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貞観法 和らぎ通信

和らぎ体操研究会のニュースなどを中心にして記して行きます。

まぼろしの犬 Ⅹ

2008-10-03 01:59:17 | インポート

ここに取り上げたてきた、秩父犬・甲斐犬・川上犬・十石犬。それに高安犬。これらの犬は多少ならずとも、私の今までの暮らしの中で関わりを持ったことのあった日本犬の固有種とされた犬達です。

そうした「地犬」と呼ばれる日本犬の種としては、他にも、上野の山の西郷さんが連れている「薩摩犬」や、最近、ソフトバンクのテレビコマーシャルで「お父さん」役をして、すっかり人気となっている白犬の北海道犬(アイヌ犬)など等。日本各地に固有種とされる犬が知られていますが、「秩父犬」や「高安犬」のように現在では絶滅をしてしまい、その存在が「まぼろしの犬」となってしまった犬種もあります。

これらの犬に対して抱いた私の興味は、前述の通り、最初は我が家で飼っていた「クロ」の存在と、これを褒め上げた宮下のおじさんの言葉によって引き出されたのでしたが、実際のところ私自身は無類の「愛犬家」と呼べる者でもありませんし、また、自身がここに挙げたような日本犬を飼ったという経歴もありません。

その後に、これらの犬達に、私がこれまで惹かれ続けて来た理由は何だったかと言えば、沢山の発掘事例がある、縄文遺跡から出土する「縄文犬」と呼ばれている犬が、これらの犬達の先祖にあたり、その形も果たしていた役割についても共通する要素を多く含んだ犬と考えられる。という一点に尽きるように自分では思っているのです。

でも、調べてみると「犬はヒトと一番親密な関係を古い時代から持った動物である」と、されている割には分からないことだらけで、私の中に生じた種々の疑問について知りたく考えても難しいことだらけで、私にはそうした疑問の一つにさえ明確な答えを見出すことも出来なかったのですが、以下に少しばかり、こららの犬達について私が抱いた興味や関心。思考したことなどを記しておこうと思うのです。

昭和の初期、「高安犬物語」を書いた戸川幸夫氏がそうであったように、在来の日本犬に対しての関心が市民の間で高まって、その種の保存運動などが起こったとかですが、私に犬の話を聞かせてくれた宮下のおじさんも、こうした日本犬を取り巻く動きがあったとされる時期に年齢が25歳位ではなかったかと思われますから、今で言う、犬についての「お宅」とでもなって、やたらと日本犬について詳しい知識を持つようにとなったのではないかと想像するのです。

秩父犬も高安犬も、或いは他の幾つもの絶滅してしまったという在来犬種についても言える事のようですが、ちょうどこの頃を境にして姿を消していってしまったもののようです。

原因としては、西洋犬が輸入され飼われるようになったということもあったでしょうが、何よりもヒトと犬との関わり方が変わって来たことによるのではないか、つまり、犬のヒトに対して果たしてきた役割が変化したことが、これらの日本犬を滅びさせた主たる原因のように私には思えるのです。

縄文犬が「用の犬」として果たしていた役割は、「番犬」として、そして何よりも「猟犬」としてであったのでしょうから、縄文人の生活には欠くことのできない「伴侶」であったと考えられます。
(古くは愛媛県の上黒岩岩陰遺跡から見つかっているそうですし、千葉県の飛の台遺跡から見つかった骨は復元されて、遺跡名に因んだ「飛丸」と名づけられ資料館に展示されているとか、近距離でもありますから近いうちに訪ねてみようかと思っています。)

           
            飛丸
 
犬の先祖はオオカミが人間によって飼いならされ家畜化したものであるとか、否、最初から犬は犬として存在していたとか議論は分かれるようですが、どちらにしても彼らに備わっている能力、例えば嗅覚・敏捷性等は狩猟犬としての適正を先天的に持っていると言えましょう。

去年の9月のことでした。
まだ、和らぎ体操川口赤芝教室としてお借りしていた珍竹林さんの所で、わずか10日あまりの日数の間にタヌキとハクビシン(私はムジナでなかったかと思っているのですが)とが、真夜中に綱もつけずに犬を連れて散歩する人があり、この飼い犬4・5匹に襲われ絶命させられたことがありました。

http://chinchikurin.blog.ocn.ne.jp/blog/2007/09/index.html

この事件の時に私が思ったのは、これらの犬達がタヌキやハクビシンを襲うのに際してとった行動は、オオカミの獲物を狩る方法と、きっと同じでなかったかと言うことでした。

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