America's Got Talent

話題の『America's Got Talent』（NBC系列）を見てみた（第5週 = 7/19＆7/20放送分）。同番組には毎週、いろんな特技を持った人（グループ）たちが出て来る。そして、2人（審査員に選ばれた1人＋視聴者投票で選ばれた1人）がファイナルに勝ち進む…という形式だ。

似たようなコンセプトの『Master of Champions』（ABC系列）という番組もあるが、そちらの場合は毎週、基本的に3種類（部門）の特技を持つ人（グループ）たちｘ2人（2組）がそれぞれの部門で一騎打ちをし、勝ち残った1人（1組）ｘ3部門の中から「マスター」ｘ1人が選ばれる…という形式で、その後にマスター同士が対決するというファイナルは予定されてないらしい。

この2つの番組を見比べてみて、「なるほど、『America's Got Talent』（以下、AGT）の方が人気があるはずだ」と思った。司会者や審査員の顔ぶれは別として、AGTはこういう点で勝っている：

• 1人1人（1組1組）が異なる特技を披露して他の全員と争うので、3部門の対決しかない『Master of Champions』（以下、MOC）よりもバラエティに富んでいる（ように見える）。
• 勝者（2人／2組のうちの1人／1組）は視聴者の投票によって決まり、結果は翌日に発表されるので（『American Idol』と同じ）、視聴者に「自分が投票したコンテスタント（競合者）が勝ち残るかどうか？」という楽しみを与えてくれる。一方、MOCは会場客だけによる投票で、しかもその場で結果が出るので、「ああ、そう」で終わってしまう。
• 毎週の勝者がファイナルに進むので、あとへの楽しみが残る。一方、MOCの場合はそれっきり。

ただ、逆に「つまらない」と思った点もある：

• 「何でもアリ」の副作用なのか、AGTのコンテスタントたちの全体的なレベルが期待していたよりも低い（「可愛らしい」だけというのもいる）。MOCの場合は一応、各分野のエキスパートが出て来るため、「スゴイ！」と思わせる特技が結構ある。
• AGTの結果発表版（1時間）は引っ張り過ぎ。「結果を発表するだけなら2～3分で済んでしまうので番組にならない」という気持ちはわかるが、それなら、せめて30分に短縮してほしい。

そんなわけで、結局のところ、「毎週、必ず見なければ！」という気にはさせてくれなかった。

ちなみに、上の写真は「At Last」という男性アカペラ・グループのもの。日本のザ・ゴスペラーズみたいな感じ（？）で、かなり上手い。私は迷わず彼らに投票したが、ファイナルにしっかり勝ち進んでくれて嬉しい。ただ、歌の上手い人たちばかりファイナルに進むとなると『American Idol』と同じになってしまうので、審査員たちもその点を考慮してか、アクロバティックな体操をやる「Realis」というペア（下の写真）を選んでいた。