【アメリカ合衆国での封切り = 2007年6月15日】※『Fantastic Four: Rise of the Silver Surfer』を見た。アメコミ・ヒーロー物は意外(?)と当たりが多いので、「PG」指定が気にかかったものの、「ジェシカ・アルバが出てるし」という気楽な気分で見てみた...のだが、なんだよ、これ~?【感想のみ/ネタバレはほとんど無し】
年齢指定が「PG」だから即、悪いというわけではない。「G」指定や「PG」指定というのは要するに、対象年齢層を低めに設定してあるわけだが、一連のピクサー社やドリームワークス社のCGアニメのように、大人が見ても楽しめる作品は多い。『スターウォーズ』だって第6作(エピソード3)以外は全て「PG」だし、『ハリー・ポッター』シリーズも第3作まではそうだ(第4作以降は「PG-13」)。だから、「PG」指定でも良作は作れるのである。
アメコミ・ヒーロー物は圧倒的に「PG-13」指定の作品が多い。「PG」は「PG-13」に比べて表現方法(映像&セリフ)が限定されるので、特にアクション面では控え目にならざるを得ない。しかし、この映画の場合、アクション・シークエンスはそれなりに良く出来ているのだが、もっと根本的なストーリー・テリングの部分が「つまらない」のだ。
多分、わざと「お子さま向け」に作ったのだろう...と思ってあげたいが、「子ども騙し」になってないか?いや、もしかすると、子どもも騙せないのではないか?
まず、「素顔のスーパー・ヒーローが芸能人のようにチヤホヤされていて、パパラッチに追いかけ回されている」という設定はどうも、いただけない。「ヒーローは素顔を知られてはならない」という鉄則に反している。スーパーマンもバットマンもこの鉄則を守っている...いや、少なくとも、守ろうとしている。スパイダーマンも一部の人たちには正体を知られてしまっているが、基本的には素顔を隠している。なぜならば、ヒーローの正体が悪玉にバレれば、周りの人間がターゲットにされてしまうからだ。(仮面ライダーの場合、敵が正体を知ってるので、この理論は必ずしも成り立たないんだけど...。)
だけど、ファンタスティック・フォーはメディアにどんどん出て来るのである(原作ではどうなのかな?)。人前でスーパー・パワーを披露しても怖がられないし、サイン会までやっている。今回のゴームズ...もとい、ミスター・ファンタスティックとインヴィジブル・ウーマンの結婚式にしたって、エンタテインメント・ニュース扱いなのだ。
また、ミスター・ファンタスティックはバチェラー・パーティーで手足を自在に伸ばすダンスを披露するのだが、いくら「PG」指定だとはいえ、ここまで低劣なギャグを入れる必要はあるのか?これでは自己パロディだ。ついでに言えば、このシーンはCG処理も雑だ。近頃の「お子さま」をナメてはいけないよ。うちの息子も「手足と一緒に服(コスチュームではなく、普通の服)が伸びるのはオカシイ」とツッコんでいたが、手描きアニメから実写+CG作品への技術的な「進歩」に伴うリアリティ描写(ファンタジー世界なりの)の「進歩」が見られないと、観客としては興醒めしてしまう。
...と、ここまで書いて気付いたのだが、『ファンタスティック・フォー』シリーズって、もしかして、コメディなの?『スクービー・ドゥー』と同ジャンル?
ちなみに、「Silver Surfer」というのも実はアメコミ・ヒーローで、独立したシリーズの主人公なのだが、原作のキャラが初登場したのも『Fantastic Four』だったらしいから、そういう意味では忠実だ。今回の映画では(とりあえず)悪役だが、長々しいタイトルからして、彼を主役にしたスピンオフ映画シリーズが近々作られるのは見え見え。そのせいか、「この映画はそのスピンオフの宣伝に過ぎないのではないか?」と思われるほど、内容が薄っぺらく感じられる。Silver Surferは第2作ではなく、第3作に出した方が良かったのでは?
まあ、悪い事ばかりではなく、良い事も書いておこう。マーヴェル系のヒーロー映画ではお約束となっているスタン・リーが今回もカメオ出演している。。彼は『スパイダーマン』全3作、『Xメン』全3作、『ファンタスティック・フォー』、『デアデビル』、『ハルク』に出た他、最近ではTVの『Heroes』にも出た。でも、セリフで「スタン・リー」と名乗ったのは今回が初めてだと思う。ともかく、もう70代半ばなのに、元気である。その闊達な姿を見るだけで嬉しくなる。
Wedding Security: Invitation, sir.
Guest: I should be on that list.
Wedding Security: Name?
Guest: Stan Lee.
Wedding Security: Yeah.... Nice try.
ところで、写真は上海(多分)の街。今回は日本も出て来るのだが、その設定がオカシイのはご愛嬌?
年齢指定が「PG」だから即、悪いというわけではない。「G」指定や「PG」指定というのは要するに、対象年齢層を低めに設定してあるわけだが、一連のピクサー社やドリームワークス社のCGアニメのように、大人が見ても楽しめる作品は多い。『スターウォーズ』だって第6作(エピソード3)以外は全て「PG」だし、『ハリー・ポッター』シリーズも第3作まではそうだ(第4作以降は「PG-13」)。だから、「PG」指定でも良作は作れるのである。
アメコミ・ヒーロー物は圧倒的に「PG-13」指定の作品が多い。「PG」は「PG-13」に比べて表現方法(映像&セリフ)が限定されるので、特にアクション面では控え目にならざるを得ない。しかし、この映画の場合、アクション・シークエンスはそれなりに良く出来ているのだが、もっと根本的なストーリー・テリングの部分が「つまらない」のだ。
多分、わざと「お子さま向け」に作ったのだろう...と思ってあげたいが、「子ども騙し」になってないか?いや、もしかすると、子どもも騙せないのではないか?
まず、「素顔のスーパー・ヒーローが芸能人のようにチヤホヤされていて、パパラッチに追いかけ回されている」という設定はどうも、いただけない。「ヒーローは素顔を知られてはならない」という鉄則に反している。スーパーマンもバットマンもこの鉄則を守っている...いや、少なくとも、守ろうとしている。スパイダーマンも一部の人たちには正体を知られてしまっているが、基本的には素顔を隠している。なぜならば、ヒーローの正体が悪玉にバレれば、周りの人間がターゲットにされてしまうからだ。(仮面ライダーの場合、敵が正体を知ってるので、この理論は必ずしも成り立たないんだけど...。)
だけど、ファンタスティック・フォーはメディアにどんどん出て来るのである(原作ではどうなのかな?)。人前でスーパー・パワーを披露しても怖がられないし、サイン会までやっている。今回のゴームズ...もとい、ミスター・ファンタスティックとインヴィジブル・ウーマンの結婚式にしたって、エンタテインメント・ニュース扱いなのだ。
また、ミスター・ファンタスティックはバチェラー・パーティーで手足を自在に伸ばすダンスを披露するのだが、いくら「PG」指定だとはいえ、ここまで低劣なギャグを入れる必要はあるのか?これでは自己パロディだ。ついでに言えば、このシーンはCG処理も雑だ。近頃の「お子さま」をナメてはいけないよ。うちの息子も「手足と一緒に服(コスチュームではなく、普通の服)が伸びるのはオカシイ」とツッコんでいたが、手描きアニメから実写+CG作品への技術的な「進歩」に伴うリアリティ描写(ファンタジー世界なりの)の「進歩」が見られないと、観客としては興醒めしてしまう。
...と、ここまで書いて気付いたのだが、『ファンタスティック・フォー』シリーズって、もしかして、コメディなの?『スクービー・ドゥー』と同ジャンル?
ちなみに、「Silver Surfer」というのも実はアメコミ・ヒーローで、独立したシリーズの主人公なのだが、原作のキャラが初登場したのも『Fantastic Four』だったらしいから、そういう意味では忠実だ。今回の映画では(とりあえず)悪役だが、長々しいタイトルからして、彼を主役にしたスピンオフ映画シリーズが近々作られるのは見え見え。そのせいか、「この映画はそのスピンオフの宣伝に過ぎないのではないか?」と思われるほど、内容が薄っぺらく感じられる。Silver Surferは第2作ではなく、第3作に出した方が良かったのでは?
まあ、悪い事ばかりではなく、良い事も書いておこう。マーヴェル系のヒーロー映画ではお約束となっているスタン・リーが今回もカメオ出演している。。彼は『スパイダーマン』全3作、『Xメン』全3作、『ファンタスティック・フォー』、『デアデビル』、『ハルク』に出た他、最近ではTVの『Heroes』にも出た。でも、セリフで「スタン・リー」と名乗ったのは今回が初めてだと思う。ともかく、もう70代半ばなのに、元気である。その闊達な姿を見るだけで嬉しくなる。
Wedding Security: Invitation, sir.
Guest: I should be on that list.
Wedding Security: Name?
Guest: Stan Lee.
Wedding Security: Yeah.... Nice try.
ところで、写真は上海(多分)の街。今回は日本も出て来るのだが、その設定がオカシイのはご愛嬌?
今日はチョット気になったのでコメントしてみました。
私が知ってる限りですが、ファンタスティック4のアニメでは、みなさんTVにバンバンでてましたよ。ってか逆に、バンバンでて、生い立ちとか語って、チャリティーとして、寄付とかしてました。
そういう意味では有名人として良いなとは思うんですけど。
確かに他の人がスーパーパワーを見てもちっとも怖がらないってなんか変ですよね。でもアニメ版もそうでした。
あとは、CG加工処理が雑とのことですが、アニメ版も普通の服のときは手足だけ伸びてましたよ。←この情報はあまり自信がありませんが。
でも内容が薄っぺらいとのことでしたので、楽しみにしていた私としては少し残念です。
原作では確かに市民の味方みたいになってますよ。
(X-MENみたいに迫害されてはいない。)
シルバーサーファーですが、原作ではいい人になっていて、敵として出ていた時も、そんなすごいやつでもありませんでした。(こいつのボスのギャラクタスってやつがすごいんですよね…)
次やるとしたらギャラクタスかな。
ところでジョーさんにスタン・リーを教えてもらったので今度こそチェックしたいです。
それでとっても観たかった「Heroes」が日本でもこの秋にスーパードラマTVで放送されるのだそうで、そちらのスタン・リーさんも楽しみです。
そっかー、ファンタスティック4はそういうものだと思って見ないといけないんですね。考えてみれば、「ファンタスティック4」という名称からして能天気ですもんねー。マーヴェル系のヒーローはXメン、スパイダーマン、デアデビル...と、(特に劇場映画版で?)悲壮/悲愴な感じなので、こちらが構え過ぎてたのかな?もっと肩の力を抜いて見れば良かったかもしれません。
ダンスで手足が伸びるシーンですが、普通の服なのに一緒に伸びてるんですよ。コスチュームが伸びるのは「そういうものだ」と思えば、それで済むんですが、普通の服が伸びるのはちょっと...(苦笑)。子どもにツッコまれてるし(笑)。
ギャラクタスというのは名前からして凄そうですね。あ、そういえば、この映画にシルバーサーファーのボスみたいな奴が出てきます。後半のネタバレになるので詳しく説明できませんが、あれがギャラクタスなのかも?
また、いろいろと教えて下さいね。
モリーさん、そんなわけで、原作をよく知らない私が「ツマラナイ」と言ったからといって、お気になさらずに、自分の目でお確かめ下さいませ。(私も第1作は楽しめたんですけどネ。)
『Heroes』では1シーンだけですけど、ちゃんとセリフもあるんですよ。第1シーズンの第16話です。もし、ネタバレOKでしたら、当ブログのエピガイをご覧下さい。
このページ↓の下方にある「Movies」の項にこの映画の裏話が書かれてます。
***ネタバレ注意***
http://en.wikipedia.org/wiki/Galactus