン・スコセッシ監督渾身の大作ドラマ。主演のレオナルド・ディカプリオとは、「ギャング・オブ・ニューヨーク」以来2度目のタッグ。残念ながら、作品賞はクリント・イーストウッドの「ミリオンダラー・ベイビー」が受賞してしまいましたね。3度目のタッグとなる次回作の「The Departed」でまたまたオスカーを狙ってきそうな予感。

”Aviator”とは、”航空士”という意味。本作は、空への夢を追いかけ続けた世界一の男ハワード・ヒューズの半生を描いた大作ドラマだ。ディカプリオの演技力は凄いの一言。極度の潔癖症で次第に気が狂っていくハワードを、後半では素っ裸になってまで大熱演。ここまで凄い演技を見せてるのに、オスカーが取れないんだよな~何だか可哀相。今回は「RAY/レイ」のジェイミー・フォックスに譲ったものの、演技者としてどちらが上手いかと言えば、ディカプリオの方だろう。まぁ、いずれはオスカー取るでしょうね。昔から演技力は抜群の人だから。そして、ケイト・ブランシェット。「エリザベス」など数々の作品で圧倒的な演技を披露してきた彼女が、ついに本作でオスカーをゲット。オスカーを4度も受賞したヘップバーンの大記録に迫れるかな。

ブランシェット演じるキャサリン・ヘップバーンについても、詳細に描いている感じで嬉しかった。背が高くて細身で決して美人ではないけど、男を引き付ける魅力があるキャサヘプ。スペンサー・トレイシーも登場させてほしかったな~なんて。

作品については少し不満がなくもない。奇行癖のあるハワード・ヒューズという人物像については興味深く見ることができた。映画は、大富豪、映画プロデューサー、そして飛行士になる夢を次々と叶えていくハワードのサクセスストーリーを描くとともに、女性関係や航空会社の経営問題などで落ちぶれていく姿も描き出す。ストーリーはわかりやすいが、どうも個々のエピソードのまとまりが良くない。そのせいか、やけに冗長に感じてしまいました。ケイト・ベッキンセールが演じた絶世の美女(マジで!)エヴァ・ガードナーとの関係なんて、適当に付け足したとしか思えないような大雑把な描き方。ベッキンセールが好きな俺としては、納得がいかない。オスカー作品賞を逃したのは、そのあたりが原因か。

と、不満を挙げはしたが、ディカプリオのオスカー級の圧倒的演技とインパクトのある映像だけでも、この映画を観る価値がある。かなり面白かったです♪

飛行シーンは、さすがに製作費がかかってるだけあって、かなりのド迫力。本作で撮影シーンが描かれているハワードの監督作「地獄の天使」が観てみたくなりました。DVDって出てるのかな~?



「地獄の天使」


独断評価:★★★★

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